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カシミヤ/パシュミナの乱立状況
現在カシミヤ/パシュミナの素材、カシミヤ山羊の産地は数多くあります。
オクラホマ州立大学動物科学学科によれば、現在のカシミヤ山羊の産地である国は、トルコ、アフガニスタン、イラク、イラン、カシミール、オーストラリア、ニュージーランド、中国、モンゴルがカシミヤ山羊の毛が生産されていると言われています。
その中でも中国産がほとんどを占め、モンゴル産なども数多く流通しています。
細かくは当社コンテンツカシミヤ/パシュミナ製品には、なぜ高い製品と安い製品があるの?をご覧ください。
そのためある人はモンゴル産のカシミヤ/パシュミナが一番良い、ある人は中国産(チベット)のカシミヤ/パシュミナ。
またある人はカシミール産のカシミヤ/パシュミナであると考えます。
確かにこの現代、数多く使用されている素材が一番良いと考えるのは、ある意味道理にかなっています。
それだけニーズがある、つまり需要と共有のバランスがとれているという考え方があるからです。
しかし本当にそうなのでしょうか。
カシミヤ/パシュミナを愛するわたしたちとしては、あまりにも産地が多くあるのでどの国のカシミヤを選んだら良いのか迷ってしまいます。
じゃあなんでもいいか!見た目で気に入ったものにしよう!!と考える人もいるでしょう。
多くの方は、「同じカシミヤ山羊の毛だったらどこも変わらないだろう!!」と考えるからです。
本当にそうなのでしょうか。
わたしたちの心情として、どうせ高価なカシミヤ/パシュミナを買うなら安くて、よい品質のモノを買いたいのも心情です。
このコンテンツでは、なぜカシミール産のカシミヤ/パシュミナが最高品質と言われるのか特集しています。
これはあくまでも一つの考え方として参考になれば幸いです。
カシミヤ/パシュミナについて
①カシミヤ/パシュミナの産地
当たり前のことですが、カシミヤ/パシュミナ製品の原毛となるカシミヤ山羊の毛の元となる山羊は全てカシミヤ山羊です。
ある特定の品種などいません。
すべて一般的にカシミヤ山羊と言われる山羊です。
そのカシミヤ/パシュミナの原毛となるカシミヤ山羊に関してですが、現在世界のカシミヤの供給量の約60%は中国で生産されていると言われています。
冒頭にも記載しましたがオクラホマ州立大学動物科学学科によれば、その他のカシミヤ山羊の産地である国は、トルコ、アフガニスタン、イラク、イラン、カシミール、オーストラリア、ニュージーランドにてカシミヤ山羊の毛が生産されていると言われています。
このように今日、ウールの中でも最高品質のカシミアウールを生産するヤギの品種はたくさんあります。
またカシミア山羊のサイズと重さはカシミヤ山羊の品種によって異なります。
しかし、様ざまな品種がいても、これらカシミア山羊の一つの共通点は、「これらの品種のほとんどが高品質の繊維またはウールを生産する」ということです。
そして、ヤギの品種を生産しているカシミア山羊のほとんどは角を持っています。
しかし考えてみてください。
カシミヤ/パシュミナ製品の原毛のほとんどが中国であるという事実は、嫌な予感を感じさせます。
わたしたち日本人は、中国の食料品などの取り扱いのいい加減さ、人の安全性などを考えない儲け主義などを良く知っています。
話しは変わりますが、先日スーパーで生姜を買いましたが、その時に日本製の生姜は売り切れていましたが、真横の中国産は大量に残っていました。
これがわたしたち日本人の中国製品に対する心情を表していると思います。
では食料品はいい加減でも、カシミヤ/パシュミナ製品は厳格、丁寧に取り扱うでしょうか。
品質や安全性を考えて管理するでしょうか。
書いてあること、言っていること、信頼できるでしょうか?!
わたしたちの肌に直接触れ、アレルギー反応などにも関係し、ずっと持っていく製品に相応しいでしょうか・・・・
そう考えると、いろいろと考えてしまいませんか?!
