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【初公開】カシミールのパシュミナファミリーの組織・仕事分担を教えます

【初公開】カシミールのパシュミナファミリーの組織・仕事分担を教えます

カシミールのパシュミナ/カシミヤは謎だらけ・・・

カシミールのパシュミナ/カシミヤっていうと、ただパシュミナ/カシミヤと聞くよりも由緒正しいような気がします。
カシミールのカシミヤというだけで箔がついている感がするのです。

それは恐らく、カシミヤの語源がカシミールからきていることが知られており、カシミヤはカシミールから世界に広まったということがボンヤリと知られているからかもしれません。
つまりカシミールのパシュミナ/カシミヤという名前に本物感を感じるのです。

しかもそのカシミールのパシュミナ/カシミヤは、今でも日本昔話に出てくるような織機で作られており、そのパシュミナ/カシミヤに職人さんたちが刺繍などをハンドメイドで施していることが知られています。
鶴ではなく、人間が実際に織っているのです。
おばあちゃんが縫っているのではなく、ほとんど男性の刺繍職人が15世紀より伝わる技術を使い、今でも手刺繍を施しているのです。

そしてその出来上がったパシュミナ/カシミヤはなんとも言えず美しく、柔らかい・・・
ハンドメイドや手しごとが好きな人には、機械織りでは決して感じることができない、魅力をカシミールのパシュミナ/カシミヤに感じるのです。

しかしこのようにカシミールのパシュミナ/カシミヤファンは沢山いらっしゃっても、そのパシュミナ/カシミヤがどのような組織で作られているのか。
分業制と言っても、どんな仕事の分担になっているのかということを知っている方は少ないといえます。

でも知りたくないですか?!

今回はスリナガルで聞いてきた、カシミールのパシュミナファミリーの組織と仕事の分担を説明します。

カシミールのパシュミナファミリーとは

通勤

日本人にとって、カシミールのパシュミナ作りの仕組みはベールに包まれています。

左の写真は通勤をしている場面です。
日本人の常識から考えると、職人は朝起きて会社や工房に向かい、そこで仕事をします。
つまり通勤をするのです。

中には家で仕事をしている職人さんもいますが、それは家に職場や工場がある中小企業だからです。
この日本で今や家で仕事をしていると言えば、フリーランスの職人さんか何かでしょう。

ですからもし日本で商品を作る場合、たとえ分業制であったとしても、そのデザインや商品の受け渡しなどはスムーズにいきます。
なぜなら同じ場所で仕事をしているからです。
その方が効率も良いと思う方も多いと思います。

しかしカシミールのパシュミナは職人さんの家で作られています。
職人さんの家に織機があり、そこで仕事をしています。

写真のようにスーツを着て電車で通勤する職人さん・・・・・見てみたい。
でもそんなことがあるわけありません。
そもそもスリナガルには電車がありません。

またカシミール刺繍の職人さんたちは、スリナガル近郊の村に住んでいます。
普段は農業を行っており、閑散期や夜の時間に刺繍職人になります。
ではスリナガルで織られたパシュミナを、どのようにその刺繍を施す村に移動させるのでしょう・・・
手刺繍を施すデザインは誰が決め、どのように職人さんに伝達されるのでしょうか。

さらに不思議なのは、カシミールの人たちにパシュミナの作り方を聞くと、カシミールのパシュミナは20もの工程を踏んで作られると言います。
それは聞くだけでも複雑な工程です。

まずラダックからパシュミナ山羊の毛を持ってきて、それをスリナガルで洗います。
そしてそれを人の手で糸にして、無地(プレーン)のパシュミナは職人が手織りでパシュミナを織り、チェックやストライプのヨーロピアンデザインのパシュミナは織る前に糸を染めてパシュミナを作ります。
その後無地(プレーン)のパシュミナは刺繍職人の元に行くものもあれば、そのまま染めて完成するものもあります。
大雑把にいうとこのような過程を通り、パシュミナは私たちの手に来ます。

