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エメラルド(Emerald)|神秘的な深緑の輝きの秘密|世界四大宝石

エメラルド(Emerald)|神秘的な深緑の輝きの秘密|世界四大宝石

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エメラルド、世界四大宝石の一つ!

エメラルドはダイヤモンド、ルビー、サファイアなどと並び、世界四大宝石の一つとして有名な宝石の一つであり、かの有名なクレオパトラが特に愛した宝石がエメラルドです。
クレオパトラの王宮はたくさんのエメラルドの装飾品で飾られていたといわれています。
またクレオパトラはこのエメラルドを愛するがあまり、そのエメラルドの鉱山をも自分のものとしたと記録に残っているほどです。
きっとこのエメラルドの神秘的な深緑の耀きに魅せられた一人なのでしょう。

そのエメラルドの鮮やかな深緑の輝きは、エメラルドを愛する人々のストレスを和らげて心を爽やかにするとして、古代より高貴な人たちに珍重されてきたのです。
そしてエメラルドは意外なことに、てんかんや解毒などの治療に用いられていたことさえあったのです。

現代でも、このエメラルドに代表される緑色(グリーン)は目にいいとか、木や森をイメージさせる癒しの色として知られています。
ですから古代においてもこのエメラルドのグリーンの耀きが戦乱の世に翻弄される人々にひと時の癒しを与えたと考えても不思議ではないのです。

このエメラルド(Emerald)という名前は、古代ギリシャ語の「緑」を意味する「smaragdus」からきています。
こう文字で見るとエメラルドの原型もなさそうに思えますが、「緑」から「緑色の宝石」という意味のギリシャ語「smaragdos」、そしてフランス語の「esmeraude」を経て現在の「emerald」に変化したと言われています。
現在もグリーンの宝石と言えば真っ先に頭に浮かぶのはこのエメラルドですよね。

古代から現代にいたるまでこのように人々に受け入れられ必要とされた有名なエメラルドにはどんな歴史や魅力があるのでしょうか?
特集してみましたのでぜひご覧ください。

エメラルドの歴史とは

エメラルド ローマ
ローマ帝国の遺跡からはエメラルドが出土する

現代エメラルドの産地として有名なのは南米ですが、エメラルドの最も古い鉱山は紅海に近いエジプトであると言われています。
いつごろから採掘されていたかに関しては、古代文書に基づいて紀元前3000年頃から採掘されていたとする学者もいますが、考古学的に証明された証拠があるという意味で確実なことは分かっていません。
なぜならばラピスラズリやオニキスといった他の鉱物と違って、紀元前数千年のエジプトの遺跡からエメラルドが発掘されることがほとんどないためです。

考古学的な証拠から確認できるのは、紀元前300年頃のプトレマイオス時代には、エジプトでエメラルドが採掘されていたということです。
その当時ローマ人はこのエジプトの鉱山を「エメラルド山脈」と呼んでおり、一世紀のプリニウスの「博物誌」では、エメラルドはダイヤと真珠に次ぐ第三位の宝石と書かれています。
そしてポンペイなどのローマ帝国時代の遺跡からは、エメラルド製品が多数見つかっています。
つまりローマ帝国の時代からこのエメラルドは大変貴重な宝石として受け入れられていたのです。

しかしエメラルドは、中世までほんのわずかしか出回っておらず、王や貴族など特権階級の富と権力の象徴だったのです。

コロンビア エメラルド

このエメラルドが世界に広まったのは、南米のエメラルド鉱山がスペイン人の手に渡ってからの事です。

それまで南米コロンビアでは、先住民族のムゾー族がエメラルド鉱脈を発見し細々と採掘していました。
そのため南米のインカ族やアステカ族の間で、エメラルドは神聖な石として宗教的な儀式に使用されていました。

しかし中世になってスペインがコロンビアを支配するようになると、エメラルドの鉱山は激しい戦いの末スペイン人によって占領され大航海時代に伴って、「コロンビア産エメラルド」はあっという間に世界市場に広まっていったのです。
興味深いことに、現在世界で流通しているエメラルドの少なくとも50%はコロンビア産であると言われています。

そしてコロンビアに次いで多くのエメラルドが採掘されているのはザンビアやブラジルなどの鉱山です。
これらザンビアやブラジルなどのエメラルドの鉱山では、1900年代後半に本格的に採掘されるようになりました。

エメラルドとはなんですか?

