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柘榴(ざくろ)石 ガーネット|その人気の秘密を一挙大特集!

柘榴(ざくろ)石 ガーネット|その人気の秘密を一挙大特集!

赤い宝石と聞いて、多くの方が連想するのはガーネットかルビーではないでしょうか?

指輪やピアスに加工されて見かけるガーネットは落ち着いた赤が多く、控えめな印象さえあります。
そして深みのある赤い色のガーネットは肌とのコントラストが美しく、たとえ髪の間からのぞく小さなピアスであったとしても、目を惹く存在です。
そんな有名なガーネットですが、赤以外の様々な色が存在していることはご存じでしょうか。

中でも珍しいのはグリーンのガーネットかもしれません。

今回は、このようによく知られているようで、実はあまり知られていないガーネットという宝石について特集します。

Contents

ガーネットの伝説

この日本でも有名なグリム童話には、助けた鳥がお礼にガーネットを持ってくる話があります。
それはこのような内容です。

昔、おばあさんが怪我をして動けなくなっていた鳥を見つけました。
そしておばあさんはその怪我した鳥を家に連れて帰り、介抱しました。
その甲斐あってその鳥は元気なり、飛んで行ったのです。

おばあさんは鳥が飛んでいったことを少し寂しく思い、もう小鳥に会うことはないだろうと思いました。

そんなある日、その小鳥はおばあさんの下に戻ってきました。
おばあさんはそれをとても嬉しく思いましたが、その鳥はおばあさんの手のひらに一粒の小さなガーネットを置き、また飛び去って行ったのです。

その夜からおばあさんは、鳥が置いていったそのガーネットを枕元に置いて眠ることにしました。

すると不思議なことに、
そのガーネットは毎晩、暗闇の中で温かく輝くたいまつのようにおばあさんの枕もとを照らすようになったのです。

そのガーネットの輝きは、まるで助けてもらった鳥のおばあさんへの感謝の気持ちを表しているかのようだったのです。

ガーネットの歴史

ガーネットの歴史は古く、紀元前3500年以前の古代エジプトのミイラと共に赤いガーネットが見つかっています。
他の宝石と同様、ガーネットも古来よりそのうちに不思議な力があると信じられていました。

例えば、赤は血液を連想させることから、兵士たちが戦争へ行く際に、流血から身を守るお守りとして赤いガーネットを身に付けることがありました。
また、今と同様、赤という色は愛を表すと考えられていたので、赤いガーネットは男性が女性に送る宝石としても用いられていました。

しかし、今ほど鉱物の見分け方が知られていなかったので、赤いガーネットは同じく赤いルビーと間違われることがよくありました。
また、ほとんどの場合ガーネットよりもルビーの方が価格が高いので、ルビーと偽ってガーネットを売りつける人もいたようです。
ルビーについては宝石の女王 ルビー|艶やかなルビーの赤の秘密!| Rubyをご覧ください。

しかし今では、赤以外の様々な色のガーネットが発見されています。

ガーネットとはどんな宝石ですか?

ガーネット 柘榴石
柘榴の実を意味するガーネット

ガーネットは紀元前約3,500年ほど前のミイラの中に入っていたように、約5500年以上前より人類に寄り添うように存在していました。
しかしガーネットは赤い色をした一つの種類の天然石ではありません。
ガーネットとは、地球の地殻を構成する岩石に含まれるケイ酸塩鉱物のグループのことです。
ですからガーネットは単体の天然石ではなく、ガーネットグループのことをガーネットといいます。
ですからガーネットグループは、同じケイ酸塩鉱物のグループなので結晶の構造は同じながら、化学成分や物性、色が多様となっています。

ガーネットという名前はどこからきているのでしょうか。
ガーネットという名称は、ラテン語で柘榴(ざくろ)の実や、種を意味するグラタナス(granatum)が元になっています。
その名前は、ガーネットが結晶として岩石の中に見つかる時に、丸みを帯びた粒がびっしり見えて、ちょうど柘榴(ざくろ)の実のようだったことに由来してガーネットと付けられたと言われています。

