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カルセドニーとは何ですか?
天然石にはたくさんの種類があるように思います。
しかも同じ天然石でも色によって別の名前がついていることもあるので、なかなか覚えられないという方もおられると思います。
しかし数多いように思えるそんな天然石も、鉱物学的に言うと、そんなに多くの種類はないんです。
その中の一つに今回紹介するカルセドニーがあります。
このカルセドニーは、地球上ではどこにでもある一般的な鉱物である石英の一種です。
そしてこのカルセドニーは、半分透き通り、蝋のように見える色あいがとても優しく見え特徴となっている、魅力的な天然石です。
特にこのカルセドニーの特徴としてあげられるのは、カルセドニーには美しいさまざまな色があり、多色の天然石のひとつということです。
少し専門的に解説していきたいと思いますが、このカルセドニーは、石英の微小な結晶が集まり塊状に形成した鉱物で、同じ石英系の鉱物には水晶や瑪瑙(アゲート)などがあります。
石英の中でも二酸化珪素が肉眼で見える大きさに結晶をなしているものが水晶です。
ちなみに瑪瑙 オニキス onyx|美しさの秘密の中で書いた通り、オニキスは瑪瑙の一種です。
つまり、カルセドニーも水晶も、瑪瑙(アゲート)も鉱物でいうと同じ石英なのです。
見た目も全く違うのに、鉱物で分けると同じなんて面白いですね。
そしてこの石英という鉱物を一般的に下記のように分けることができます。
透明感が有り模様がなく均一のカラーを持つものが、カルセドニー
縞模様をはじめとする様々な模様が出ているものが、瑪瑙(アゲート)
石に含まれる成分により不透明になったものが、ジャスパー
このように見た目も名前も全く違う天然石ですが、実はとても近い親戚のような関係にあるんです。
そう考えると天然石は奥が深いですね。
カルセドニーという名前の由来とその歴史
このカルセドニーという名前はどうやってつけられたのでしょうか。
この「カルセドニー」という名前は、現在のトルコに位置する古代港「カルセドン」からきています。
その地域では古くからカルセドニーの採掘が行なわれ、その港で売買されていたのでカルセドニーと呼ばれるようになったと言われています。
そのためかトルコを含め地中海近辺では、青銅器時代からこのカルセドニーが採掘され様々な用途に用いられてきました。
たとえばギリシャのミノアクレタでは、紀元前1800年頃のものとされるカルセドニーを彫刻して作った封印用の印章が発見されています。
右の写真のように昔は蝋などを垂らし、そこに所有者の印を彫刻したスタンプを押すことで手紙などを封印していました。
カルセドニーは彫刻に適しており、しかも封印に使う蝋がくっつかない性質があるので、カルセドニーは印章として最適な材料だったのです。
ですからカルセドニーが印章に用いられたのです。
カルセドニーの採掘場所は?!
現在カルセドニーは、地中海沿岸以外にもインド中・西部で豊富に産出されています。
そのカルセドニーが採掘される場所には溶岩台地が広がっており、地盤となるその堆積の隙間に玉髄(カルセドニー)・瑪瑙などが形成されているからです。
石器時代には、硬度の高いカルセドニーは細石刃などの道具に利用されていました。
その後、カルセドニーは次第に道具だけでなく装飾材料に用いられるようになっていったそうです。
インドのグジャラート州にあるドーラビーラー等の古代都市遺跡では、カルセドニーで作られた様ざまな商品、つまり紅玉髄の杯やカップ、カメオ等発見されていて、こうしたカルセドニーで作られたものが当時その土地の特産品として生産されていたことが分かっています。
しかもそのカルセドニーで作られた名産品のどれもが、見事な彫刻が施されており、古くからインドではカルセドニーを加工する優れた技術を持っていたことが分かっています。
ちなみにインドのグジャラート地方は現在でも、さまざまな宝石や天然石の海外取引の拠点ともなっています。
この日本でも、石器時代の遺跡からカルセドニーで作られた矢じりやナイフなどが数多く出土しています。
