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手刺繍の王様 ソズニ(SOZNI)刺繍の秘密|カシミール刺繍

手刺繍の王様 ソズニ(SOZNI)刺繍の秘密|カシミール刺繍

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カシミールの手刺繍のソズニ(SOZNI)刺繍 手刺繍の王様

「すべてのインドの織物の中で、美しさ、色、質感、デザインでソズニ(SOZNI)刺繍に優るものはありません」
世界のテキスタイル産業のなかでまことしやかに言われていることです。

たしかにこれは大げさな言葉ではありません。
ソズニ(SOZNI)刺繍はカシミールの文化、芸術であり、インドの手刺繍の中のエリートと言えます。

ですからカシミールの手刺繍のソズニ(SOZNI)刺繍は手刺繍の中の王様と言っても過言ではないのです。

しかし残念なことに、この日本ではカシミールの手刺繍の素晴らしさ。
とくにソズニ(SOZNI)刺繍の素晴らしさを知っている人はそう多くないのも現実です。
そのためこの日本には、ソズニ(SOZNI)刺繍に関しての体系立てた情報・資料もそう多くはないのです。

今回はこれまでカシミールから集めたそのソズニ(SOZNI)刺繍に関する情報を纏めて、少しでも多くの人にカシミールの手刺繍、特にソズニ刺繍の素晴らしさを知ってもらいたいと思います。

ソズニ刺繍ショール

ソズニ(SOZNI)刺繍とはなんですか?

ひと針ひと針、手間と時間をかけながら作る手刺繍。
世界には、古くからその地域に伝わる伝統的なさまざまな手刺繍がたくさんあります。

中でもカシミールの手刺繍、ソズニ刺繍はテキスタイルを愛する者の中では有名の刺繍です。

カシミール刺繍の主な刺繍は2つあります。
それはソズニ刺繍とアーリ刺繍です。
このコンテンツでは、カシミール刺繡の王様といわれているソズニ(SOZNI)刺繍を特集いたします。
アーリー刺繍に関してはソズニ(Sozni)とアーリ(Aari)とはなんですか?をお読みください。

ソズニ(SOZNI)刺繍とはなんでしょうか。
ソズニ(SOZNI)刺繍は別名ニードル刺繍といわれ、インドの北部カシミール地方の伝統的な刺繍の主な刺繍技術の一つです。
細い針一本一本に糸を通し、刺繍職人が織物に手刺繍を施した伝統工芸品のことをソズニ(SOZNI)刺繍といいます。
ソズニ(SOZNI)刺繍の特徴は、極細の針を使って施された手刺繍の繊細なデザインがソズニ(SOZNI)刺繍の魅力的な特長となっています。

カシミールの職人が丁寧に極細の針を使い一枚一枚、魂とこめて刺繍をほどこす・・・そのような大胆かつあたかも細密画のようなソズニ(SOZNI)刺繍の繊細なデザインがソズニ(SOZNI)刺繍の大きな魅力の一つになっています。

このソズニ(SOZNI)刺繍は、南アジアのスイスと呼ばれるインド北部にある美しいカシミールの大自然の中で育まれた手刺繍の偉大な芸術だと言われています。

そうです。
自然豊かなインド北部のカシミールだからこそ生まれた手刺繡の芸術なのです。

それはソズニ(SOZNI)刺繍によって描き出されるカシミールの偉大な職人たちの卓越した技術と色彩センスが、一つ一つのモチーフとなって表現され、それが美しさと均整のとれた刺繍デザインに見事なまでに昇華され、それがソズニ(SOZNI)刺繍を見る者を魅了して止めないからです。

ソズニ(SOZNI)刺繍はどれくらいの年月をかけて作られるものなのでしょうか。
ソズニ(SOZNI)刺繍の中のデザインの一つ、ボーダー刺繍で2カ月から半年、ジャマワールと呼ばれる織物(ほとんどの場合カシミヤ)全体に刺繍を施す刺繍デザインで半年~1年、ジャマワール刺繍の中でもかなり細かいデザインになるとそれ以上の年月が完成までかかるものもあります。

今、大量消費・大量生産の時代です。
そんな時代だからこそ、このカシミールのソズニ(SOZNI)刺繍の細密な手仕事(てしごと)が世界で高く評価されています。

なぜならカシミールの手刺繍のソズニ(SOZNI)刺繍には大量生産されたものにはない、手仕事(てしごと)ならではの素朴さと繊細さが感じられるからです。
これらの手刺繍は、絵画や彫刻などの芸術作品と同じように、眺めているだけで癒され、作り手の想いを感じることができます。

それだけではありません。
ソズニ(SOZNI)刺繍の魅力は、まさに一枚のカシミヤ/パシュミナにカシミールの豊かな自然風景や習慣、そして歴史や人々までも閉じ込めてしまったのかのようです・・・・
まさにカシミールのソズニ(SOZNI)刺繍は偉大な芸術なのです。