ベリル

エメラルドは和名を翠玉(すいぎょく)または緑玉(りょくぎょく)といい、緑柱石として知られるベリルという鉱物の一種です。
ベリルはアルミニウムとベリリウムのケイ酸塩から成る鉱物で、それ自体は透明ですが、クロムやバナジウムという不純物が混じることで美しい緑のエメラルドになるのです。

エメラルド以外にも青や黄色など様々な色のベリルがあります。
実は、アクアマリンもエメラルドとは色違いのベリルなんです。
たとえばベリルが鉄(Fe2+)を含むと淡い青に変化し、アクアマリンと呼ばれるのです。

ベリル

同じ鉄でもFE3+を含んだ場合は黄色に変化し、ヘリオドールと呼ばれています。
また、マンガンを含んだ場合はレッドベリルと呼ばれ、酸化リチウムが含まれていると色は淡紅色になってモルガナイトと呼ばれます。

宝石はちょっとした違いで全く違う見た目になり、違う価値を生み出すものなのですね。

エメラルドの話に戻りますが、このエメラルドは南極以外のすべての大陸で産出されています。
この日本でも、エメラルド(緑柱石)はいろいろな場所で見つかっています。
しかし価値が高い、透き通ったきれいなエメラルドとなると、ほとんど産出していないようです。

現在もっとも多くのエメラルドが採掘されている場所は南米で、コロンビアやブラジルで産出されています。

有名なエメラルドの産地とは?

前述したように良質なエメラルドの産地で知られているのはコロンビア、ザンビア、ブラジル、そしてジンバブエです。

他の宝石と同じく、エメラルドも産地によって特徴があり、大地の不思議を感じさせてくれます。

エメラルドの産地として有名な、3つの産地のエメラルドの特徴を記載します。

コロンビア産コロンビアでは良質な緑色のエメラルドが産出することで知られています。
特に「三相含有物」と呼ばれる特徴的なインクルージョン(内包物)があるエメラルドはコロンビア産の特徴です。

「三相含有物」は結晶と液体と気泡という三つの要素がエメラルドの中に見られる珍しいものですが、コロンビア産のすべてにこのインクルージョンが見られるわけではありません。

ザンビア産コロンビア産に比べて若干ブルーがかったものが見られます。
数々のインクルージョンがありますが、黒雲母(くろうんも)が入ったものが多くみられます。
ジンバブエ産いくらか黄色がかった鮮やかな緑色のエメラルドで高く評価されています。
ジンバブエ産のエメラルドは小粒に研磨しても美しい色を保つことができるので、無処理で売られることもあります。

また「トレモライト」と呼ばれる長い針のようなインクルージョン(内包物)のあるエメラルドが見られます。

このほかエメラルドにはたくさんの特徴がありますが、ここから分かるようにエメラルドにはインクルージョン(内包物)が多く含まれることが特徴です。

「キズのないエメラルドを得ることは欠点のない人間を探すよりも難しい」といわれるほどに、傷やインクルージョン(内包物)のないエメラルドを探すことは難しいといわれています。
もちろんエメラルドの宝石としての価値は、その傷やインクルージョン(内包物)のないもののほうが高いのですが、宝石の価値に対する概念は人ぞれぞれです。
エメラルドひとつひとつの傷やインクルージョン(内包物)をエメラルドの個性として楽しむかたもいらっしゃいます。

しかし前述したように一般的な宝石としての価値は傷やインクルージョン(内包物)のないエメラルドの方が高いので、エメラルドは加工されて販売されることが一般的です。

エメラルド

エメラルドの特徴とその加工

エメラルドは、大きくて傷が少ないものほど価値が高く、色は明るく濃い緑色のものが最上級とされています。
しかし前述したようにエメラルドの中で傷やインクルージョン(内包物)がないものはほとんどありません。

