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現代のマジック! 魅力的な手刺繍 その起源とは?!

現代のマジック! 魅力的な手刺繍 その起源とは?!

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魅力的な手刺繍とは

何気ないごく普通の手持ちの服やハンカチをぱっと華やかにしてくれる手刺繍。
手刺繍の魅力は、何といっても「一針一針が集まって作品ができること。簡単な一つ一つのステッチが組み合わさって思いもよらない複雑な図柄になり、作品になっていく」 という面白さです。 
何のへんてつもない一枚の無地の布に簡単な手刺繍を施すだけで、その布が全く別のイメージになることもあります。

まさにそれは現代の魔法のよう!
何の変哲もない布が、あっという間に魅力的な布へと変身するのです。
この日本にも手刺繍が好きな方は多いですね。

今回は現代のマジックともいえる、その魅力的な手刺繍の起源や魅力について特集してみたいと思います。

手刺繍とは何でしょうか?

刺繍 ソズニ刺繍

手刺繍とは、無地の繊維の上に絵柄や文字などの平面、立体などのデザイン装飾を人間の手で加えていく技術のことです。

刺繍には、大きく分けて、「手刺繍(てししゅう)」、「機械刺繍」、「パンチニードル」という3種類の刺繍方法があります。
手刺繍はや機械刺繍は、その名の通り手や機械で刺繍する方法ですが、パンチニードルとは、比較的新しい刺繍の方法で、専用のニードルパンチという特殊な針を使って、布の上から糸を埋め込んでいく刺繍の仕方です。

刺繍は、布に直接糸を縫い付ける方法と、別に刺繍加工を施した布でワッペンを作り、それを布に縫い付けるという方法があります。
また、糸だけでなく、リボンやスパンコール、チェーンなどを刺繍することもあります。

上の画像を見てください。
これはカシミール刺繍の中の、ソズニ刺繍という細針で行う手刺繍の技術です。
手刺繍好きにはたまらない美しさを感じますね。

刺繍の発祥と発展

細針手刺繍

刺繍の起源は紀元前30,000年にまで遡ることができると言われています。
最初はもちろんすべて手刺繍でした。
最近の考古学的な発見では、その時代の遺跡から重く手縫いされて装飾された衣類、ブーツと帽子などの化石化された刺繍と思われるこん跡が発見されました。

紀元前15000年、後期旧石器時代、針が出現しています。
馬の毛や鹿の腱を裂き、それらで皮を縫い合わせていたことが分かっています。

その他にシベリアでは、紀元前5000年から6000年にかけて、動物の皮に装飾的なデザインで縫い込まれた精巧な貝殻が発見されました。
また中国の糸による手刺繍は紀元前3500年にまで遡ることができます。

また手刺繍と他のほとんどの繊維と針仕事などの芸術は東洋と中東に由来すると信じている人もいます。
原始人類はすぐに動物の皮を一緒に接合するのに使用されるステッチが衣服の装飾にも使用できることを発見しました。
様々な古代文明の住民を描いた記録された歴史、彫刻、絵画、花瓶は、糸で刺繍された服を着ている人々がいたことを示しています。

このように真偽は定かではありませんが、手刺繍は人類の歴史とともに古くから存在していたのです。
つまり人類の生活に手刺繍は密接に関係していたのです。

最も古い手刺繍作品の1つは、初期青銅器時代に作られたスカンジナビアの花網ステッチの縁取りで飾られたチュニックであると言われています。
その他には、シベリアのアルタイ山脈で発見されたアルタイ刺繍があります。

このような手刺繍は古代エジプトでも行われていました。
古代エジプト人は織物を編むため、長い繊維に裂くことができた麻や亜麻を使って布にしていたのです。

また最も古い手刺繍もエジプトの墓から発見されているのです。
それによってこのエジプトの時代に現存する全てのステッチが存在していたことが分かりました。
例えばロンドンにあるThe Victoria Albert博物館は、ウールでチェーンステッチ刺繍された木の模様の壁掛けを保存してあります。
他にもエジプトの刺繍は、墓壁に描かれた女王のブラウスにも見ることができます。

このようにエジプト人は織物を装飾する技術力が高く、ユダヤ人らに手刺繍を教えていました。
そしてユダヤ人もその技術を使い、祭司や祭壇など宗教的な行事を行うものに刺繍を施したという記録が聖書の中に出てくるのです。

