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カシミヤとパシュミナ その違いはなんですか?|知っているようで知らない情報

カシミヤとパシュミナ その違いはなんですか?|知っているようで知らない情報

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ぜひ知りたい カシミヤとパシュミナの違い

これからの冬の季節・・・
冬のコートと共にストール・ショール・マフラーなどの服飾雑貨が気になるものです。

とくに冬に人気のカシミヤ!
ニットにもコートにも、そしてストール・ショールでもぜひ手に入れたい憧れの一品です。

しかし良いカシミヤを探そう。
本物のカシミヤを探そうと考え、調べてみると決まって出てくるのが「パシュミナ」です。

パシュミナ・・・・・
カシミヤは分かるけど、パシュミナってなあに?
一時期流行ったのは記憶にあるけれど・・・・

カシミヤ・・・・・うん。だいたい分かる!
パシュミナ・・・・???。何となく分かるけど自信がない・・

このような疑問を持っている方は数多くいらっしゃると思います。
つい先日もアパレルメーカーの服飾雑貨担当の方に
「パシュミナって何なのですか?」って聞かれました・・・
誰もが思う質問ですよね。

そのようなあなたに朗報です!
今回は、そのカシミヤとパシュミナの違いとは何かを特集してみたいと思います。

ぜひカシミヤとパシュミナの違いを知ってください。

カシミヤとは何ですか?

cashmere

日本では、このカシミヤはカシミアとも書かれることもあり、文言の認知度としてはほぼ同じくらいですが、現在は「カシミヤ」の方が多く使われています。
そしてこのカシミヤは英語で「cashmere」と書かれます。

そのカシミヤとはなんでしょうか。
一般的にカシミヤとは、カシミヤ山羊から取れた獣毛、またはカシミヤ山羊の毛を採取し、それから織った毛織物のことです。

このカシミヤという名称は、インドの北部高山地帯のカシミール地方の古い綴りに由来しており、カシミヤ山羊の毛の特徴は非常に細く、柔らかのが特長です。
そしてそのカシミヤ山羊の獣毛を糸にし、繊維にするとその繊維は保温性と保湿性に非常に優れており、しかも非常に柔らかく独特のぬめりを感じるため、寒い気候で使用するのに理想的な自然素材になると言われてます。
そしてこのカシミヤ山羊の毛は生産量が少ないため、高級な自然素材の代表とされています。

そしてそのカシミヤも定義されています。
1939年の米国羊毛製品表示法で定義された改正されたカシミヤの定義は、カシミヤ山羊から採取される微細な獣毛から製造されない限り、カシミヤと呼ばれることはできません。
そのカシミヤ製品の繊維の平均直径(繊度)は19μmを超えず、30μmを超える直径(繊度)のカシミヤ繊維を3%を超えて含まず、繊維の平均直径は24%を超えてはならないという規定があります。

そしてそのカシミヤの価格は産地や色、カシミヤの繊維長(毛)の長さや細さ(繊度)によって細かく格付けされており、高いカシミヤと低いカシミヤの価格差は約3倍程度の価格の開きがあります。
※カシミヤ製品に価格差がある理由にご興味がある方はカシミヤ/パシュミナには、なぜ高い製品と安い製品があるの?をご覧ください。

そして数あるカシミヤの産地の中でも上質なカシミヤは、冬は零下40℃以下、夏は40℃以上と寒暖差の激しいカシミールのラダックの山岳地帯で育てられた過酷な環境の元育てられたカシミヤ山羊であると言われています。
※その科学的な根拠に関してはなぜカシミールのパシュミナは、世界最高品質って言われるの? 品質面から考えるをご覧ください。

一般的にカシミヤ山羊の毛は、表面のゴワゴワした長い剛毛(刺し毛)と、その内側にある産毛(内毛)の2種類に分かれており、ストールやショール、そしてニット類に使うのはカシミヤの産毛(内毛)の方です。