ですからガーネットは日本名でも柘榴石(ざくろ石)と呼ばれています。

先ほど、ガーネットはケイ酸塩鉱物のグループと書きましたが、それは、ガーネットがその存在する地域によってマンガンやアルミニウム、鉄、クロムなど様々な鉱物の成分と混じりあった結果、ガーネットは多種多様な色を表現します。
そのため、このようなガーネットグループを合わせた呼び方として、ガーネット属と呼ばれることがあります。

ガーネットが属するケイ酸塩鉱物自体は非常にありふれた鉱物で、世界中に存在しています。
それなのにガーネットが宝石と呼ばれるのはどうしてでしょうか?

それは、ジュエリーとしての宝石の三つの条件をクリアしているからです。

ガーネットが宝石である3つの条件

ジュエリーとしての宝石の定義には国によって違いがあります。
しかしそれは宝石としての基準がないということではありません。
それは一般的に、希少性、耐久性(硬度)、美しさという3つの条件をクリアしているものが宝石とみなされています。

例えばガーネットの希少性を考えてみたいと思います。
ガーネットは鉱物としてはたくさん見つかりますが、柘榴(ざくろ)の実のように赤いものや、青、緑など宝飾品として美しい色のガーネットはそれほど多く採れるわけではありません。
ですからガーネットは希少な宝石ということができます。

さらに耐久性という面でガーネットは、鉱物の硬さを表すモース硬度が6.5-7.5ととても硬い鉱物であるため、宝石の要件を満たしていると言えます。
このガーネットの硬度の高さは、ガーネットがキズがつきにくい宝石ということになるので、普段使いのジュエリーにピッタリということになります。
ですからガーネットが人気なのもうなづけます。

ちなみに同じくモース硬度7レベルの宝石には、トパーズやトルマリンなどがあります。

モース硬度や宝石と天然石の違いについては誰も教えてくれない! 天然石と宝石の本当の違いをご覧ください。

では3つの宝石の条件。
美しさという面でガーネットはどうでしょうか。
ガーネットは赤色の宝石というイメージがありますが、実際にはブルー以外のさまざまな色が存在する、色彩豊かな宝石です。
なかでも鮮やかな赤色をしたガーネットを身につけると、色白な肌をよりキレイに魅せてくれる効果があるため、人気の宝石のひとつです。

しかもそのガーネットの美しさは現代だけでもありません。
アビシニアの王女のほっそりとした首筋から、マリー・アントワネットの白粉(おしろい)がついた胸元まで、ガーネットの魅惑的な赤は彩ってきました。

つまりガーネットの美しさは歴史によっても証明されているのです。

たしかにガーネットは、希少で美しい宝石なのです。

赤だけじゃない!様々な色のガーネット

前述したように、ガーネットは別名ガーネット属ともいえますので、多種多様な色が見つかっています。
同じ鉱物なのに、どうして様々な色になるのでしょうか?

少し触れていますが、ガーネットは大きく分けて、アルミニウムを含むグループと、カルシウムを含むグループに分けられます。
そのうえで、鉄、マンガンなど他の成分がどの程度混じり合ったかによって、ガーネットの色は赤、オレンジ、グリーン、青などになるのです。

下の表は、ガーネットに含まれる成分と、そのガーネットの色です。

ガーネットの成分に関する表を見てみるとよく分かるのですが、同じ赤でも、鉄による赤とマグネシウムによる赤では、赤の色合いが異なることが分かります。
そして同じ成分であっても、その濃度の違いで、ガーネットは濃い色にも薄い色にもなるのです。

それは空の色が天気や時間で繊細に移り変わるようです。
その繊細に移り変わる天気のように、地球の中で作り出されるガーネットもまた、長い時間をかけて繊細に、様々な影響を受けて、様々な色彩を表現しているのです。

