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珊瑚(サンゴ)|海が創った心惹かれる宝石の真実|coral

珊瑚(サンゴ)|海が創った心惹かれる宝石の真実|coral

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珊瑚/サンゴ 日本昔話にも登場するなじみ深い宝石

珊瑚(coral)と聞くと何を思い浮かべますか?
美しいサンゴ礁でしょうか?それとも沖縄の海、とくに浜辺で拾うあの白い枝のことでしょうか?
いずれにしてもわたしたち日本人にとって珊瑚(coral)はなじみ深い宝石(天然石)ではないでしょうか。

その珊瑚(coral)には様々な種類があります。
たとえば日本では奈良時代以降珊瑚が輸入され「胡渡り珊瑚」と呼ばれていました。
胡とはペルシアのことで、このように奈良時代から日本で珍重されてきた珊瑚(coral)は地中海沿岸から遠くペルシャから来た珊瑚(coral)だったのです。

ときは移りゆくものです。
今や日本は最も美しい珊瑚(coral)が採れる場所として世界的に知られています。

では美しい珊瑚(coral)とはどのようなものなのでしょうか。
次にそれを考えてみたいと思います。

知っているようで知らない! 珊瑚とはなんですか?

珊瑚 サンゴ

珊瑚と聞くと、わたしたち日本人になじみ深い割りに、どのようなものなのか分からないという方はいらっしゃいます。

珊瑚とはなんでしょうか。
珊瑚とは植物なのでしょうか、それとも珊瑚とは生き物なのでしょうか?

珊瑚は一見すると岩に生えた植物のように見えますが、実はイソギンチャクやクラゲと同じ刺胞(しほう)動物に分類されるのです。
つまり珊瑚は動物なのです。

刺胞(しほう)動物は、巾着のような体に口が一ついています。
そして口のまわりには刺胞(しほう)という毒針のついた触手があって、この触手でとらえた動物プランクトンを栄養にして成長していくのです。
ですから珊瑚も成長していくと聞いたことがある人は数多くいらっしゃると思います。

わたしたちが珊瑚と聞くとグレートバリアリーフのようなサンゴ礁を思い浮かべます。
そして沖縄など美しい海の珊瑚が傷つけられているというニュースと結びつけるのではないでしょうか。

しかしそのような美しいサンゴ礁を形成する珊瑚は、造礁サンゴ(イシサンゴ)というグループで、宝石に利用される宝石サンゴとは別の種類の珊瑚なのです。

ですから珊瑚をアクセサリーとして身に着けているので、自分は海を美しい海のサンゴ礁を破壊することに一翼を担っていると考えなくても良いのです。

この造礁サンゴ(イシサンゴ)は、日光の届く浅い海に生息している珊瑚の種類で、一年に20cmちかく成長します。

一方、宝石で使う珊瑚は深海に生息していて成長が遅く、一センチ成長するのに何十年もかかると言われています。

また宝石サンゴは水圧の高い水深100メートル以上の深海で育つので、造礁珊瑚と違って硬度があり丈夫です。

造礁サンゴ(イシサンゴ)と宝石珊瑚にはそのような差があります。

一般的に宝石珊瑚を採る方法は、おもりを付けた小さな採取網で海底のサンゴを引っ掛けて採る伝統的な漁法と、無人潜水ロボットを使って珊瑚を採る最先端の漁法があります。

無人潜水ロボットは成長した珊瑚だけを選んで採れるので、珊瑚という貴重な資源を保護するのに良い方法だと自然保護の観点からも考えられています。

地中海珊瑚
赤珊瑚の別名「サルディ」の元になったイタリアのサルディーニャ島

珊瑚と人間の歴史とは

前述したように、日本の珊瑚は世界的に有名ですが、日本において宝石珊瑚の漁が行われるようになったのは意外と最近で、明治時代の事になります。
しかし明治以前より珊瑚は日本に存在していました。
それ以前に珊瑚はシルクロードを通って輸入され、身分の高い人たちだけが所有するものだったのです。
たとえば正倉院には7-8世紀頃、聖武天皇に献上されたという珊瑚のビーズが保管されています。

ではこれらの珊瑚がどこから来たのでしょうか。
それはシルクロードをたどった先にある地中海沿岸の国々です。

その地中海では数千年前から珊瑚漁が行われていました。
地中海産の珊瑚は交易品として世界各地に運ばれ、その珊瑚はアクセサリーや祭事に用いられていたのです。

その地中海で有名な珊瑚は、その沿岸の国ギリシャ神話のなかにも登場しています。
英雄ペルセウスが切り落としたメデューサの首を持って空を飛んだ時に、そこから流れ出た血が海草に触れて赤い珊瑚になったというものです。
この伝説のためか、ギリシャやローマでは珊瑚には止血作用があると信じられて珊瑚を治療に用いたという記録が残っています。

この地中海珊瑚は長い間世界中に流通していましたが、19世紀頃から次第に枯渇しはじめるのです。

日本(土佐)の珊瑚の発見

日本においての珊瑚は江戸時代(1812)に、土佐藩(高知)の漁師がたまたま網にかかった珊瑚を引き上げたのが、宝石珊瑚の水揚げのはじめとされています。
しかし土佐藩は珊瑚のことを幕府からは隠しており、土佐藩では珊瑚の採取も禁止されていました。

