カシミヤといえば、約14μmという毛質の細さによる滑らかな触り心地や、軽さと比例しない優れた保温性などが特徴として挙げられますが、なんだか簡単には手を出せない特別なモノというイメージをお持ちの方が多いのでは無いでしょうか?
そう感じるのは当然のこと、なんとカシミヤの生産量は、世界一生産量の多い綿の約0.002割しか占めていないのです。
そんな高級素材を代表するカシミヤですが、実は生産量を遥かに上回る量が流通しているのです。
そうです、偽物があちこちに出回っているという事です・・・
今回は“パシュミナ”に着目して、それがどんなものか、本物の定義は何か考えてから、本物のカシミヤを見分ける方法をご紹介します!
Contents
カシミヤとパシュミナを一挙解説!
カシミヤとはなんですか?
カシミヤとは、カシミヤ山羊から採取された獣毛を繊維にした動物繊維(毛)で、紡毛織物の一種です。
カシミア山羊とは中国やモンゴル、イランなどの標高の高い所に生息するカシミア山羊の事で、その毛はとても細く、そして柔らかく、その含まれる油分のゆえ肌触りがよく、しかも暖かいので、高級素材として冬の季節は世界中で重宝される素材です。
カシミヤ山羊は、その表面は刺し毛ともいわれるゴワゴワした粗毛で覆われており、冬の季節だけその下に柔らかいうぶ毛を密生させ、極寒の季節を耐え忍びます。
そのうぶ毛が「カシミヤの原毛」と呼ばれています。
このようにカシミアには外側の固い毛と柔らかい毛があり、その柔らかい内毛のみを使って繊維を織るため、品質が優良であるばかりでなく、生産額が少ないため、高級な繊維とされているのです。
最近はカシミア山羊の毛が高価なため、メリノ羊毛を混紡して本物の風あいをもたせたものがつくられカシミヤと呼ばれたりするほど人気となっています。
このようにカシミヤは稀少性が高い素材にも関わらず、その特徴ゆえに世界中の人々の人気となっていますので、「カシミヤの流通量はカシミヤ生産量の4倍」と言われています。
これはカシミヤの持つ人気とカシミアのランクなどを識別する方法が難しいがゆえに、「偽装」が多いことを示唆しています。
パシュミナとはなんですか?
皆さんお気付きのように先ほどあえて“カシミヤ”ではなく“パシュミナ”に着目して・・と表記しましたが、ショールやストールに使われる自然素材や繊維のことを“カシミヤ”または“パシュミナ”と呼んでいます。
どちらもカシミヤ山羊の毛を使って作られているという点では、モノ自体大きな違いがあるということではないのですが、実のところパシュミナという名はカシミヤという名が生まれる遥か前から存在していました。
ですから本来はカシミヤ山羊ではなくパシュミナ山羊の毛を使って作られているものが、パシュミナと呼ばれていました。
ですが、歴史と共に様々な諸説が入り混じり一意に定まっていません。
また、本来パシュミナ山羊の産毛のみを使用した希少価値の高いものだったのがカシミヤ一括りにされ安い値で流通していたり、偽りの情報が飛び交っているのが現状なのです。
では、本物のカシミヤ、パシュミナとは何なのでしょうか?
カシミヤとパシュミナの定義にまつわる詳しい情報や、パシュミナがカシミヤと呼ばれるようになった経緯については是非こちらをご覧ください。
本物のパシュミナがどんなものなのか理解する為に、まずパシュミナが時代の流れによってどのように変化していったのかを見てみましょう。
パシュミナからカシミヤへ
昔パシュミナは多くの人に好まれてはいたものの今ほど広く知らされてはいませんでした。
今でも非常に価値あるものですが、当時におけるパシュミナは更に価値が高く、ほとんどが王侯貴族達の外交での贈り物に用いられていたのです。
当時は限られた人の中でしか目にかかれなかったパシュミナですが、1700年代後半インドがイギリスの植民地になった時代、つまりインドが東インド会社によって統治されるようになったことがきっかけ、ヨーロッパ社交界という限られた人達だけでなく一般庶民(多くの人々)まで広まりました。
その時パシュミナは、カシミヤへと名称が変わっていったのです。
ですから欧州の方では今でも、カシミヤとは呼ばず、一部ではパシュミナと呼ばれているのです。
当時のカシミヤ、パシュミナの歴史について更に詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
パシュミナが流行り始めた当初は“パシュミナ山羊(カシミヤ山羊)で採れる毛”という観点で貴重なものとされていましたが、今は産地も増え、パシュミナの素材とされるものが増えています。
そのため昔よりもお手頃な価格で、また色んなお店で売られているので手が届きやすくなっているのは事実ですが、それが罠になっていることにお気付きでしょうか?
次に、その理由をお話しします。
偽物のカシミヤが出回っている理由
“カシミヤ100%“ “カシミール産”
「産地や素材がしっかり表記されているなら安心して買える」・・・私もそう思います。
でも表記を見るだけでその情報が100%本当だといえる理由もありません。
実際、特にインドやネパール、シンガポール、トルコ等ではカシミール産と表記された偽物が多く出回っています。
しかもとても高価な値段でです。
つまりカシミール産=本物という認識も、高価=本物という認識も捨てる必要があります。
そんな偽物のカシミヤが出回っている理由は数多くあります。
その1つとして、カシミヤにそっくりな素材があります。
それは“メリノウール”です。
よく偽物として出回っているのはメリノウールの中でも特に高級なスーパーエクストラファインメリノというもので、なんと繊維の細さは約16.5μm!
1μmは1mmの1000分の1なので、小さな差しかないために触り心地は本当にそっくりです。
ましてはカシミヤを知り尽くしているような海外の店員さんに「本物だよ!」なんて言われたら絶対に買ってしまいます・・・
しかもそんな偽物は日本でも「カシミヤ100%」という表記で多く売られているのが現状なのです。
偽物のカシミヤについての詳しい情報は是非こちらをご覧ください
偽物のカシミヤを買わない為の予防策
ここまでで、カシミヤがどのようなものなのか、また偽物のカシミヤがどのようなものなのかがある程度分かって来たのではないでしょうか?
では最後に、偽物のカシミヤを買わない為の予防策をご紹介します。
まずはこのコンテンツをご覧ください!
まとめ
「せっかくお気に入りのカシミヤを買ったのに偽物だった・・・」
私どもGreat Artisan(グレート アーティザン)は、皆様がこのような悲しい経験をされない為に正しい知識と本物のカシミヤを皆さんが見分けられるよう情報の提供に最善を尽くしております。
分からないことがあればお気軽になんでもお問い合わせください。
そしてぜひ本物のカシミヤの素晴らしさを体験してくださいますように!