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カシミール地方のカシミヤ山羊の秘密|世界トップクラスの品質

カシミール地方のカシミヤ山羊の秘密|世界トップクラスの品質

北インドのカシミール地方は、カシミヤの名前の由来に地域として有名です。
みなさんはなぜカシミール地方が、カシミヤの名前の由来になったと思いますか?

それはカシミール地方がカシミヤの元となった地域だからです。

このコンテンツでは、そのカシミール地方のカシミヤがどのようなものなのか。
なぜちまたで世界最高峰の素材といわれているのかを特集していきたいと思います。

Contents

世界で愛されているカシミヤ

カシミヤという柔らかい繊維は、今日のファッション業界で使用されている最も価値のある天然素材の内の1つと言われています。
冬になるとカシミヤ製品が売れるのがこの日本です。
それほどカシミヤは非常に柔らかく、素晴らしい風合いを特徴としている天然素材なのです。

カシミヤは首に巻くとチクチクしてかゆいウールのような特徴は持っておりません。

しかも非常に軽く柔らかいだけではありません、非常に薄いにも関わらず非常に暖かいという稀有な繊維といえます。

そしてその繊維に触ったら触ったで、カシミヤの表面からは何ともいえない油分が感じられ、まるで上質のオイルを首に纏っているかのように優れた風合いを感じます。
それほどカシミヤは素晴らしい繊維です。

しかしこのように多くの人々に愛されているカシミヤなのですが、すべての人がカシミヤのことをよく知っているわけではありません。

カシミヤとはなんですか?

カシミヤとは、カシミヤ山羊から採取した動物繊維のことをカシミヤといいます。
カシミヤ山羊の表面は普段は粗毛で覆われており、寒い季節になるとその下に柔らかいうぶ毛を映えさせます。
その柔らかいうぶ毛(内毛)がダウンジャケットのフェザー(羽毛)のような働きをし、カシミヤ山羊が寒さに耐えれるようようにします。
そのうぶ毛(内毛)が「カシミヤ」と呼ばれています。

カシミヤという名称は、北インドのヒマラヤ高山地帯のカシミール地方の古い綴りに由来するといわれています。

なぜ古代よりパシュミナと呼ばれていた同じものが、カシミヤと呼ばれるようになったのか、
その正確なところは不明点が多々あります。

しかしカシミヤ繊維の素晴らしさは変わりません。

カシミヤの毛質は細く、柔軟で独特のぬめりがあります。
しかも保温性と保湿性に優れ、とくにカシミール地方のカシミヤ素材の生産量が少ないため、高級素材の代表格とされているのです。

カシミヤ。どこで採れたカシミヤが良いのですか?

カシミヤ

あまり多くはいらっしゃらないと思いますが、中にはカシミヤを羊(ウール)の一種だと思っている方もいらっしゃいます。

しかしカシミヤは羊(ウール)ではなく「カシミヤゴート」という山羊です。 
このカシミヤ山羊の原毛の主な産地は、インド(カシミール)、中国、モンゴル、イラン、アフガニスタン、ロシア、カシミール、ニュージーランド、オーストラリアなどといった国々です。
産出量が多い、主なカシミヤの産地は中国とモンゴルと言われています。

このようにカシミヤの産地は数あれど、カシミヤの原毛の品質もそれに合わせて様ざまあるのがカシミヤの特徴です。

一般的に非常に寒く高山地帯に住む動物の毛は、非常に細くなり、獣毛の中心のメデュラに多くの空気を含むため軽く暖かく、細くなると言われています。
※詳細はなぜカシミールのパシュミナは、世界最高品質って言われるの? 品質面から考えるの情報をご覧ください。

とくにカシミヤに関してはその情報は非常に重要です。
カシミヤの原毛の価値は、そのカシミヤの原毛の繊度(直径)の細さと繊維長(原毛の長さ)で決まるからです。
※ランクの詳細はなぜカシミールのパシュミナは、世界最高品質って言われるの? 品質面から考えるの情報をご覧ください。

ですから前述したカシミヤの産地と言われている国々の中でも、冬は零下30度以下の極寒、夏は逆に30度を越す猛暑という、厳しい気候条件の中で育っているカシミヤの原毛は数あるカシミヤの中でも非常に価値が高いと言われています。
それはカシミヤの原毛の流通も非常に少ないといわれているカシミール地方のラダックで採取されるカシミヤ山羊の毛です。