カシミールのカシミヤ/パシュミナは、カシミールのカシミヤ/パシュミナはラダックのパシュミナ山羊の毛を使っています。
左の写真はラダックでカシミヤ/パシュミナ山羊の毛を採取しようとしている様子です。
ラダックに関しては当社コンテンツカシミヤ/パシュミナの故郷 ラダックとはどういうところですか?やカシミール地方のラダックとカシミヤ/パシュミナの物語 その1、カシミール地方のラダックとカシミヤ/パシュミナの物語 その2をご覧ください。
どれほど過酷な状況でカシミヤ/パシュミナ山羊が育てられ、その毛が採取されているかが分かります。
またカシミヤの発祥の地はカシミールです。
カシミヤは元の名前をパシュミナと言いました。
そのパシュミナはカシミールで生まれ、ヨーロッパに運ばれ、ヨーロッパ社交界に受け入れられ、カシミヤと呼ばれるようになったのです。
つまりカシミヤ製品はカシミールが発祥の地なのです。
②カシミヤ/パシュミナの素材の品質
1級品 | 14ミクロン前後 | 34mm以上(最高で38mm位) | 0.1% |
2級品 | 14~15ミクロン | 30mm~34mm | 0.2% |
3級品 | 16ミクロン前後 | 28mm~32mm | 0.3%以下 |
4級品 | 16ミクロン以下 | 30mm以下 | 0.5% |
5級品 | 16~17ミクロン以下 | 28mm以下 | 0.5%以上 |
・・・ | ・・・ | ・・・ | ・・・ |
8~9級品 | 17~18ミクロン | 24mm以下 | 1.0%以上 |
カシミヤ/パシュミナ製品の素材であるカシミヤ/パシュミナ山羊の原毛の評価は、
上の表にある基準で評価されます。
上の表をみていただくと分かるのですが、カシミヤ/パシュミナの原毛の評価は「繊度の細さと繊維長(繊維の長さ)」であることが分かります。
その他のカシミヤ/パシュミナの評価基準については、当社コンテンツカシミヤ/パシュミナ製品には、なぜ高い製品と安い製品があるの?をご覧ください。
まず言えるのは、カシミヤ/パシュミナ製品は、その繊維を構成しているカシミヤ/パシュミナ山羊の内毛の「繊度の細さと繊維長(繊維の長さ)」が品質に関係があるという事です。
■カシミールのカシミヤ/パシュミナ山羊の毛
これは毛髪の構成図ですが、毛髪は太巻きのような構成になっており、3つの層からできているということが分かります。
それは、キューティクルとコルテックスとメデュラ(毛髄質)です。
問題はこのメデュラ(毛髄質)です。
このメデュラ(毛髄質)に関して、まだ研究で判明していない部分もあるのが実情です。
ただ、メデュラは年齢と共に太くなる反面強度が落ちていくため、毛髪の弾力や強度に関係しているのではないかと言われています。
メデュラ(毛髄質)は柔らかなたんぱく質と空気でできていると言われており、赤ちゃんの毛やうぶ毛のような細い毛にはメデュラ(毛髄質)はないと言われています。
その場合メデュラ(毛髄質)には空洞になり空気が入っています。
しかし動物は別です。
また、寒いところで生息するホッキョクグマなどの動物の毛のメデュラは多く、その中に空気をためて寒さを和らげていると言われています。
数値でいうと寒冷地に棲息する動物の毛はメデュラ(毛髄質)が毛髪全体の約50%以上を占めていると言われているのです。
そして動物のメデュラ(毛髄質)は空洞化しているため、メデュラ(毛髄質)の中身は空洞で空気が入っています。
つまり寒冷地に棲息する動物の毛は、中のメデュラ(毛髄質)が約50%以上を占めており、中に熱伝導率の低い空気が満載さているので、毛は細く柔らかく、保温性に優れていることが科学的に立証されます
そこで先ほど取り上げたラダックの気候を思い起こしてください。
ラダックでは寒暖の差が激しく、冬にはマイナス40℃にもなる気候の中カシミヤ/パシュミナ山羊を育て、その遺伝子を持ったカシミヤ/パシュミナ山羊を代々何百年にも渡って育てています。
