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現代のパシュミナに関する現況
今この時代、世間一般では、パシュミナに関する様々なうわさや情報が入り乱れています。
ある人はカシミヤ山羊より小さなパシュンという特殊な山羊の種類から採取された毛を使って作られたのがパシュミナだ。
ある人はネパールで「パシュミナだ!」言われて買ってきたらウールと化学繊維で作られたストールだったという話も良く聞きます。
また中にはカシミヤ山羊の喉元の毛だけを使って作ったのがパシュミナだという人もいます。
本当のところ、パシュミナの正体とはなんなのでしょうか?
パシュミナに興味を持つ方からば誰しもが思う質問かもしれません。
残念ながらこの世界で『パシュミナ』という名称は有名ですが、パシュミナに関して世界の統一した見解はありません。
ですから、そのような観点でいえばすべてが『本物のパシュミナ』と言えるのです。
そうは言っても、そのような訳がない!!
これだけパシュミナは有名なのになんでもかんでもパシュミナな訳がない!
聡明な方はそう思うでしょう。
では本物のパシュミナなどあるのでしょうか?
このコンテンツでは、カシミヤの名前の由来ともなったカシミールで聞いたパシュミナについて深堀してみたいと思います。
本物のパシュミナを知るためにはどうしたらよいでしょうか。
世界、特にこの日本では「本物」という言葉が多く用いられています。
そして本物の・・そう私たちは聞くと「この製品の品質、信頼性は高いに違いない!」と思います。
とくに、本物・偽物の価値がハッキリしている高価な貴金属では、本物の製品を求める人が数多くなります。
ではパシュミナを愛し、「本物のパシュミナ」を探すにはどうすれば良いでしょうか。
答えは簡単です。
本物のパシュミナの正体を知るためには、パシュミナが作られた場所で聞けばいいのです。
そうです。
もし本物のパシュミナの良さや正体を知りたいと思ったならば、本物のパシュミナという言葉が作られた場所のパシュミナに関する情報を知るのであれば、本物のパシュミナとは何かということを知ることもできるのです。
そのパシュミナの発祥の地では『パシュミナ』という言葉はどういう意味で使われ、今もなおその地でどのようにパシュミナは作られているのか。
そしてその現地でどのようなものをパシュミナと呼んでいるのか。
そのようなことを知れば、きっと本物のパシュミナを知ることができるのです。
つまりわたしたちが本物のパシュミナを知るためには、パシュミナの発祥の地のパシュミナを知る以外の方法はないのです。
パシュミナ発祥の地はどこですか。
パシュミナ発祥の地とはどこでしょうか。
パシュミナの発祥の地は北インドにあるカシミールであるといわれています。
なぜカシミールがパシュミナ発祥の地といえるのでしょうか。
2つの理由からパシュミナの発祥の地は北インドにあるカシミールということができます。
その一つ目の根拠としていえるのはそのパシュミナという名前の語源です。
このパシュミナという言葉の意味はペルシア語から派生したウルドゥー語です。
ウルドゥー語はカシミールの公用語で、パシュミナは英語で『pashmina』と書きます。
その言葉を分解するとPashm(パシュン)はウール、羊を意味し、minaは柔らかい、細いという意味になります。
※ウルドゥー語が使用されている範囲については下記をお読みください。
二つ目のカシミールがパシュミナの発祥の地といえる根拠はその歴史です。
パシュミナという名前は、ヨーロッパでも有名です。
今でもパシュミナ、ときにカシミヤと呼ばれ、ヨーロッパのセレブや王族たちはカシミールの手織りパシュミナを見に纏っています。
なぜ彼らはパシュミナと呼ぶのでしょうか。
それはイギリスがインドを植民地化するよりも前から、このパシュミナは欧州の貴族たちの中で贈答品として使われていたからです。
そしてヨーロッパにおけるパシュミナのブレークポイントともなったのは、ナポレオンの最初の妻、ジョセフィーヌがパシュミナをヨーロッパ社交界で流行させたときです。
その時以降、今にいたるまでヨーロッパでパシュミナは、カシミールで織られた極上の織物として有名なのです。
そうです。
パシュミナの発祥の地はカシミールなのです。
ですからカシミールでパシュミナの正体をしることができれば、本物のパシュミナにたどり着くことができるのです。
パシュミナに関する情報の詳しくはGreat Artisan(グレート )の他のコンテンツをお読みください。
カシミールで聞いた 本物のパシュミナの疑問と誤解をご説明!
