考えてみるとフープピアスの特徴の形状。
フープ（輪）型の耳輪は古代​の​多く​の​国​で，飾りとして以外に、魔除けや地位の象徴として身に付けられていました。

古代エジプトの壁画には、大きなフープ型の耳飾りをした外国人の姿が描かれています。
エジプト人の男性が耳にフープ型のピアスをつけていたかははっきり分かりませんが、女性の間では大きな金のフープピアスが一般的でした。
その古代エジプトの遺跡からは、直径が4～5センチのフープピアスが発掘されています。

古代ギリシャやローマでは、主に女性がフープピアスを着用していましたが、社会的地位の高い男性や兵士がフープピアスをしていたことが分かっています。

日本では縄文時代から飛鳥時代まで、男女を問わずいろいろなデザインのピアスを着用していました。
そのピアスの中には、円の一部を欠いた「玦状（けつじょう）耳飾り」と呼ばれるタイプの、いわゆるフープピアスも出土しています。

しかし飛鳥時代以降、親からいただいた体に傷をつけることは親不孝である、という儒教の教えなどにより、この日本では耳に穴を開ける耳飾りはしばらく姿を消すことになりました。

人間のオシャレに対する飽くなき追求は素晴らしいものです。
時が進み、17世紀頃にネジ式やバネ式のイヤリングが発明されました。

ヨーロッパやアメリカでは、女性の理想とされるイメージやファッションの変化からピアスは下火となり、ネジ式やバネ式のイヤリングが主流になりました。
特にアメリカでは、フープピアスはアメリカ先住民の飾りとみなされ、多くの人はフープピアスを着用しませんでした。

そのようなアメリカのファッション意識に変化が生じてきたのは20世紀後半のことです。

その当時、ブラックパワー運動を牽引していたアレサ・フランクリンやダイアナ・ロスなど有名なアーティストが、その黒人独特なヘアースタイルやファッション、そして彼女らがフープピアスを好んで身につけていたこともあり、欧米における理想の女性像に変化が現れはじめたのです。

その後もフープピアスは、ヒップホップ文化やラテン系の影響で欧米や日本にも広まりました。

そのラテン文化ではフープピアスは定番で、大きなフープピアスはアメリカとヨーロッパのマイノリティや移民にとって、時に強さや彼らのアイデンティティの象徴となります。
そのため彼らは大きいフープピアスを好んで身に着けるのです。

一方この日本では、女性は強さよりもかわいらしさや上品さを大切にするので、小さめのフープピアスが人気です。
日本で大きめのフープピアスをしていると目を引くのは、多くの人が控えめなフープピアスを選ぶためかもしれません。

このように世界中で愛されているフープピアスも、その文化的背景によってまわりに与える印象や好まれるタイプは違うようです。

では、フープピアスにはどのようなデザインがあるのでしょうか？

大き目のフープピアスは、顔まわりを華やかにしてくれます。
とくにサイドから見たときのフープピアスのフォルムが美しく、印象的な横顔を演出できます。

左の写真は、直径35ｍｍのフープピアスです。
シルバーやゴールドの大きめのフープピアスはパワフルな印象を与えますが、このような少し暗いトーンのシルバーは落ち着いた大人っぽい雰囲気を演出できるのです。

このようなフープピアスはモノトーンやシックな印象を与えるので、シンプルなファッションに合うのが特徴です。

フープピアスにはこの写真のような天然石やパールがデザインされたフープピアスもあります。

天然石の色や大きさ、揺れ具合などによって、可愛らしさやカッコよさを表現できます。
このピンクのロードナイトは女性らしさが人気ですが、大人っぽい雰囲気が好きな方には、オニキスやラピスラズリなどの濃い色の天然石が付いたタイプが人気です。

天然石がついたフープピアスは色によって、可愛らしさや大人っぽさなどそれら特徴をクローズアップさせることができますよね。

15ｍｍ以下の小さめのフープピアスは、華やかさと上品さのバランスがとれていて、日本のビジネススタイルでも使いやすいサイズです。

フープピアスがしてみたいけれど、控えめな印象にしたい方には、耳たぶにくっつくくらい小さなハギーピアスと呼ばれるタイプのフープピアスもおすすめです。
ハギーピアスについてはハギーピアス｜人気の３つの理由とその使い方を大特集！をご覧ください。

そのさりげないデザインから醸し出す上品さは、フープピアスの良いところを引き出すかもしれませんね。
ビジネススタイルの中でもさりげないオシャレをしたい方には、この小さめのフープピアスがおススメです。