しかし聡明な皆さんは疑問に思いませんか?
誰がオーダー通りのパシュミナデザインが出来上がるのを見守るのでしょうか。
そもそもパシュミナの原毛のお金や刺繍の糸のお金を誰が支払っているのでしょうか。
少しカシミールのパシュミナをかじった人なら聞く、マスターとは誰で何をするのでしょうか。
分業制で作っているカシミールのパシュミナを誰が滞りなく動かしていくのでしょうか。

これを理解するのは、カシミールのパシュミナファミリーの組織構造を理解する必要があるのです。

初公開 カシミールのパシュミナファミリーの組織図

組織図

カシミールのパシュミナファミリーの組織図を細かく解説していきます。

名称
役割
主な仕事
Business Partner全体のまとめ役
折衝窓口
パシュミナ原毛や糸の調達と刺繍糸の調達、
クライアント(卸先の会社やお店、同業者)からの注文の受付、
交渉、納品など顧客との折衝窓口
① Weaving Artisan Master織物全体のまとめ役織物の進捗・品質確認、
デザインや色の調整など織物全般の責を負います。
② Embroidery Artisan Master 刺繍全体のまとめ役刺繍の進捗・品質確認、
デザインや色の調整など刺繍全般の責を負います。
③ KANI Weaving Artisan MasterKANI織 全体のまとめ役カニ織の進捗・品質確認、
デザインや色の調整などカニ織全般の責を負います。
④-①別動隊Washer 織物や刺繍を施した織物を洗ってアイロンをかける
④-②別動隊Finisher最後にカシミヤ糸が出ているものやほつれなどを確認し、
商品として整える



細かく説明するとまだまだ記載することはありますが、大まかに記載するとこのような組織構造となっています。

全体のまとめ役としてここに一団のグループがいます。
これはわたしたちからいうと『Business Partner』となりパシュミナファミリーの長(おさ)のような人です。
わたしの『Business Partner』は3代目になり、今はほぼスリナガルは2人、デリーに1人、そして2代目のパパが引退してはいますが好き勝手に(笑)、言い方が悪いですね。
自由に、『Business Partner』とは別の国内向けの取引を長年付き合いのあるクライアントと行っています。

このお父さん、とても優しく面白く、ときに強引なのですが、昔はかなりやり手で叩き上げの元大手銀行のゼネラルマネージャーでした。
20代でマネージャー職になり、定年退職まで勤め上げたそうです。
わたしの大好きなパパです。
今回はお土産とは別に、わたしが持っていた荷物を計る電子メジャーが欲しいと言ったのであげちゃいました。
次のお土産には血圧計をねだられています(笑)

『Business Partner』は本当に日本人のような人なので『パパ ダメ!』と言っていましたが、パパは『いいじゃないか。なぁ〇〇(わたしの名前)』と笑いながら言うので、『Business Partner』と一緒に笑うしかありませんでした。
次にスリナガルに行く前に送るつもりです。

話は戻りますが、①をみてください。
①は織物の職人のマスターです。
織物に関しての責任はこの人が負います。
ですから、もし織物の品質、色などが違ったりした場合、わたしたちが疑うのは2点です。

ここの『① Weaving Artisan Master』のところで色の齟齬が生じているか、『Business Partner』とのやり取りで問題が生じているかになります。
まずここを疑い、解決します。

問題解決には、まずは色を指定するカラーチャートをスリナガルで使っているものと同じものを使う。
そしてそのカラーチャートの色に合わせるよう何度も『Business Partner』に言うと、最初からほぼ近似色で染められてきました。
指定色ピッタリとは言いません。
十分に許容範囲の近似色で送られてきました。
ぜひ参考にしてください。
ではカシミールでどんなカラーチャートを使っているのでしょうか。
ご興味のある方は直接ご質問ください。