そしてカシミールのカシミヤ/パシュミナ製品は、ラダックで育てられたカシミヤ/パシュミナ山羊の毛を使用し、
使用しているカシミヤ/パシュミナ山羊の繊度(糸の細さ)は13-16μm、繊維長(繊維の長さ)は40-70mmと言われています。
このように考えると、カシミールのカシミヤ/パシュミナ製品のカシミヤ/パシュミナ山羊の毛は最高級の品質であるということが分かります。
③カシミールのカシミヤ/パシュミナ製品の技術
カシミールのカシミヤ/パシュミナ製品は古来より存在しており、記録ではローマ帝国の皇帝シーザーに献上されたと言われています。
しかしカシミールにおいて本格的に技術や文化、そして名産物として整備されたのはムガール帝国の頃と言われています。
カシミールを征服した後、ムガール帝国のアクバルはカシミールのショールの生産に大きな関心を示し、それらカシミヤ/パシュミナ製品の生産を奨励しました。
そしてデザインなどもお隣のペルシャの文化を取り入れたのです。
しかし興味深い記録があります。
1850年代にイラン(ペルシャ)に住んでいたドイツ人医師、ヤコブ・ポラックは、「ペルシャのショールはデザインと色はカシミールのものと同程度だが、しなやかさと織り方の品質は、(ペルシャのショールは)はるかに劣っている」と記録に残しました。
その当時このようなショールは、ペルシャとカシミールで織られていました。
しかし品質面では圧倒的にカシミールの製品が優れていると認識されていたのです。
その証拠にイラン皇帝は一時期イランのショール織りを促進するため、カシミールからのカシミヤ/パシュミナショールの輸入を制限したという記録が残っています。
そうでもしなければペルシャのテキスタイル産業が衰退してしまうほどの品質差があったのです。
案の定カシミールのカシミヤ/パシュミナ製品はヨーロッパ社交界を魅了しました。
それは皆さんもご存じだと思います。
これはあくまでも手織りの技術です。
現代の機械で織る技術のことを言っているのではありません。
これらのことでも分かるように、カシミールのカシミヤ/パシュミナ製品を手で織る技術は、世界でも最高峰だったのです。
まとめ
たとえばかっては日本のお家芸と言われた柔道。
柔道の競技人口という観点からいうと、すでに日本を超えた国は多々あります。
では競技人口が増えたら、日本の柔道の質が落ち、競技人口が多い国の柔道が本物であり良い柔道をしているのでしょうか。
一概にそうは言えないと思います。
やはり日本の柔道は次から次へと素晴らしい選手を生み出し、柔道の本場の地位は不動のものです。
ではカシミールのカシミヤ/パシュミナはどうなのでしょうか。
現在のカシミヤ山羊の産地は、トルコ、アフガニスタン、イラク、イラン、カシミール、オーストラリア、ニュージーランドなどがカシミヤ山羊の毛が生産されていると言われています。
また数多くの地でカシミヤ/パシュミナ製品は創られています。
ではそのような中、カシミヤ/パシュミナの品質面から考えて、カシミールのカシミヤ/パシュミナはどのような評価をすることができるでしょうか。
上記の3つの理由からどのような結論が出るでしょうか。
現在は機械織りの製品も多々あります。
機械織りの製品も安くて良い製品は数多くあります。
では手織りのカシミヤ/パシュミナと機械織りのカシミヤ/パシュミナ、どちらが良いストール、ショールでしょうか。
これは皆さんがご判断いただければと思います。
しかしわたしは、カシミールのカシミヤ/パシュミナ、ストール、ショールが世界最高峰の製品だと思っています。
カシミールのカシミヤ/パシュミナは一番よい製品!と思わなければ売っていないですよね (⌒∇⌒)
以下にカシミールのカシミヤ/パシュミナストール、ショールを紹介します。