世界各地で、プレゼントやギフトを贈る行事はたくさんあります。
あなたがこの前、ご家族やお友だちにプレゼントを贈ったのはいつでしょうか?
日本では、母の日、父の日、クリスマス、誕生日、結婚記念日などにプレゼントを贈る人が多いようです。
そのほかにもわたしたちがプレゼントを贈る機会として、結婚祝い、出産祝い、入学祝い、卒業祝い、退職祝いなど、様々な人生の節目があります。
プレゼントはいつ贈られたとしても、そこに贈り主の心がこもっていることが分かれば、なお一層うれしいものですね。
プレゼントは、モノだけでなく「ギフト券」をいただくこともあります。
結婚式の引き出物などにも利用されている「カタログギフト」はかさばらず、自分が好きなものを手に入れられるので、人気があります。
このように日頃余り区別することなく使っているかもしれない「ギフト」と「プレゼント」ですが、両者に何か違いがあるのでしょうか?
家族同士、友だち同士でプレゼントを贈る習慣はいつ頃始まったのでしょうか?
この記事ではこうした点を解説し、コロナ禍におけるプレゼントの傾向についても特集していきたいと思います。
Contents
■プレゼントとギフトの違いを特集
これから特集していく「プレゼント」と「ギフト」ですが、贈り物という意味では同じです。
しかし厳密には少しニュアンスが違うようです。
さらに「プレゼント」という言葉はこう使う、「ギフト」という言葉はこう使うというものをあまりないようです。
その点を踏まえ軽い気持ちで読んでくださいね。
ギフトとはなんですか?言語から考察する
ギフトとはなんですか(英語版)
まずは日本語に訳される前の英語のギフト”gift”の語源から記載したいと思います。
ギフトの語源は、古ノルド語の”gipt(贈り物)”を語源に持ち、「与えるもの」を意味しています。
この古ノルド語が古英語に影響を与え(詳細は下記:【豆知識】古ノルド語が英語に与えた影響とはをご覧ください。)英語に”gift(贈り物)”という言葉が生じました。
このギフトという言葉には、人が人へ与える「贈り物」も含まれますが、神様からもらった才能(先天的な才能)、という意味もあります。
生まれつき突出した才能を持った子どもたちが「gifted=ギフテッド」と呼ばれることがありますが、これは「すばらしい才能を天から授かった」という意味が込められているのです。
このように英語では、ギフトという言葉は身分が高い人から下の人へ贈られるものに使われています。
ですから英語でいうギフト”gift”は、目上から目下の立場の人への贈り物、価値のある贈り物というニュアンスがあるということが分かります。
ですから英語の “gift” は比較的フォーマルな表現で、比較的多く使われている言葉です。
【豆知識】古ノルド語が英語に与えた影響とは
古ノルド語とは、インド・ヨーロッパ語族ゲルマン語派北ゲルマン語群に属する言語です。
古ノルド語は、古北欧語(こほくおうご)ともいいます。
この古ノルド語は、現代でいう北欧民族の人々、スウェーデン人、ノルウェー人、アイスランド人、デンマーク人によって使われていた言語で、一般には、8世紀から14世紀にかけて、スカンディナヴィア人やスカンディナヴィア出身の入植者たちによって用いられていたであろう言語を指しています。
ではこの古ノルド語がどのように英語に影響を与えたのでしょうか。
それは8世紀から10世紀にかけて北欧のヴァイキングがブリテン島(今のイギリス)を侵略したことによって、古英語期の英語に影響を与えたといわれています。
その際に、古ノルド語の独特の単語が大きく影響を与えたといわれています。
例えば、語頭に sk- をもつ単語(sky, skin, skirtなど)や、語頭に /gi-/, /ge-/ と発音する gi-, ge- をもつ単語(give, getなど)は、ほとんどが古ノルド語に由来する語だといわれているのです。
ですからまさに”gipt(贈り物)”という言葉は、古ノルド語から派生し、古英語に影響を与え、”gift(贈り物)”となったと考えられています。
ギフトとはなんですか(日本語版)
しかし日本では、ギフト=「贈答品」との認識があり、目下の者から「お世話になっている目上の人や同格の人に贈るもの」とみなされています。
つまりギフトは、日頃お世話になった相手に贈る「贈答品」=ギフトという使われ方をしています。
またギフトは「ギフト券」など、ほかの語と組み合わせて用いられることが多く、お中元やお歳暮などに使われることが多い言葉です。
ですから日本では結婚祝いや出産祝い、お中元、お歳暮などの「マナー色が強い贈り物」をギフトと呼びます。
たしかに「無料ギフト」とは言わないですよね。