ちなみに余談になりますが、カシミヤがパシュミナという名前でヨーロッパで有名だったころ。
ヨーロッパの人々は自分たちでパシュミナショールを作ろうとし、その原料であるカシミヤ山羊を飼育するために大量にヨーロッパに連れて帰ったことがあるそうです。
しかし、カシミヤ山羊の代表的な原産地であるカシミール地方のラダックに比べて、ずっと気候が穏やかなヨーロッパでは、ラダック地方のカシミヤ山羊の特徴である細かくて柔らかなうぶ毛が殆ど生えてこなかったそうです。

やはりそう考えると、ラダック地方の軽くて柔らかいカシミヤ山羊のうぶ毛は特に、厳しい気候からカシミヤ山羊の身を守るために神様が与えた贈り物といえます。

カシミヤ

カシミール地方のカシミアとは

カシミール地方ラダックのカシミヤの特徴

カシミヤ

カシミヤというと、でき上ったストールやニットなどは見ることがあったとしても、なかなかカシミヤ山羊を見る機会はないと思います。
かくいうわたしも本物のカシミヤ山羊はカシミール地方に行った3年前に一度見たきりです。
来年は友人のとこに行きがてら見ようとは思っています。

前述のとおり、カシミヤ製品はカシミヤ山羊が極寒の冬を乗り越えるため、真冬に生やす柔らかい内毛(フリース)から作られています。
そうしてできるカシミヤの原毛は、カシミヤ山羊の棲む環境に依存して生えだし成長します。

ここではカシミヤという名前の元である、カシミヤの産地カシミール地方のラダック地方に関して記載します。
ラダック地方に関する詳しい情報は以下のコンテンツをご覧ください。
カシミヤ/パシュミナの故郷 ラダックとはどういうところですか?
カシミール地方のラダックとカシミヤ/パシュミナの物語 その1
カシミール地方のラダックとカシミヤ/パシュミナの物語 その2

カシミール地方のラダックの夏は30℃を越す猛暑になりますが、冬になるとその状況は一転します。
カシミヤ山羊の棲むラダック地方は極寒の地となり冬は零下30℃以下となります。

カシミヤ山羊の内毛はその冬に成長します。実際、カシミヤ山羊の内毛は寒くなるにつれて成長し、より厳しいヒマラヤの気候からカシミヤ山羊を隔離し、保護するように設計されています。

しかしラダックの天候が緩んでくる春の季節、暖かくなるとすぐに、カシミヤ山羊は自然に彼らのコートを脱ぐようになります。
古代はそのように自然的に脱いだ内毛を集めていましたが、現代のカシミヤの生産者は、貴重なカシミヤ山羊の原毛が紡がれて通常はあらゆる種類の染められる前の4-5月頃カシミヤ山羊の内毛を採取します。

この原毛がカシミヤの元となるのです。

カシミヤ

カシミヤの暖かさの秘密

カシミヤ
カシミヤ
ダウン
カシミヤショール

カシミヤの魅力はなんと言っても暖かさと、ふんわりとした柔らかさと、軽さです。
これは口や文章では説明できないことです。
カシミヤを着たり、纏った人にしか分からないと思います。

でも不思議です。

普通、衣服は繊維なので糸でできています。
ですから繊維を詰めれば隙間がなくなるので風を通さず暖かくなります。

しかし反面多くの糸を使うのでその衣服は重くもなるのです。
しかしカシミヤは、その暖かさと軽さを両立し、しかも柔らかいのです。

なぜカシミヤは、あんなにも軽くてふんわりと柔らかく、暖かいんでしょうか?

わたしたちの体が暖かさを保つには「外の冷たい外気がわたしたちの体温を奪うのを防ぐ」ということと、「自分の体温を逃がさない」ということが重要です。
そしてその役目を担っているのが、わたしたちが着ている衣服です。
衣服は外気からの熱を遮断したり肌が傷つくのを守るのは当然ですが、動きやすいとか、軽いとか、適度に熱を交換するなどと、衣服にはいろんな機能が要求されています。
そしてその総合評価が高いものが「着心地が良い」という評価になります。

その衣服で暖かさを保つ役目をするのが、実は「空気」なのです。
空気は、風のように動くとわたしたちの体温を奪い寒さを倍増させるのですが、その空気が動かずにわたしたちの周りに留まると、その空気が断熱効果となってわたしたちは非常に暖かくなるのです。