それもガーネットが人を引き付ける一つの魅力なのかもしれません。

ガーネットの種類と成分、そして色の関係表

名 称
成 分
色 彩
アルマンディン  アルミニウム、鉄濃い赤
パイロープアルミニウム、マグネシウム鮮やかな赤、ピンクなど
スペルサルティンアルミニウム、マンガン
グロスラーカルシウム、アルミニウム黄、橙、緑
アンドラダイト  カルシウム、鉄色彩は様々で呼び名もある
黄色→トパゾライト
緑→デマントイド

希少なガーネット

トパゾライト
珍しいグリーンのトパゾライト(ツァボライト)

ガーネットの中でも緑のガーネットは多く流通していないため、希少性があり高価です。

さらに希少なのは青いガーネットです。
アルミニウム系のガーネットが混じり合ってできた青いガーネットは最も希少で、1990年代に最初に報告されています。
青いガーネットは大変珍しいので、ダイヤモンドと同じくらい高値で取引されているので、わたしたちの目に触れる確率は低いといえます。

もし青いガーネットを見かけたら、注意です!
その青のガーネットは人工石の可能性が高いとみてください。

ガーネットの産地はどこ?

ガーネットは地殻に存在する鉱物なので、世界中の大陸で見つかります。
日本でも多く発見されていますが、日本で見つかるガーネットの多くは濃い赤味のあるアルマンディンです。

アルマンディンガーネットの産地として有名なのはインドで、そこから世界中に流通しています。

橙から黄色のスペルサルティンと呼ばれるガーネットは、アメリカを含め世界中で見つかります。

上の表には含めませんでしたが、ロシアのウラル山脈で見つかったグリーンのウバロバイトは、ロシア以外ではあまり見つからないガーネットです。
ちなみにウバロバイトは、3ミリ以下のとても小さい結晶が薄く岩を覆うように形成されるので、宝石として加工されることはほぼありません。
ウバロバイトは大抵、母岩付きの状態で加工されます。

このように世界中どの大陸でも見つかるガーネットは、とても身近で親しみやすい宝石といえます。

ガーネット 指輪

ガーネットの品質の見分け方

ガーネットは赤を中心に様々な色で存在する、とても身近な宝石です。
そのためガーネットは若い人でも購入しやすい宝石でもあります。ではガーネットを選ぶ時、どんなところをチェックしたら良いのでしょうか?

これは他の宝石とも共通しますが、品質が良いガーネットを見分けるには、透明度をチェックします。
透明度が高いものほど品質が良いといえます。

また、市場に多く出回っているガーネットと、希少なガーネットの色や特徴を頭に入れておくこともガーネットを選ぶときに役立ちます。
なぜならガーネットの種類によって、相応の価格というものがあるからです。

例えば前述しましたが、緑のガーネットは希少で高価です。
ですから緑色のガーネットがあまり安かったら偽物の可能性が高いといえます。
一方、アルマンディンをはじめとする赤系のガーネットは大きなサイズが一般的なので、サイズが大きくても価格が驚くほど高くなることはありません。

ガーネットは産出量が多く、品質の高いものが比較的安く手に入ることが多い宝石です。
気に入ったデザインのガーネットのアクセサリーなどを選んでみるのはいかがでしょうか?

ガーネットのお手入れ方法

ガーネットのモース硬度は6.5~7.5で、とても硬い宝石です。
ですから通常の扱い方で割れたりキズが付くことはありません。
逆にガーネットのジュエリーをしまう時などに、硬いガーネットが他の天然石を傷つけないように、個別に袋に入れるなどして注意しましょう。

もし、ガーネットのアクセサリーがひどく汚れたと感じた時には、中性洗剤を溶かしたぬるま湯で優しく洗い、その後流水で十分にすすいでから乾いた布で乾かせば完了です。
ガーネットは丈夫な宝石なので、きれいにお手入れして是非大切に長く使用してください。

まとめ

濃い赤が有名なガーネットですが、オレンジや黄色、そして緑まで、たくさんのカラーが揃っているのには驚きます。
Great Artisan(グレート アーティザン)では、ガーネットをあしらったピアスが入荷しました。

耳元に小さな彩りを添えるかわいいピアスを、是非ご覧ください。

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