同じように『② Embroidery Artisan Master』も『③ KANI Weaving Artisan Master』も、それぞれ刺繍やカニ織に関しての責任を負います。
『Business Partner』は、それぞれのマスターとの綿密な打ち合わせをして、仕事を依頼します。
基本、Weaving , Embroidery, KANI Weavin Artisan Master はわたしの『Business Partner』のパシュミナファミリーなので、『Business Partner』以外の仕事はしませんし、ここも3代に渡る付き合いです。
しかし『Business Partner』の仕事が少なく、マスターの配下のそれぞれの職人が空いているときは、周りの仲間で仕事を融通し合うときはあるようです。
ですが基本は『Business Partner』以外の仕事は受けません。

ちなみに『Business Partner』のパパの仕事を依頼する場面に立ち会ったのですが、それはそれはいい加減なものでした(笑)
まぁインド国内向けのメリノウールの刺繍だからいいのかもしれませんが、まず自分でストールとショールサイズに分けておき、マスターの村にいき、ポーンと一群のストールを放り投げ『ジャアリ』、もう一群のショールを放り投げ『ジャマワール』。
それを2~3回繰り返した後、マスターがそれぞれの数を数えて確認をして、パパは『OK』の一言。
あとは一緒にチャイを飲んで御終いでした。

あれっ!?
お、終わり・・・?!
デザインは?!
誰が決めるの?!

パパは笑いながら、『マスターに任せるよ。大丈夫!間違いないから!』
恐らく、このようなやり方をしているのはパパだけです。
『Business Partner』はもっときっちりしています(笑)
本来デザインなどは注文がある場合は、『Business Partner』がクライアントの意向を汲み、それをマスターに伝え、マスターは詳細なデザインを決め『Business Partner』の最終確認を取り、スタンパーや刺繍職人に伝達していきます。

でもこんなパパが大好きです。
パパをフォローする訳ではありませんが、デザインが決まっているクライアントなんだと思います。
メリノウールの刺繍デザインは大まかなデザインが決まっている場合が多いのは事実です。

そして最後に注目なのが、④の『Washer』と『Finisher』です。
これはファミリーの一員ではありません。
どこのパシュミナファミリーの仕事も受けます。
ですから別のレイヤーに分けておきました。

非常に大まかになりますが、これがカシミールのパシュミナファミリーの組織図とその役割です。
もっと細かく色々とあるので、ご興味ある方がいたらご質問ください。
またイベントがあるときなどは、この点の詳細をトークイベントなどでお伝えしています。

カシミールのパシュミナファミリーのまとめ

いかがでしょうか。
わたしもこのカシミールのパシュミナファミリーの全体図を教えて貰って初めて理解できるところが一杯ありました。

実はこのカシミールのパシュミナファミリーの全体図を公開する前にビジネスパートナーに『本当に良いのか?!』と聞きました。
彼は間髪入れず『問題ない』と言いました。
なぜなら彼もわたしもカシミールのパシュミナのことを日本の人々によく知ってもらって好きになってもらいたいと思っているからです。

残念ながら、この日本でカシミールのパシュミナを愛する人、カシミヤストールを好んで着用される方は欧米に比べ非常に少ないといえます。
もしカシミヤストールをするとしてもブランド物のジョンストンのストールとかです。
カシミールのパシュミナを好んで着用する人は本当に少ないのです。

しかし欧米やその欧米文化の影響を受けた国はカシミールのパシュミナを高く評していますので、好んで着用します。
ハリウッドなどの有名人も非常に多くの方がカシミールのパシュミナを纏っている写真が出回っています。

わたしもビジネスパートナーも歴史がないので、欧米とまではいかないまでも、日本の皆さんに本物のカシミールのパシュミナの良さを味わってもらいたいと思っています。
そのためにはよく知ってもらうことが必要であると思い、このようなカシミールのパシュミナファミリーに関する情報も公開しています。

ぜひ一度カシミールのパシュミナをお試しください。
日本の有名アパレル企業の役員がエルメスに匹敵すると言った、カシミールのパシュミナの品質を味わってください。

以下にGreat Artisan(グレート アーティザン)のブランドをご紹介いたします。

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