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カシミヤ/パシュミナの故郷|憧れのラダック地方とは?

カシミヤ/パシュミナの故郷|憧れのラダック地方とは?

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カシミヤ/パシュミナの故郷 ラダックとはどういうところですか?

かの有名なカシミヤ/パシュミナ。
非常に柔らかく、軽く、暖かい織物で、ストールやショールにしても、ニットにしても、そしてコートにしても非常に良い万能選手です。
わたしもまだ学生だったときも「このコートにカシミヤ入っていないかなぁ」とカシミヤが入っているものを探し購入した思い出があります。

そんなカシミヤ/パシュミナにも故郷があるとご存じだったでしょうか。

そうです。
カシミヤ/パシュミナの原毛が採取された場所のことです。

今回は数あるカシミヤ/パシュミナの故郷のうちの一つ、あまり知られていないのはカシミール地方にあるラダックです。

今後カシミヤ/パシュミナに関して、皆さまにより多くのことを知っていただき、正しい理解をしていただきたいと思っております。

その一環として今回は、Great Artisa(グレートアーティザン)のカシミヤ/パシュミナ製品の故郷ともいえるラダックについて特集してみたいと思います。

ラダック地方とはどんなところですか?

ラダック

カシミール地方にあるラダックは、ヒマラヤ山脈の西斜面に位置し、インダス川沿いのカラコルム山脈まで延び、現在はインドの州、ジャム&カシミールの一部となっている地域です。

このラダックの場所を簡単にいうと一般的にカシミールと言われる地域の東部を指し、具体的には、インドのジャンムー・カシミール州の東と、パキスタンのバルティスターンに跨るエリアを指します。

現在観光客が目指すというラダックとは、インド側のエリアにあるラダックを指しています。

このラダックという名称は、「峠の向こう」というチベット語が語源といわれてます。

右の写真をみていただくとイメージしやすいと思うのですが、ラダックの最も深い谷は3000メートルで、最高峰は7000メートルです。
それだけでも高山地帯だと分かるはずです。
たしかにその名のとおり名付けた側からいうと「峠のむこう」かもしれません。

ラダックは、チベットの仏教の文化を持っているため小さなチベットと呼ばれ、長い歴史を持ち、かつて19世紀までは一つの王国でした。

そのチベットが、現在中国の政策による大量の漢族移民によってチベット人の少数民族化が進みつつあるため、むしろラダックはチベットよりチベットらしいとさえ言われています。

このラダックは、前述したようにヒマラヤとカラコルムという超高山に挟まれたエリアです。

そのヒマラヤ山脈、カラコルム山脈に囲まれる為、陸路でラダックに入れるのは夏のみ。冬の数ヶ月は雪で峠が閉ざされ、空路が唯一外界との交通手段となります。

そのラダック王国がカシミールに併合され、さらには中国、インド、パキスタンなどに分断されるに至っても、不便な場所であるがゆえに、はっきりとした国境を確定しないまま、今に至っています。

そして、歴史の中で、国境が変わったとき、下の画像にあるように、元一つの国の一つの地域であったチベットのチャンタン(Chang Thang)高原は今やいくつかの国に広がっているのです。

チャンタン

現在のカシミール地方のラダック

現在カシミールというとインドとパキスタンの紛争地であり、中国とも国境となっています。
つまり3か国が国境を争っている地域なのです。

ですから場所によっては国境紛争地域となっている箇所もありますが、現在主にラダックと呼ばれるエリアは、秘境であるがゆえに孤立しているせいか、比較的安定しています。

たとえばスリナガルの方で暴動騒ぎがあった際も、このラダックでは安全に観光を楽しむことができています。

またラダックが孤立している理由は他にもあります。

それはラダックの冬の厳しい気候です。
ラダック地方の極端な寒さと冬には-20℃以下にもなる過酷な冬の気候のために、ラダックは外界から隔離されています。

またラダックは1年を通して、雨がほとんど降らず非常に乾燥し、紫外線を目いっぱい浴びる場所です。

ですから人々は、短い夏でも気候は30度くらいにあがり、紫外線が強いためラダックの人々は肌を出さないことで、体を守っています。

そしてラダックの冬の凍てつく寒さと乾燥から守るため、ラダックではしっかりとした防寒が必要です。

そのため必然的にラダック人は、特定の極端な気候条件の下で、資源を最大限に活用するための伝統と技術を開発していきました。
ですから同じインドの北部ジャム・カシミール州にあるからといっても、ムスリムの多いスリナガルとラダックとでは全く違う文化や生活習慣となっているのです。

このようにラダックの人々は、インドの北部ジャム・カシミール州のヒマラヤとカラコラムの間の非常に高い山の谷間に住んでおり、ラダック人のほとんどはチベット民族であり、その多くがチベット仏教徒だとされています。

カシミール地方のラダックが生んだ奇跡

ラダックのカシミヤ/パシュミナ

ラダックは、そのような高山地域であるがゆえの厳しい気候が「繊維の宝石」とも言われる素晴らしい製品を生み出しました。

それは世界中で多くの人々の心を惹きつけている「カシミヤ/パシュミナ」製品です。

この一般的にカシミヤ山羊と呼ばれている山羊は、Changthangi(チャンタンギ)ともチャングラ(Changra)やパシュミナ(Pashmina)とも呼ばれています。
一般的にはカシミヤヤギ(Capra hircus laniger)と呼ばれています。

このカシミヤ/パシュミナ山羊はラダックとバルチスタン(カシミール地方)で発見されました。

この山羊の品種の多くは白いが、黒、灰色、茶色の動物もいます。

白は政府からの遊牧民への援助として白の山羊が与えられるので、近年は多くなっています。

カシミール地方のラダックにいるカシミヤ山羊(パシュミナ山羊)は大きくてねじれている角を持っているという特徴があります。

このパシュミナ山羊(Changthangi goat)の品種は主に、極細のカシミアウールで知られています。

この血統の毛の繊度は、平均直径が12〜16μmで平均繊維長が55〜60mmであり、最高級のカシミアの原毛を産みだします。

このパシュミナ山羊(Changthangi)のカシミヤ山羊の品種は世界のカシミヤ生産の0.1%未満というほんの僅かな量を占めています。

前述しましたが、このパシュミナと他のカシミヤヤギのウールの1つの明確な違いは、繊維の直径です。

カシミール地方のラダックのカシミヤ/パシュミナ山羊の繊維は、他のタイプの一般的なカシミア繊維(15〜19μm)より細く細い(12〜16μm)です。

その毛の繊度(直径)の違いは、カシミアは羊の毛より8倍暖かく、33%軽くなるというメリットを与えます。

そしてカシミヤ山羊は、現在世界のいくつかの土地に分布しておりますが、ラダックで採取されるカシミヤ山羊の毛は、その厳しい気候ゆえ世界の最高峰ともいえる品質を生み出しているのです。
※ラダックのカシミヤ山羊の原毛の質についてはなぜカシミールのパシュミナは、世界最高品質って言われるの? 品質面から考えるをお読みください。

まさにGreat Artisa(グレートアーティザン)の扱っているカシミヤ/パシュミナ製品は、カシミール地方のラダックが生んだ奇跡ともいえるモノなのです。

ラダック産のカシミヤ/パシュミナ山羊の糸を使ったストールを紹介します。

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