このカシミヤの産毛(内毛)は硬くて長い毛の刺し毛の間に隠れるように生えています。
ですからこのカシミヤ山羊の内毛を採取しようと思ったら、ウールのようにバリカンで採取することができず、熊手みたいな櫛で丁寧に時間をかけてすきとるため、かなりの労力と時間を要します。

その後外側の硬い刺し毛を取り除き、手間暇かけて集めた産毛から品質の悪い毛などを取り除くと、一頭から採れるカシミヤの量はわずか150〜200グラムしかありません。

またカシミヤの採毛は年1回だけ行われます。それは春の季節4-5月位です。
このこともカシミヤの希少性を高めています。

ですからこのカシミヤは非常に貴重であり、「繊維の王様」と呼ばれるのです。

そして本物の品質が良いカシミヤは高価なものであるということも分かります。
これがカシミヤです。

諸説入り乱れているパシュミナ・・・・

Pashmina

パシュミナに関して、この日本では諸説入り乱れています。
また世界的に言っても定義がしっかりとしていないのが現状です。

そのため例えば、パシュミナは、カシミア山羊の体毛の中でも特に柔らかく細い毛のみを使用して作った、カシミアよりさらに上質な高級毛織物であるとか。
パシュミナはカシミヤに代わる新しい獣毛であるとか。
パシュミナとはただの柔らかい布の総称であるとか。
諸説入り乱れているのがパシュミナの現状です。

しかし意外に世界ではある程度認知されている一般的なパシュミナに関する定説は存在します。

世界でいうパシュミナとはなんですか?

Pashmina

世界にはパシュミナと呼ばれる様ざまな商品がありますが、パシュミナとは、北インドにあるカシミール地方のスリナガルで作られているカシミヤ山羊の毛を使って作られた、ショールやストールのことをパシュミナといっています。

そのカシミールのパシュミナの始まりは、西暦前の時代であったと言われていますが、歴史上の確かな記録に残っているのは西暦1300年頃、カシミールがシャー・ミール王朝の支配下にあった時代のことと言われています。

※カシミールのパシュミナに関する詳細な情報はカシミールの歴史 紀元後~パシュミナとの出会いまで|カシミールを想うをご覧ください。

カシミール地方へ織物の技術はペルシャ地方(今でいうタジキスタン)から伝えられ、そのペルシャの先はエジプトよりシルクロードを通って伝えられたとも言われています。
現代パシュミナに関する確かな記録として伝わっているのは、カシミヤ山羊の毛を使った織物は、このタジキスタンのハマダニという人から伝わったという記録が最も古い記録として残っています。
※カシミールにパシュミナが伝わった経緯などに関しての詳細は今さら聞けない 本物のパシュミナ | 歴史の流れから紐解くをご覧ください。

今や世界に諸説入り乱れているパシュミナの発祥の地はカシミール地方で作られていたパシュミナだったのです。
つまりカシミールのパシュミナは、パシュミナの発祥の地でもあり、現代ではカシミヤ(カシミア)と呼ばれている織物の始まりでもあったのです。

ではなぜ、そのパシュミナはカシミヤと呼ばれるようになったのでしょうか。
それはぜひ以下のコンテンツをご覧ください。
今さら聞けない パシュミナとは何ですか? 歴史の流れから考える

また弊社ではこれ以外にも、本場カシミール地方で聞いた数多くのパシュミナ/カシミヤに関する話題を特集しています。
その他の詳細なパシュミナ/カシミヤに関する情報は以下のコンテンツをご覧くださいませ。
プロが教える! 本物のパシュミナとは?
今さら聞けない パシュミナとは何ですか?素材に関して
プロが教える! 本物のカシミヤ/パシュミナの7つの選び方
プロが教える 本物のカシミヤ/パシュミナとはなんですか?
なぜカシミールのパシュミナは、世界最高品質って言われるの? 品質面から考える
失敗しない! 本物の100% カシミヤ/パシュミナ製品 16の見分け方
失敗しない!カシミヤ/パシュミナ製品の7つの選び方
カシミヤ/パシュミナには、なぜ高い製品と安い製品があるの?

カシミヤ パシュミナ その違いとはなんですか?