同じ贈り物でも捉え方が違うところが興味深いですね。
英語と日本語のギフトの違いとは
英語でギフトという言葉は身分が高い人から下の人へ贈られるものにギフトという使い方をしています。
そしてギフトは価値ある贈り物(神様からのgift→天賦の才)という使われ方をしています。
しかし日本語では真逆の使われ方です。
日本ではギフト=「贈答品」との認識がありますので、目下の者から「お世話になっている目上の人や同格の人に贈るもの」とみなされています。
そしてフォーマルな贈り物という意味合いで使われています。
そのため「無料ギフト」とは言わず、その場合は「無料のプレゼント」です。
ですからほとんど真逆な使われ方をしていることが分かります。
さらに言葉の使われ方ですが、ギフトという言葉は、英語では比較的メジャーでよく使われます。
しかし日本語では比較的マイナーな表現で、よく他の言葉と組み合わされて使う言葉となっています。
英語から訳されて日本語で使われるようになったギフトという言葉ですが、大きな違いがあることが分かりました。
言葉って面白いですね。
プレゼントとはなんですか?言語から考察する
プレゼントとはなんですか(英語版)
英語では「プレゼント」のことを “present” と書きますが、その語源に関してはいくつかあります。
まずはラテン語で「あらかじめ有る」「前に持って来る」の意味に由来するという説です(出典:語源由来辞典)。
「プレゼント(present)」の語構成としては、「pre=前に,あらかじめ」、「esse=ある=ラテン語のbe動詞(存在動詞)」、「-ent(現在分詞語尾)」で構成されます。
また「pre=あらかじめ用意した物」「sent=渡す,贈る」とする説もあります。
これはただ文字を分割しているだけなので、分かりやすいですね。
いずれにしても英語のプレゼント(present)には、同じような身分の者または目下から目上の立場の者への贈り物というニュアンスがあり、「あらかじめ用意したものを贈る」という意味があるそうです。
そこがギフトと違う点ですね。
ですから純粋に「贈り物」という意味では、ギフトと同じですが、プレゼントは「 親しい人との間での贈り物 」 という意味になります。
ですからプレゼントは、ギフトよりもカジュアルで、家族や友人への私的な贈りものとみなされています。
たとえばですが、子供たちがクリスマスにサンタさんにプレゼントをお願いするときに、サンタさんに「たくさんのギフト」をお願いするとは言いません。
サンタさんには「たくさんのプレゼント」をお願いするという感覚です。
なお、贈り物を意味する言語として、英語圏ではプレゼント(present)よりもギフト(gift)のほうが一般的です。
たしかにギフト(gift)が親しい人に贈る、愛情や友情などの気持ちを込めた私的な贈り物という意味だったら、頻繁に使いますよね。
プレゼントとはなんですか(日本語版)
日本でもプレゼントは、相手を喜ばせるための私的な贈り物をプレゼントといいますよね。
ですからプレゼントは家族・恋人・友人などに贈る、カジュアルな贈り物と言い換えられることができます。
日本では「ギフト」よりもプレゼントの方がポピュラーな表現です。
最近では目上、目下などの贈る贈られる人の立場に関係なく、プレゼントはいろいろな場面で使われる言葉になっています。
また、「プレゼント」は『「抽選で〇〇名様に✕✕をプレゼント!」など』視聴者や読者などに無料で進呈するものという意味で使われることもあるほどです。
ですから日本国内では「ギフト」よりも、「プレゼント」のほうが広く使用されているのではないでしょうか。
英語と日本語のプレゼントの違いとは
プレゼントという言葉の広い意味では同じでした。
プレゼントは「 親しい人との間での贈り物 」 という意味になり、ギフトよりもカジュアルで、家族や友人への私的な贈りものとみなされています。
気軽に家族や友人に渡したいときにプレゼントという言葉はつかえます。
たとえて言うならば、子供たちがクリスマスにサンタさんにプレゼントをお願いするときに、サンタさんに「たくさんのギフト」をお願いするとは言わず、「たくさんのプレゼント」をお願いするという感覚です。
ことばの響きがカジュアルですよね。
しかし違いもあります。
日本語と英語の違いは、言葉を使う頻度、つまりよく使われる言葉か否かという点でした。
日本でプレゼントとは、さまざまな場面で使われます。
しかし英語圏でプレゼントとという言葉は一般的ではないということです。
贈り物という意味ではギフトの方がよく使われるということです。
こう考えると言葉や文化って面白いですね。
覚えておきたい知って得する情報でした。
プレゼント&ギフトの歴史を解説!