冬のビル風を思い出してください。
わたしたちの寒さを倍増させます。

同じように風が大きく動くとわたしたちの体温を奪うため寒さを感じ、逆に空気が動かないと熱伝導率が低い空気が保護膜のようにわたしたちを外気の寒さから守ってくれるのです。

羽毛のダウン
羽毛のダウン

それは羽毛布団を思い出していただければその温かさを理解できるかと思います。

羽毛布団はたった一枚でときに北海道より寒いと言われる東京の真冬でも十分に暖かく寝ることができます。

そして羽毛布団は非常に軽いため寝ていて体にも負担を与えず、ぐっすりと眠れると言われています。

ではなぜ羽毛布団はこのように暖かいのでしょうか。

羽毛布団の羽毛の価値はいかに「ダウン(羽毛)」が多いかで決まります。

そして十分に成長した親の水鳥の羽根を使うのが良いとされています。

なぜならば羽毛の「羽枝(うし)」と呼ばれる部分に温かさの秘密があるからです。

その羽枝というのは、フェザーの根っこのふわっとしたところや、ダウンの毛先からさらに細かく分かれている細かな毛のことです。その「羽枝(うし)」や一本一本の羽枝にびっしりと生えている「小羽枝」と呼ばれる部分が、人を暖めるときに広がって空気をたくさん抱え込むので羽毛布団は暖かいのです。

そしてその「羽枝(うし)」が親鳥は十分に発達しているが、中国のように子供の内に採取してしまうと、その羽毛は安くなりますが、「羽枝(うし)」が発達していないため、十分に暖かい羽毛にはならず、しかもそのような羽毛を使った羽毛布団は「羽枝(うし)」が壊れるので長持ちしないと言われています。

カシミヤ糸
カシミヤ糸

カシミヤも同じです。

カシミヤの原毛の繊度(直径)は約13μm(1μmは1/1000mm)から17μmと言われています。

※ネパールのカシミヤの繊度(直径)を調べたことがありますが、国内には流通させず欧米中心に輸出している企業でさえほとんどが16.5μmでした。

また米国の基準では、繊度(直径)19μm以下のものがカシミヤと名乗ることが許されています。

その中でもカシミール地方のカシミヤ山羊の原毛の繊度(直径)は12-15μmと言われているので、カシミール地方のカシミヤ山羊の原毛は非常に細いことが分かります。

※日本においてカシミールのカシミヤ山羊の繊度を調査した結果はCool Pashmina (クール パシュミナをご覧ください。
これは平均値なので一般当たりのカシミヤ山羊の原毛の繊度はもう少し細いものと推測されます。

モヘアが約34-40μm、多くの羊毛は約20μm前後と言われていますので、いかにカシミヤの繊度(直径)が細いことがおわかりだと思います。

カシミヤのこの非常に細い繊維がダウンのように熱伝導率の低い空気を十分に蓄えます。

ですからカシミヤは暖かさと軽さを両立し、しかも柔らかいのです。

そして、とくにカシミール地方のカシミヤ山羊の原毛で作ったカシミヤ製品は暖かく、軽く、柔らかいので上質なカシミヤであると言われているのです。

※これらの情報の詳細はなぜカシミールのパシュミナは、世界最高品質って言われるの? 品質面から考えるをご覧ください。

カシミヤとはなんですか?! まとめ

このように考えると、カシミヤは本当に素晴らしい天然繊維であることは分かります。

非常に暖かくて、非常に軽く、そして柔らかい・・・・
まさに神様がわたしたちにくれた贈り物なのかもしれません。

日本ではカシミヤのニットなどは数多くの人が使われております。
しかし本物のカシミヤストールやショールをお使いの方は、残念ながら少ないと言えます。

ぜひ一度、この素晴らしい素材カシミヤのストール又はショールをお使いになってください。
そしてカシミヤの素晴らしさをご体験ください。

きっと皆さんも、カシミヤのとりこになるに違いありません。

カシミールの手織りのカシミヤストールは左記リンクよりご覧ください。
またカシミール独自のカシミヤ刺繍ストールやカニ織などを集約したブランドTraditional Pashmina(トラディショナル パシュミナ)は左記リンクよりご覧ください。

その他カシミールのカシミヤストールを以下に掲載しておきますので、ご覧ください。

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