カシミヤとパシュミナ・・・
日本人の私たちにとって、日本に偽物が氾濫した混乱の過去があるとは言え、とても分りにくいものです。

しかしカシミヤ・・・
そしてパシュミナ・・
それぞれの元を辿ってみると、その違いははっきりしてきます。

前述したようにカシミヤより先にパシュミナがまず世界に登場しました。
それはパシュミナという名の元、最初はインドの王侯貴族への贈り物や近隣の王侯貴族への贈り物として使われました。
その後ヨーロッパ社交界に持ち込まれ、ヨーロッパで花開くことになったのです。
これがパシュミナです。
そしてそれは当時のカシミール地方のラダックのパシュミナ山羊(カシミヤ山羊と同じ)の毛だけを使って、手で織った手織りの織物のことをパシュミナと呼んでいました。

その後ヨーロッパでカシミヤという名称が登場したのです。
つまりカシミヤという名称はパシュミナより後の時代にできました。

ヨーロッパ、とくにイギリスの産業革命以降カシミヤは有名になっていき、世界にそのカシミヤという名が広まっていったのです。
それは機械でカシミヤ製品が大量に生産されるようになっていったからです。

正確ではありません。
しかしあえてカシミヤとパシュミナの違いを分けるとしたら、カシミヤとはカシミヤ山羊の毛を使った織物で機械で作られたものをカシミヤ製品と呼ぶことができるかもしれません。
そしてそのカシミヤ山羊の毛の産地はカシミールのラダックに限らず、その多くはモンゴルや中国産です。

そうです。
カシミールのパシュミナは、エジプトからフランス皇帝ナポレオンの手に渡り、その後フランス社交界を経てヨーロッパ社交界に広まり、現代のカシミヤと呼ばれるものとなったのです。

つまり世界の歴史は証しています。

パシュミナ=カシミヤだったのです。

※上記の定義からいうと、現代化学繊維や綿や羊毛などのカシミヤ以外の自然繊維で作られたパシュミナは偽物ということになりますが、「パシュミナ」自体の世界的な定義がなされていないので、一概に偽物ということは出来ません。
これはパシュミナの発祥から考えた、本物のパシュミナとはどういうものかという意味ですので、誤解が無いようお願いいたします。


カシミヤ パシュミナ その違いのまとめ

長く論議となっていたカシミヤとパシュミナの違い・・・
いかがだったでしょうか。

カシミヤとパシュミナの発祥から考えるとこのような違いとなります。

しかし今カシミヤとパシュミナの違いを論じること自体がナンセンスなのかもしれません。
なぜならパシュミナとは何か?
今分からなくなっているのは、パシュミナの定義が定められていないことが原因だからです。

ではなぜそのような事態になってしまったのでしょうか。

ネパールやインドのその他の土地、そしてカシミールなどで聞いた話や、様ざまな文献を考察するにパシュミナの完成があまりにも早い時代に完成されました。
それはムガール帝国の時代だと言われています。

そしてそのパシュミナは今でいう、ブランディングや商標など全く考えもしない時代に多くの人々に必要とされ、憧れの的となりました。
それだけではありません。
ある場合、パシュミナは国家間の争いごとを治める貴重な贈り物にもなったのです。
それはナポレオンがカシミールではなく、エジプト遠征でパシュミナを手に入れたことからも分かります。

それがゆえ、その偉大なパシュミナという名を借りたまがい物が出てきて、多くの人々は偉大なパシュミナを混乱へと導いていったのです。

これはとても残念なことです。

ぜひ私たちGreat Artisan(グレート アーティザン)は、本物のカシミヤ/パシュミナを探している皆さんにナポレオンの妻ジョセフィーヌが愛した本物のパシュミナ。
中世のヨーロッパ社交界が虜となった本物のパシュミナを知ってもらいたいと思っています。
そして本物のカシミールのパシュミナの素晴らしさを味わい知っていただきたいと思っております。

Great Artisan(グレート アーティザン)のカシミールのカシミヤ/パシュミナブランドを以下で紹介します。
ぜひ皆さんの目でお確かめください。

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