そしてソズニ(SOZNI)刺繍のほとんどは、『一期一会』・・・
全く同じソズニ(SOZNI)刺繍に出会うことはほぼないのです。
まさに究極のてしごとといえます。

それがカシミール刺繍が世界に誇るソズニ(SOZNI)刺繍なのです。

ソズニ(SOZNI)刺繍の刺繍の仕方

ソズニ(SOZNI)刺繍
ソズニ(SOZNI)刺繍の進行
ソズニ(SOZNI)刺繍
ソズニ(SOZNI)刺繍の進行
ソズニ(SOZNI)刺繍
ソズニ(SOZNI)刺繍の進行

このソズニ刺繍の詳細は、当社コンテンツカシミール刺繍|ソズニ(Sozni)とアーリ(Aari)とはなんでしょうか?の中でも触れていますのでご覧ください。

この日本ではソズニ刺繍を、ニードル刺繍又細密細針刺繍、細針刺繍と言っている方もおります。

まさにその名の示す通り、ソズニ(SOZNI)刺繍とは日本の針仕事でも使われているような細い針を使って手刺繍をするカシミールの手刺繍の名称のことです。

このカシミール刺繍のソズニ(SOZNI)刺繍は、カシミールの手刺繍の中でも最高難度の手刺繍といわれており、そのソズニ(SOZNI)刺繍の有名なデザインにペイズリーデザインがあります。

カシミールでは、このソズニ刺繍のことをソズニ(SOZNI)と呼んでいます。

カシミール刺繍で、このソズニ(SOZNI)刺繍が施されるのは、主にパシュミナ(Pashmina)のショール、ストール(彼らはスカーフとも呼ぶ)ですが、それだけではなく、綿(コットン)や絹(シルク)、そして羊毛(メリノウール)の織物、そしてジャケット、サルワールカミーズ、サリーなど様々なものにソズニ刺繍は施されています。
※ソズニ(SOZNI)刺繍の初めについては、当社コンテンツカシミール刺繍|ソズニ(Sozni)とアーリ(Aari)とは何でしょうか?をご覧ください。

カシミールにおけるソズニ(SOZNI)刺繍の始まりは、職人が職人何の変哲もない無地のカシミヤ/パシュミナショールを手にし、何の変哲もない小さな針を手にするところから始まります。

左の写真をご覧ください。
まるで魔法を使っているかのように見えるほどソズニ(SOZNI)刺繍の職人は、素晴らしいテクニックを使って、想像もできないような素晴らしいデザインのソズニ(SOZNI)刺繍を生地に手刺繍でを施していくのです。

このような素晴らしいソズニ(SOZNI)刺繍を生み出していくのは、ただの何の変哲もない小さな針と、通常綿(コットン)と絹(シルク)がミックスされた刺繍糸なのです。

ですからソズニ(SOZNI)刺繍とは偉大なカシミール刺繍の職人たちが生み出す芸術と言えるのです。

ソズニ(SOZNI)刺繍はどのように手刺繍作業を行っていくのでしょうか。
左の下の写真は、最終的に16色の糸が用いられて作られたショールの製作過程です。

このショールは最初に赤、次に黄色と、順番に作業を進めていき、そのあと、1カ所を集中して仕上げ、全体の色合いを見ていきます。
そして、最後に職人は刺繍全体のイメージを掴み、更なる手刺繍の作業を進めて行くとのことです。

つまりソズニ(SOZNI)刺繍の職人は、刺繍デザイン全体の把握力も必要なのです。
そしてソズニ刺繍の優れた職人になればなるほど、その力が卓越したものとなっていきます。

ソズニ刺繍はどのような人たちによって行われているのでしょうか。
この素晴らしいソズニ(SOZNI)刺繍の職人は、ソズニ刺繍を専門とする職人ではありません。
ソズニ刺繍の職人のほとんどは、農家であるカシミールのスリナガル近郊の村の男性と女性たちです。

カシミールは農業的に豊かな場所であり、村の人々の大部分は、果物や穀物および動物の耕作に携わっています。
そしてカシミールの農業は日本と同じく四季があります。
そのためカシミール地方の冬の季節は雪で覆い尽くされてしまうのです。

するとこれらの農家の人たちはソズニ(SOZNI)刺繍の芸術家に変わります。
また農業の合間の空いた時間も、彼らは優れたソズニ刺繍の芸術家に返信するのです。

まさにソズニ(SOZNI)刺繍が生み出していくカシミヤ/パシュミナは、手刺繍の芸術であり、その職人たちは偉大なる職人たち(Great Artisan)ということができるのです。

ソズニ(SOZNI)刺繍のモチーフとは

ソズニ(SOZNI)刺繍

ソズニ(SOZNI)刺繍は何をモチーフとしているのでしょうか。

ソズニ(SOZNI)刺繍は、ペイズリー、アイリス、チューリップ、蓮(はす)、サフランの花として知られているbadum(アーモンド)のような、自然豊かなカシミールに自生している多くの花や草木が伝統的なモチーフとして用いられており、それが非常に人気があります。

また個性豊かな動物たち、例えばオウム、カナリア、キツツキ、蝶、カワセミのような鳥のモチーフが美しい色で刺繍されている場合もあれば、さくらんぼとぶどう、自然に影響を受けた水仙とマリーゴールド、美しい緑の芝生などさまざまなものをソズニ(SOZNI)刺繍の中で見つけることができます。