そのためエメラルドには加工が必要なのです。

加工された宝石というとあまり良い印象がないかもしれませんが、宝石の美しさと丈夫さを保つために加工は欠かせません。

特にエメラルドは内部にたくさんのキズがあるので割れやすいという特徴があります。

『えっ?エメラルドって宝石なんだからとても硬いはずでは?』と思われる方が多いと思います。

そうなんです。
モース硬度でいうと、エメラルドはモース硬度が7.5~8という大変硬い鉱物なのですが、エメラルドは隙間の多い結晶構造や不純物のせいで内部に亀裂ができやすいという特徴があり、ちょっとした衝撃でも割れやすい宝石がエメラルドなのです。

その特性を利用してエメラルドには含浸処理といって、オイルや樹脂を浸み込ませて隙間を埋める加工が行われています。
エメラルドをオイルに浸したまま熱を加えることで、石の内部までオイルや樹脂を染み込ませています。

エメラルドじゃなくてもエメラルドカット?

有名な宝石のカットに「エメラルドカット」と呼ばれるものがあります。
エメラルドカットは一番上に正方形や長方形の平らな広い面があり、その縁は階段上に見えるようにカットされています。
このエメラルドカットは、脆いエメラルドが欠けにくいよう角が少なくなるように考えられたカットなんです。

またエメラルドカットは、ダイヤほど輝きが見られないエメラルドの色を最大限楽しめるカットでもあるのです。

いろんなことを考えて、カットというのは決められているのですね。
もともとはエメラルドに使用されていたカットの仕方ですが、破損しにくく透明感が際立つことから現在はダイヤモンドにも多く用いられています。

エメラルドのお手入れと保管方法、その注意点

では非常に美しいけれども繊細な特徴を持つエメラルドのお手入れはどのようなところに注意したらよいのでしょうか?

一つめには、やはりエメラルドは衝撃に注意することが大切です。
衝撃の中には実際に落としたりする衝撃以外に超音波洗浄機による振動も含まれます。
エメラルドは内部の傷から破損しやすいので、エメラルドを超音波洗浄機には絶対に入れないようにしましょう。

二つ目に、エメラルドについた汚れを拭くときには、なるべく乾いた柔らかい布で拭くようにしましょう。
エメラルドを水に長い時間つけたり、温水で洗ってしまうとエメラルドに含侵させたオイルが抜けてしまうことがあります。
そうすると、エメラルドの特性上弱くなってしまうのです。

ですからエメラルドのアクセサリーをどうしても洗うわなければならない時には、中性洗剤を数滴混ぜた水を使い、エメラルドをやさしく指で洗います。
その後水でよくすすいで、乾いた布でエメラルドについた水分をふき取ります。

大きなキズがあるエメラルドは、それだけたくさんの樹脂でキズを埋めているので時間と共に劣化しやすく、また割れやすいという難点があります。
そのためエメラルドを購入する時には、エメラルドの内部に傷がどれだけあるかを確認すると良いでしょう。

宝石の鑑定ではルーペでよく見るとわずかにひび割れが見えることもありますが、エメラルドの場合はエメラルドを下からライトで照らして上からのぞくとより確認しやすくなります。
しかし、内部に傷があるということはそれが「天然の」エメラルドの証拠でもあるので、もしエメラルドを手に入れたら上手に扱ってその美しい色を永く楽しめるようにしたいですね。

エメラルド(Emerald)|まとめ

神秘的な深緑の耀きのエメラルド。
本当に美しい宝石です。

あのエメラルドグリーンの耀きは癒しの効果もあり、かの歴史上の偉人たちが好んで身に着けたのも分かります。

しかし宝石はお客さまがお好みでご自分の好きなものを楽しむものです。
ぜひどんなエメラルドでもお客さまのお好みのエメラルドを身に着けて、そして楽しんでください。

この現代もストレスが溜まり、癒しが必要な時代です。
もしかしたらこのエメラルドグリーンの耀きが、皆さんの心に癒しの暖かさを届けるかもしれません。

わたしたちGreat Artisan(グレートアーティザン)でもエメラルドを取り扱っております。
皆さんのお好みのエメラルドになれば嬉しいです。

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