女性はいつまで経っても美しくいたいものですが、女性らしい色合いの物を身に付けるとなんだか心も落ち着くのではないでしょうか。
女性らしさを象徴する色と言われたら「ピンク」「赤」を思い浮べる方が多いのではないでしょうか
宝石にもそれらの女性らしい色を持つ魅力的な種類が沢山あります。
ですからロードナイトは、落ち着いた色合いからか、大人な女性の魅力をUPさせる天然石とも言われています。
今回はその中の1つである「ロードナイト」という宝石を紹介します。
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ロードナイトとはなんですか?
バラ色の宝石という名を持つロードナイト
その美しい名前から連想されるとおり、ロードナイトとは落ち着いたあたかも薔薇のようなピンク~濃い赤色の色合いをもつ天然石です。
またロードナイトの大きな特徴は濃淡のあるピンク色の石の中に、所々黒いインクルージョンが入っているのが特徴の一つです。
これはロードナイトの中に含まれる二酸化マンガンによる着色が原因です。
ロードナイトとはその名の通り「薔薇輝石」という和名を持つ宝石です。
その和名の通り薔薇のように美しいロードナイト(Rhodonite)という名前は、ギリシャ語で薔薇を意味する”Rhodon”(ロードン)に由来しています。
またこの和名に含まれる「輝石」はカルシウムや鉄、マグネシウムなどの珪酸塩(けいさんえん)類から成る鉱物のことなのですが、実際ロードナイトは、繊維状や柱状結晶で輝石ときわめて類似している鉱物である準輝石(鉱石の1種)に分類されています。
実は発見当初ロードナイトは「輝石」に分類されていました。
しかしその後の研究で「輝石」ではなくカルシウムやマンガンを含むケイ酸塩鉱物(準輝石)であることが判明し、「準輝石」に分類されたのですが、宝石の改名が簡単ではない事や「薔薇輝石」として長く馴染まれて来た事から、名前はそのままになっているそうです。
ロードナイトのモース硬度は5.5から6.5と決して高い方ではない上に、劈開(へきかい)性をもつため取り扱いには注意が必要な天然石です。
※劈開(へきかい)性とは結晶構造に従って特定方向に向かって割れやすいことを意味します。
ロードナイトの歴史
ロードナイトが宝石として世間に知られるようになったのは19世紀頃ですが、実はロードナイト自体はそれより何世紀も前から知られていました。
特にロードナイトは、ロシアで高く評価されており、多くの宮殿で花瓶や柱といった装飾品として使用されていただけでなく石棺(遺骨を収める棺を石材で作ったもの)等にも使用されていたのです。
またロードナイトは、アメリカ大陸でもネイティブ・アメリカンがヒーリングや儀式に使っていたといわれています。
ロードナイトは主にオーストラリアやロシア、スウェーデン、メキシコ、イギリス南、アフリカで産出されますが、古代ではギリシャ人やローマ人が、攻撃や泥棒から身を守るお守りとしてロードナイトが着用されていたそうです。
ロードナイトは、原石として取引されますが、その多くの使用用途はジュエリーやアクセサリー、そして工芸品だといわれています。
ロードナイトの産地
ロードナイトは、マンガンが豊富な変成岩やスカルン鉱床、大理石や不純物を含む石灰岩中などに形成されるといわれています。
そしてロードナイトは世界各地で広範囲に渡り産出されています。
オーストラリア、ロシア、スウェーデン、アメリカ、カナダ、マダガスカル、イギリス南部、メキシコ、南アフリカ、ブラジル、タンザニアなどで産出されています。
日本でもかつては岩手県や愛知県などでロードナイトは産出されていましたが、現在ではあまり採掘されなくなったといわれています。
今でも採掘されれば、掘りにいくんですけどね・・・
ロードナイトの魅力
名前の通りロードナイトは、薔薇の花びらのような美しさが魅力的な宝石です。
しかしロードナイトの多くは不透明のものが多いとされてますが、稀に透明度の高い宝石品質のものが産出されることもあります。
色合いからいうと、淡いピンクのものから濃い赤色のものまでありますが、ロードナイトは赤色が濃いほど良質なものとされています。
その中でも鮮やかに濃い赤色でありながら、透明感のある「インペリアル・ロードナイト」と呼ばれるものが、ロードナイトの中で最上級の宝石です。
一般的なロードナイトは基盤となるピンク色に黒い模様が入っています。その模様がロードナイトの大きな特徴の一つとも言えます。
また模様になる黒い物質はマンガンから来ているもので、石全体が黒っぽくなる事もあります。
ロードナイトは色合いだけが魅力なのではなく、限られた鉱山のみでしか産出しないので希少価値の高い宝石とも言えます。
ピンク色の天然石は若さや恋愛をイメージする人が多いため大人の女性は嫌煙しがちになります。
しかしロードナイトは落ち着いたピンク色が特徴の天然石です。
このロードナイトの恋愛の枠を超えて余裕さえ感じさせる色見は、大人の女性を思わせる安定感
を感じさせ、それが魅力となっています。
ロードナイトの価値基準
ロードナイトは、ピンク色のものなどがありますが、赤い色が強く鮮明なものほど高価に取引される傾向にあります。
特に透明感の高いものはインペリアルロードナイト(インペリアルレッドロードナイト)と呼ばれ、希少性、価値ともに大変高く扱われ宝石扱いとなります。
また、鉱物的な特徴としてインクルージョンが多いことから、インクルージョンの少ないもの程高く評価される傾向にあります。
さらにロードナイトのカットの美しさ、大きさなどもその評価基準の中に含まれます。
ロードナイトとロードクロサイトの3つの違いを説明
女性らしさを象徴する色といえばピンク色や赤色が思い浮かびますが、ピンク系色の宝石にはローズクオーツやインカローズなど多くあります。
その中でも特にロードナイトと似ているのがロードクロサイトという天然石です。
いずれも同じマンガン鉱石ですが、全くの別物です。
では、何が違うのでしょうか?