ときにカシミールに関係する歴史物語もソズニ(SOZNI)刺繍の中で表現されることもあるのです。

そしてその中でも特に有名なデザインが、ペイズリーデザインです。
※このペイズリーデザインに関しては当社コンテンツカシミールとペイズリー その歴史とカシミヤ/パシュミナをご覧ください。

いずれにしても、インド最後の楽園とも言われるカシミールの自然豊かな情景が、この素晴らしいソズニ(SOZNI)刺繍のモチーフとなっていることは間違いないのです。

ソズニ(SOZNI)刺繍の製作過程

ソズニ(SOZNI)刺繍の大まかな制作過程を以下に記したいと思います。

日本の皆さんのほとんどは、カシミールのソズニ(SOZNI)刺繍を施されたショールやストールを見たことがある人がいるか、いないかくらいだと思います。
そのためソズニ(SOZNI)刺繍がどのように作られているかなど知らない人がほとんどです。

かくいうわたしもソズニ(SOZNI)刺繍の制作の全過程を通しで見たことはなく、カシミールに何日か滞在したときに案内して見て、そして日本にいながらカシミールの友人から聞くだけです。

とにもかくにも大まかではありますが、ソズニ(SOZNI)刺繍の制作過程を知り、なぜカシミールのソズニ(SOZNI)刺繍が素晴らしく、そしてある程度の価格がするのかをご理解いただければ幸いです。

デザインの準備

デザイン

ソズニ(SOZNI)刺繍のデザイナー(Naqash)は、幾何学的および数学的手法を使用して、グラフ用紙に刺繍するデザインを慎重に描きます。

打抜き用木製ブロックの彫刻

木製ブロック

ソズニ(SOZNI)刺繍のデザイナー(Naqash)によって準備されたデザインに基づいて、木製のブロックが用意されます。
木製のブロックはショールデザインを専門とする木彫りによって彫られます。
彼は木のブロックにデザインを刻んでいきます。

色のサンプリング

ソズニ(SOZNI)刺繍

木製のブロックによって刻印されたショールは、tarah-guruという名の職人に渡され、そこで刺繍の色サンプルが作成されます。
それによってソズニ(SOZNI)刺繍のデザインが決定し、使用される刺繍糸の色が決まります。

ソズニ(SOZNI)刺繍作業

ソズニ(SOZNI)刺繍

tarah-guruによってデザインされた刺繍デザインに対し、Vosteと呼ばれるもう一人の熟練した職人が、実際にパシュミナショールにソズニ(SOZNI)刺繍を施すためにデザインの変更などを承認または要求します。

それが承認されると、ソズニ(SOZNI)刺繍のショールは承認された色に基づいてソズニ(SOZNI)刺繍を完成させる刺繍職人に渡され、実際に刺繍が行われます。

その刺繍が行われたのちその刺繍は、Vosteと呼ばれるもう一人の熟練した職人によって承認され、パシュミナに刺繍糸でサインがされます。

ソズニ(SOZNI)刺繍のフィニッシュ

仕上げ

ソズニ(SOZNI)刺繍のパシュミナショールの最後の洗浄は、中性洗剤を加え、専門の洗濯機で滑らかな石に生地を繰り返し当てることで、湧き水で行われます。
これを行う事により、木製ブロックの後も消すことになり、ソズニ(SOZNI)刺繍が完成します。

仕上げ又はフリンジの作成

フリンジ

ソズニ(SOZNI)刺繍のパシュミナショールデザインに従って、最終的にデザインを整え、最後にフリンジを作ります。

ソズニ刺繍の制作映像

  • 木製ブロックの作成

    決定したデザインに従って木製ブロックを作成しているところです。

  • スタンパー

    作成した木製ブロックを手刺繍を施すカシミヤ/パシュミナにスタンプしているところ

  • ソズニ(SOZNI)刺繍 ジャアリ

    ソズニ(SOZNI)刺繍のデザインの一つ、ジャアリワークを手刺繍している映像です。

  • ソズニ(SOZNI)刺繍 ジャアリ

    ソズニ(SOZNI)刺繍のデザインの一つ、ジャアリワークを手刺繍している映像です。

ソズニ(SOZNI)刺繍 まとめ

カシミール刺繍のソズニ(SOZNI)刺繍について特集しました。
このようにカシミール刺繍のソズニ(SOZNI)刺繍は素晴らしいデザインであり、芸術でもあります。

Great Artisan(グレートアーティザン)ではTraditional Pashmina(トラディショナル パシュミナ)というブランドにてこの素晴らしいソズニ(SOZNI)刺繍を施したカシミヤ/パシュミナを扱っております。

ぜひこの素晴らしいソズニ(SOZNI)刺繍をお手元において楽しんでください。

Great Artisan(グレートアーティザン)には素晴らしいカシミール刺繍のカシミヤ/パシュミナを販売しています。
また卸・OEM・ODMも承っておりますので、何なりとご相談ください。

以下にGreat Artisan(グレートアーティザン)のカシミールのカシミヤ/パシュミナをご紹介します。

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