茨城県の常陸大宮地域では、石器時代から瑪瑙や玉髄の石器が作られており、江戸時代にはこの地域で採掘された石で作られた火打石が江戸でも使われていました。
また前述しましたがカルセドニーは硬度が高いので、乳鉢に使われていることでも知られています。
しかし世界の他の地域と同様、この日本においても、カルセドニーは道具だけではなく、高級な食器や観賞石、帯留やかんざし、数珠などの装飾品に加工されてきました。
その理由はなぜでしょうか。
それはカルセドニーの種類がそうさせているのです。
カルセドニーの種類
カルセドニーの特徴は、なんといっても豊富なカラーバリエーションです。
そしてそのカラー色付きの蝋燭に似ています。
その蝋のような光沢は好みがあるかと思いますが、わたしは素晴らしいカルセドニーカラーだと思います。
カルセドニーのこの色を、とても美しく思うのです。
このカルセドニーの豊富なカラーは、鉱物に含まれる不純物によって生じるようです。
以下に良く知られたカルセドニーの種類を上げてみました。
カルセドニーの種類
紅玉髄(カーネリアン) | 酸化鉄を含んで血のように紅く染まった石英。 宝石好きのナポレオンが生涯で最も大切にしていたと言われる天然石の一つです。 |
---|---|
緑玉髄(クリソプレーズ) | 黄緑色(アップルグリーンのカルセドニー) カルセドニー(玉髄)の中で、少量のニッケルを含み、全体的に黄緑~深緑の色調を呈するものを緑玉髄(クリソプレーズ)といいます。 |
瑪瑙(アゲート) | 玉髄の中で縞状の模様があるものを瑪瑙(アゲート)といいます。 オニキスもこれに含まれる |
碧玉(ジャスパー) | 不純物の量が20%以上で不透明な石英グループの一種。 不純物の種類によって赤、緑、黄などが生じる。 ブルーサファイアのことを和名で碧玉ということもある。 |
血石(ブラッドストーン) | 碧玉の中でも濃いグリーンや黒の碧玉の中に赤色が血の斑点のように混じっているもの。 赤は酸化鉄による |
青色カルセドニー | 玉髄(カルセドニー)の中でも優しい青色のもの。 不純物の銅により青色のカルセドニーになる。 |
カルセドニーは染色が一般的って本当?!
カルセドニーには上の表にあるようにバラエティに富んだ天然石ですが、染色処理が一般的な多孔性という性質がある天然石でもあります。
カルセドニーは微細な結晶が集まってできている鉱物なので、細かな隙間がたくさんあり染色液を染み込ませやすいのです。
人気のあるシーブルー・カルセドニーも実は染色です。
また、カーネリアンやサードオニキスなど赤系のカルセドニーには加熱着色されたものが多くあります。
無色のカルセドニーを加熱すると鉄が酸化することによって赤い色合いになるのです。
加熱着色されたカルセドニーのメリットとして、退色や変色をしないという点があります。
カルセドニーは硬度が高く扱いやすい天然石ではありますが、中には熱や紫外線などにより変色や退色するものもありますので、カルセドニーを保管するときは蛍光灯の光や日光の当たらないところで保管するようにしましょう。
実はカルセドニーは染色が多いというとなんだかがっかり、という方もおられるかもしれません。
しかしカルセドニーは染色の技術によって様々な表情を生み出すことができ、わたしたちの目を楽しませてくれるのです。
カルセドニーはアクセサリーなので、自分が装着して満足するとともにファッションのアクセントとしてします。
ですから染色していようといまいと、気に入ったカルセドニーの色が一番だと思います。
カルセドニー まとめ
カルセドニーは優しい色合いから個性的な模様の入ったものまで、たくさんの表情でわたしたちを楽しませてくれます。
カルセドニーに限らず様々な天然石は、その歴史や産地、鉱物としての特色などについての理解を深めると、良いもの、本物を見分けることができるようになるのかもしれませんね。
当店の天然石についてのコンテンツが、理解を深めるきっかけになれば嬉しく思います。
Great Artisan(グレートアーティザン)で取り扱っているカルセドニーを以下で紹介いたします。
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