ロードナイトとロードクロサイトの3つの違いを説明いたします。
①鉱物としての違い
まずは、鉱物として違いがあります。
ロードナイトとロードクロサイトはどちらも同じマンガン鉱石ですがその中でも違う鉱物に分類されています。
ロードナイトは珪酸塩鉱物(固形石鹸等に多く含まれる珪酸塩で出来た鉱物)で、ロードクロサイトは炭酸塩鉱物(炭酸イオンを含む化合物で出来た鉱物)です。
つまりロードナイトとロードクロサイトは見た目が似ていても、化学組成は大きく異なり、鉱物としての共通点は少ないといえるのです。
②名前の違い
二つ目の違いとして、名前の違いがあります。
ロードナイトと同じくギリシャ語で”薔薇”を意味する”Rhod”と”色”を意味する”chros”が組み合わさっているロードクロサイトは、 インカローズとも呼ばれています。
そうです、実はロードクロサイトは、ロードナイトと同じピンク系色の天然石の1つであるインカローズと同じ鉱物なのです。
ただ呼び名が違うだけです。
ロードクロサイトの中で白い縞模様のあるものをインカローズと呼びます。
天然石としては、インカローズの方が知名度が高いかもしれません。
しかし宝石としては透明度の高いロードクロサイトの方が価値が高いものとして扱われます。
③特徴の違い
二つ目の違いの説明の中で、ロードクロサイトがロードナイトと同じピンク系色の宝石の1つであるインカローズと同じであることをお話ししましたが、全く同じ”種類”ではありません。
そのことは三つ目の違いである特徴の違いからわかります。
よく「サイトに黒なし、ナイトに黒あり」と評されることはあります。
ロードクロサイトにはロードナイトの大きな特徴と言える黒い模様が一切存在しません。
その代わりロードクロサイトには白い模様が入ることが特徴で、白い模様が入るロードクロサイトをインカローズと呼ぶのです。
これらのことを考えても、インカローズとロードナイトもマンガンを含む以外、ロードナイトとの共通点は少ないといえます。
ロードナイトの取り扱い注意点!
ロードナイトはマンガンを多く含むので紫外線に弱い宝石です。
長時間太陽に当たっていると黒く変色してしまうので、直射日光を避けて保管するよう心掛けましょう。
また紫外線だけでなく酸にも弱いので、汗が付着してしまった場合は柔らかい布で乾拭きすることをおすすめします。
もしお手持ちのロードナイトの汚れが目立つ場合は、中性洗剤や石鹸を溶かしたぬるま湯で洗ってください。
しかしロードナイトは劈開(特定の方向で割れること)が強いので、超音波洗浄機は厳禁です。
下手すると割れてしまうからです。
また洗う場合は優しく手洗いし、落としたりしないよう取扱には充分気を付けましょう。
ぜひロードナイトを末永くお楽しみください。
ロードナイト-まとめ
ロードナイトは「薔薇輝石」という和名を持つとおり、薔薇のような輝きを持った宝石です。
昔から高く評価されていた色合いは、今でも変わらず愛されていて、女性らしさを存分に引き出してくれます。
まさにその色合いからいっても大人の女性が選ぶ天然石です。
そんな素敵な宝石をいつまでも保てるように取り扱い注意点にもしっかり目を留めて、ロードナイトを身に纏ういつまでも素敵な女性で居れたら良いですよね。