わたしたちの住む東洋でも手刺繍は発達しています。
有名なのはインドです。
インド最西端に位置するグジャラート州では、古い刺繍工芸品が発見されたということで、刺繍工芸発祥の地とも言われています。
その刺繍で糸に金銀を混ぜるアイデアはアジアが発祥とされています。
純度の高い薄片を得るために、金銀をつぶし金箔、銀箔と呼ばれる箔状のものが加工され作られました。
現在でもインドの手刺繍の中に金属糸を使った手刺繍の技術が現存しています。

中世になるとイスラム教が生まれ、イスラム勢力が西洋や東洋を席捲するようになりました。
そのような相次ぐイスラム勢力の侵攻は東洋の織物や手刺繍をヨーロッパに伝えたと同時に、西洋の技術を東洋にももたらせる役割を果たしたとも言われています。

最初は711年、サラセンがスペインに侵攻した時です。
その際に東洋の織物や手刺繍は瞬く間にスペインに広まり、9世紀にはスペイン織物は有名になり、イタリアとの間で貿易が盛んに行われるようになったのです。

いずれにしても刺繍の歴史は非常に古く、遡って起源を見つけることができないと言われています。
しかし考えようによっては、それほど手刺繍という技術がいつの時代も身近なものであったということになります。

つまり手刺繍は人類の発展と共にあったのです。

手刺繍の魅力とは?

手刺繍

最後に手刺繍の魅力に迫ってみたいと思います。

・立体感と高級感
手刺繍は、なんと言ってもただの布などには無い立体感、そして高級感があるところが魅力です。
たとえば、綿100%の無地の生地にただ手刺繍を施すだけで、非常に高級感のある風合いが演出できます。

そして手刺繍は、生地に撚り糸を縫い付けていくので、その部分に立体感が出ます。
つまり手刺繍をしている生地に立体感が生まれ、高級感があるように見えるのです。

たとえばインドのチカンカリ刺繍などは同系色の糸を重ねることにより、ただでさえ刺繍をすると立体感が出ている生地に、より一層の立体感を与えているため、さらに手刺繍を施した生地が美しく見える効果があります。

それはカシミール刺繍の中の手刺繍の技術ジャアリ(JAALI)にも受け継がれています。
そのカシミールの手刺繍の技術、ジャアリはそれ自体にも非常に価値がある無地のカシミヤ/パシュミナの生地に手刺繍を施していきます。
同系色の糸を重ね合わせ、何ともいえない美しい刺繍付のストール、ショールが生まれるのです。

それは何百年の間、世界中の人々の心をとらえて離しません。
そのため、多くの高級アパレルブランドで刺繍加工が採用され幅広い年代がターゲットになっているアパレル製品に刺繍加工は採用されてます。

・洗濯にも強い
刺繍は、布に直接糸を縫い付けていくため、洗濯機や乾燥機にかけても剥がれたり、色褪せたりなどせず、非常に丈夫なのです。
そのため、Tシャツだけでなく、洗濯する頻度の多いタオルや、しつこい汚れが付きやすくて強めの洗濯をするユニフォームや作業着などにも手刺繍が採用される場合があります。

かくいうカシミールのカシミヤ/パシュミナも手織りのため、とても繊細な繊維になります。
当店のカシミヤ/パシュミナも同様なので、長持ちさせるためにはメンテナンスなどは欠かせません。
しかしその繊細なカシミヤ/パシュミナに手刺繍を施すとどうなるでしょうか。
まさに安定が生まれます。

繊細なカシミヤ/パシュミナと手刺繍は、非常に良い相関関係にあるのです。

ソズニ刺繍

まとめ – 魅力的な手刺繍 その起源とは-

上の画像は、カシミール刺繍のソズニ刺繍です。
非常に細かく美しい手刺繍です。
とても心惹かれます。

このように手刺繍は人類の歴史とともにあり、そしてその土地その土地で独自の発展を遂げていったようです。
そして人類のエゴである戦争などによって手刺繍の歴史は混ざり合い、さらに発展を遂げていきました。

それだけ手刺繍という文化を、どの人類も必要としていて、惹きつけられているからなのかもしれません。

また手刺繍はただ美しいだけでないということも分かりました。
もしかしたらプレーンの生地は、知っている人、触った人にしか分からない魅力を持っているのかもしれません。
しかしそのプレーンの生地に手刺繍を施すとパッと始めて見た人にも分かる魅力を付与し、

それだけではなく、見た目の手刺繍の美しさだけではなく、その生地をさらに美しく光沢感を与え、高級感をも与えます。
またそれと共に生地に強さも与えるのです。

手刺繍はまさに一石二鳥の素晴らしい芸術であり、非常に手刺繍は魅力的なモノです。

当店にもカシミール刺繍の芸術を販売しています。
ぜひお好みのデザインを手に取ってください。

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