歴史を掘り下げる|本物のパシュミナとはなんですか | インド大陸の歴史の流れから紐解く
ウルドゥー語とはなんですか
現在、ウルドゥー語が第一言語であるパキスタン人は、ウルドゥー語を話せるのは国全体の10%にも満たないのですが、ウルドゥー語はパキスタン全土で通じる国語になっています。
ウルドゥー語の発祥はどこの国なのでしょうか。
ウルドゥー語のもとはインドのデリー周辺で標準化された方言であったと言われています。
ですからウルドゥー語はインド発祥の言葉といわれているのです。
そしてウルドゥー語言語学的に美しく洗練されている言葉であるといわれています。
なぜウルドゥー語は今イスラム語圏といわれる国で多く使われているのでしょうか。
それはインドの歴史とムガール帝国が関係しています。
インドにはさまざまな国が興亡していき、10世紀以降インドには西の方からイスラム教勢力が伸張し、結果インドのイスラーム化が進み、インドでイスラーム教に改宗した人々との間でウルドゥー語が共通の言葉になっていきました。
そして16世紀初頭、デリーを中心にイスラーム教徒の帝国、ムガール帝国が設立されたのです。
しかしムガール帝国の宮廷の言葉はペルシア語でしたが、ムガール帝国の力が弱まってくると、宮廷でもウルドゥー語が使われるようになったのです。
その後ムガール帝国が崩壊し、インドがイギリスの植民地になり、イスラーム教徒多数のパーキスターンとインドに分かれて独立しました。
その時以来、ウルドゥー語はパーキスターンの国語となり、インドに残ったイスラーム教徒も公用語としてウルドゥー語を使うことになったのです。
カシミールのパシュミナとはなんですか?
パシュミナという言葉の元の意味
パシュミナ・・・
先ほど考えたようにその言葉の始まりはカシミール地方で使われたのが最初であると言われています。
このパシュミナという言葉の意味はペルシア語から派生したウルドゥー語です。
ちなみにウルドゥー語はカシミールの公用語で、パシュミナは英語で『pashmina』と書きます。
その中のPashm(パシュン)はウール、羊を意味し、minaは柔らかい、細いという意味です。
元々のパシュミナ(Pashimina)という言葉にはこのような意味があるんです。
パシュミナとはなんでしょうか。
パシュミナ(Pashmina)とは、インド、ネパール、チベットなどヒマラヤの高山地帯に生息するカシミヤ山羊の内毛のみを使用して、カシミールに伝わる伝統技法を使って織られた織物のことをパシュミナと呼んでいます。
ですからパシュミナとは名前のとおり非常に細いカシミヤ糸を紡いで作られた毛織物のことです。
このパシュミナはカシミールに伝わる伝統技法だけを使い、手織りで作られたカシミヤの毛織物をパシュミナといいますので、
その肌さわりは素晴らしく、高級ウールとして有名で機械で織られたカシミヤよりも繊細で非常に柔らかい毛織物であるといわれています。
ですからその類まれな肌ざわりと希少性の高い繊維として、パシュミナの本場ヨーロッパを含め、世界中の人々から愛されています。
ではカシミールで作られるパシュミナは特殊な山羊の毛を使っているのでしょうか。
そういうわけではありません。
パシュミナで使用されるカシミヤ山羊の毛ですが、生物学的にいえばカシミヤ山羊の毛に相違ありません。
パシュミナは他の地域と同じ種類のカシミヤ山羊の毛を使用した織物です。
しかし本物のカシミールのパシュミナは、インド北部の高山地帯にのみ生息するカシミヤ山羊の毛のみを使っているので、その結果、他の地域に生息するカシミヤ山羊の毛よりも繊細で肌触りの良いものとなっているのです。
さらにカシミールでの手織りの技術の他に、細いカシミヤ山羊の毛をさらに柔らかく、そして強くする独特の技術があります。
他の地域、たとえばネパールにも中国にもない、その技術を使っているがゆえ、たとえ同じカシミヤ山羊の毛を使ったとしても、極上のパシュミナが出来上がるのです。
ですから、現地カシミールではこのカシミヤ山羊のことを「パシュミナ山羊」と呼ぶことがあります。
そのためある人々はパシュミナはPashm(パシュン)という山羊から作られており、カシミール地方のラダックにはPashm(パシュン)という山羊がいるんだと思い込んでしまったのかもしれません。
パシュミナの始まり
話は戻りますが、カシミールの人々は古代よりいわゆるカシミア山羊(学術名:capra hircus laniger)をパシュンと呼んでいました。
しかし山羊の品種としては特別なカシミヤ山羊ではなく、通常のカシミヤ山羊(学術名:capra hircus laniger)です。
しかしカシミールのカシミヤ山羊の内毛(カシミヤ)は他の国のカシミヤに比べて特別な毛の品質だと言われています。
それはなぜなのでしょうか。