プレゼントとギフトの語源や由来、そして使い方が分かったところで、次はその歴史について特集してみたいと思います。
ぜひぜひご覧くださいね。
世界のプレゼント&ギフトの歴史とは
歴史をさかのぼって、古代にはどのような場面で贈り物をしたのか見てみましょう。
まずは人間関係や国同士の友好関係を作り、保つときに贈り物が使われました。
古い歴史の記録を紐解くと、王様などの権力者に会う場面や、結婚を申し込む場面に贈り物が出てきます。
その贈り物には宝石や、その土地の最良の産物が選ばれ、それを贈り物として差し出し、友好的な人間関係を築くための手段としたことが伺えます。
そして、贈り物は古来より宗教的な意味合いでも使われていました。
それは神様への供物など、宗教的な意味合いで贈り物をするその習慣は古代より世界各地にあったのです。
例えば「誕生日」は神々の誕生を祝う行事から始まったとされています。
後に誕生日は人間の誕生日にやってくる悪い霊を遠ざけるための行事になり、さらにその日にプレゼントを贈る習慣へと変化していったのです。
他にも贈り物をし合う宗教的な由来のある行事としては、クリスマスやバレンタインデーなどがあります。
日本のプレゼントの始まり
日本では、昔から続いてきた贈答品と、現代になって海外から入ってきたプレゼントの両方が広くみられます。
古くから続く贈答品は、お歳暮、お中元、葬儀や結婚式などに贈られたもので、それらの起源は、神様への供物、祖先の霊をなだめるための供物という意味で始まりました。
その時のお供え物を身内などに贈ったのが日本でいう贈答品、つまりプレゼント&ギフトの始まりでした。
海外から伝わったプレゼント文化には、誕生日、クリスマス、バレンタインなどの宗教儀式にちなんだものがあります。
日本では時とともに、それらから宗教的な意味合いが徐々に失われ、現代では単なるイベントになっています。
そしてプレゼントからも供物という意味合いが消えました。
その他、母の日、父の日、結婚記念日などにプレゼントを贈る習慣も定着しました。
こうして宗教的な供物から始まったプレゼント&ギフトは、この日本でも贈る相手に感謝の気持ちや愛情を伝え、人間関係を深めるためのツールへと変化していったのです。
Withコロナとこれからのプレゼント&ギフト
大切な人とはいえど、身近であるがゆえに、普段はこちらの気持ちを伝えることを照れくさいと感じることがあるかもしれません。
そんなときは、プレゼントというツールを使うことによって、感謝や愛情を伝えやすくなります。
ここからは、コロナ禍におけるプレゼントやギフトの動向について考察してみましょう。
2020年から2年余り続く世界的な新型コロナウイルスの流行で、人々の価値観が変化し、その変化がプレゼントにも影響を与えているようです。
ある調査によると、直接会えないからこそ相手を大切に思う気持ち、また相手の健康や無事を願う気持ちを強く意識する人が増えたとのことです。
具体的に言うと、コロナ以前に比べて以下の4つの点を考えるようになった人が多くなったようです。
- 人とのつながりを大事にするようになった
- 家族やパートナーをより大切に感じるようになった
- 無理して付き合っていた人とは疎遠になった
- 物を大切に長く使いたくなった
と考える人が多くなったそうです。
コロナウィルスの世界的なパンデミックは、世界中の人々の意識に変化を与えたようです。
更に、コロナ禍で人と人とが隔絶されていたからでしょうか、
相手に想いを伝える、愛情を伝えるということを一層重視する傾向も浮かび上がってきました。
そのため、離れていても相手を感じられるアクセサリーなど、身に着けられるプレゼントが喜ばれるようです。
中でもペアジュエリーの売り上げが好調とのことです。
興味深いことに、プレゼントを贈ると自分自身の幸福度も高まると回答する人が多かったそうです。
自分のことばかり考えているよりも、大切な人が喜んでいるのを見ることが幸福!と考える人が多くなったんですね。
このようにコロナ禍で、プレゼントの購入方法にも大きな変化がみられます。
コロナ以前はデパートなどの店頭で購入する人が多かったのですが、今はコロナの影響で直接会えないと感じる人たちが、インターネットを利用してプレゼントを選ぶことが増えました。
そのため通販の利用が飛躍的に伸びています。
プレゼント・ギフト – まとめ
この記事では、プレゼントやギフトの語源や歴史、そしてコロナ禍におけるプレゼント・ギフトの傾向などを考察しました。
心のこもったプレゼントは、受け取る相手を幸せにするだけでなく、贈る自分の幸せにもつながることも分かりました。
贈る相手への感謝の気持ちや愛情を深めつつ、おうち時間の長いこの時期は、喜ばれるギフトを「選ぶ時間」も楽しみたいものですね。
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ぜひGreat Artisanで、大切な人へのプレゼントや、自分へのご褒美にふさわしい商品をお選びください。