それはその山羊がパシュミナ山羊という品種だからという訳ではなく、そのカシミヤ山羊が育つ環境ゆえに特別な毛になると言われています。
※特別といえるその根拠についてはなぜカシミールのパシュミナは、世界最高品質って言われるの? 品質面から考えるをご覧ください。
そしてカシミールでは、そのラダックに住んでいるパシュミナ山羊の毛を糸にして織った織物だけをカシミールではパシュミナと呼んでいます。
定かではありませんが、ラダックに住む方曰く、ラダック地方の方々が最初「パシュミナ」とそう呼んでいたと言っています。
もしそうだとすると、そのパシュミナという言葉は、近くの商人が数多くいる町スリナガルでも使われ、世界に広まっていったのかもしれません。
そのスリナガルでは、そのパシュミナという織物をさらに独自の技術を加え進化させていきました。
この織物という技術に今でいうカシミヤ山羊の毛が伝わってショール/ストールという織物になったのは、ムガール帝国の前の時代、シャー王国であると言われています。
※パシュミナとカシミールとの出会いに関してはカシミールの歴史 紀元後~パシュミナとの出会いまで|カシミールを想うをご覧ください。
そしてムガール帝国の時代、国王の国をあげての施策によりパシュミナの手織りの技術が体系化され、纏められ、そして形となっていき、それに職人の個々の個性も付与され、パシュミナは更に広まっていったのです。
そのパシュミナが一躍世界に広まっていくきっかけは2つあったとされています。
それはフランス皇帝 ナポレオンがジョセフィーヌにこのカシミールのパシュミナをお土産としてエジプトより持ち帰り、カシミールのパシュミナがヨーロッパの社交界に広まったこと。
そしてイギリスのインドを実質支配していた、東インド会社により、更にカシミールのパシュミナがヨーロッパに広がっていった、その2点であると言われています。
そして素朴なラダック地方の方々から言わせると、
その際にスリナガルの言葉巧みな商人たちが、カシミールの製品としてカシミールから派生させた言葉「Cashmere(カシミヤ)」、として世界に売り込んだと、現地で聞きました。
本当か嘘か分かりませんが、現地で伝わる非常に面白い話です。
そしてカシミールの人たちは、このパシュミナに一つの定義を持っています。
パシュミナの発祥の地カシミールのパシュミナとは
パシュミナを作ったカシミールの人たちは、パシュミナに関する一つの定義を持っています。
彼らはパシュミナは自分たちの祖先が作った自分たちのアイデンテティであり、その定義を満たしたものだけをパシュミナと認めています。
彼らはラダックで採取されたパシュミナ山羊の獣毛を、カシミールだけに伝わっている伝統的な技法で作った製品だけが『パシュミナ』だと言っています。
パシュミナという言葉の発祥の地、カシミールでは本物のパシュミナのことをそのように定義しているのです。
パシュミナに関するまとめ
このように考えると本物パシュミナとは何かという質問に対する答えが見えてきます。
あえて本物のパシュミナとはというと、『ラダックで採取されたカシミヤ山羊の獣毛を、カシミールだけに伝わっている伝統的な技法で作った製品』
それを本物のパシュミナと呼ぶことができるかもしれません。
ではなぜ現代、このようにパシュミナという言葉が、さまざまな意味で使われるようになってしまったのでしょうか・・・
これはカシミール・ネパールに行き、人々と友人となり、そして彼らからさまざまな話を聞き、そして日本にいても海外のWEBサイトや学術文献などを調べ尽くした、私の私見です。
正確ではないと思います。
しかしわたしはこう思うのです!
パシュミナ製品は、人類の歴史の中でも非常に早くから、どんな人々の目にも非常に優れた製品であり、繊維の宝石だと思われたのかもしれません。
そしてパシュミナは誰にでも必要とされ、望まれ、愛されたのです。
それがため、パシュミナは猛スピードで世界に広まっていき、それがゆえ、現代のようなパシュミナの定義が混とんとした状況になってしまったのかもしれません。
そうです。
パシュミナ製品が素晴らしすぎたのです!!
GreatArtisanのパシュミナはカシミールの伝統的な技法を使い作られた製品がほとんどです。
ぜひご覧ください。
そしてカシミールのパシュミナをお手元においてください。
世界最高峰の品質のパシュミナです。
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カシミヤ 手織り ストール|一品モノ|ボーダー 手刺繍 パシュミナ|生地:マスタードイエロー|刺繍:青色(2種)/緑色/ピンク色
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