しかし明治になると珊瑚漁は解禁され、たくさんの珊瑚が水揚げされ、流通するようになったのです。
すると日本産の珊瑚は、地中海産の珊瑚より大きく良質な珊瑚であったため、瞬く間に世界中の珊瑚収集家から注目され、日本の珊瑚が高値で取引されるようになりました。

現在、以前に比べ珊瑚が採れる量が減っていますが、高知には珊瑚に美しい彫刻を施す伝統の技術が伝えられていて、珊瑚の養殖の研究も進められています。

今となっては、それほど日本の珊瑚は世界でも有名なのです。

珊瑚の4つの種類

日本で一番人気があるのは「血赤珊瑚」(オックスブラッド)という鮮やかな赤い珊瑚ですが、ヨーロッパでは淡いピンク色の珊瑚も同じくらい好まれています。
では珊瑚にはどんな種類があるのでしょか?

大きく4つに分類される珊瑚の種類をみてましょう。

赤珊瑚赤珊瑚には日本産と地中海産があります。
日本産の赤珊瑚は日本近海の土佐沖、奄美、八条島などの周辺で水深100メートル以上の海底から採取されます。
特に色が濃いものは「血赤」と呼ばれ、その美しさと希少性から珊瑚の王様と呼ばれています。
日本産の赤珊瑚はネックレスや指輪に加工されますが、赤珊瑚は根本のあたりの直径は3cmほどで普通の枝はもっと細いので、丸球に加工したとしても1cmの丸球はなかなか作ることはできません。
ですから日本産の赤珊瑚で1cm程度の丸球は大変高額で取引されます。

地中海産の赤珊瑚は地中海沿岸のイタリア、ギリシャ、フランスなどで採取される赤珊瑚です。
地中海珊瑚は水深50メートル程度の浅い海に生息していることが多いため、ダイバーが採れることもあります。
しかしあまり大きくならないので、ビーズのような小さい丸球にしてアクセサリーに用いられています。

日本産と地中海産の赤珊瑚の違いは、色にムラがあるかどうかという点です。

日本産の赤珊瑚には、原木の中心部に「フ」と言われる白い筋があり、加工した時に表面に色むらが生じます。
しかし地中海産の赤珊瑚には「フ」がないので色ムラがありません。

この「フ」があることが日本産と地中海産を見分けるポイントとなります。

桃色珊瑚桃色珊瑚はオレンジがかった桃色の美しい色をしています。
赤珊瑚と似たような八丈島や沖縄近海で採れる他、フィリピンでも採れるようです。

桃色珊瑚は水深200~500mというかなり深い海底で成長します。
原木はかなり大きく1メートルにもなるので、置物や仏像など大型の彫刻に使用されることもあります。
その他ブローチや帯留めなど、美しい彫刻の工芸品が人気です。
ちなみに日本産の桃色珊瑚にも「フ」と言われる白い筋が存在します。

ボケ珊瑚桃色珊瑚の中でも色が薄く、透き通って均一なピンク色のものはボケ珊瑚と呼ばれています。
なぜ「ボケ」という名前が付いたのかは定かではありませんが、ヨーロッパでは「エンジェルスキン」(天使の肌色)と呼ばれ大変人気があります。

しかし最近はほとんど採れなくなっているので、もし見つけたら貴重ですね。
日本産のボケ珊瑚にも「フ」と言われる白い模様がありますが、薄いピンクと白い模様が本当に美しく優しい色合いです。
ピンク色の珊瑚の中でもムラのないピンクのものは「ガーネ」と呼ばれています。

白珊瑚白珊瑚は水深100~400mに生息していて、日本近海からフィリピンやベトナムにかけての広い範囲で採取されています。

白珊瑚といっても、純白のものや象牙色のものは大変珍しく滅多に見かけません。
白珊瑚の表面は薄いピンクやオレンジの色がついているものもあり、これを磨いて白くします。
白珊瑚も他の珊瑚と同様彫刻を施してアクセサリーなどにされますが、原木も人気でそのままオブジェとして飾る人も多くいます。

このような宝石サンゴ以外に、「イソバナ」と呼ばれる多孔質の珊瑚に樹脂を浸透させたスポンジ珊瑚や、ウミカラマツという黒い珊瑚を樹脂コーティングした黒珊瑚が知られています。

スポンジ珊瑚は鮮やかできれいですが、宝石サンゴと違い安価で買うことができます。

当店でもスポンジ珊瑚のアクセサリーを扱っています。

本物の珊瑚の見分け方とお手入れ方法

本物の珊瑚の見分け方

桃色珊瑚
桃色珊瑚

珊瑚は採れる場所が限られており、成長にも時間がかかるため大変価値のある宝石です。
そのため本物にそっくりな模造品や産地を偽ったものがたくさん出回っているのが現状なのです。

もし自分でチェックする場合にはどんなことに注目し、本物の珊瑚を見分けていったらよいのでしょうか。

一つ目には上にまとめたような珊瑚の種類や希少性などの知識を頭に入れておくと、価格とのバランスを考えて判断するのに役立ちます。

たとえば、同じ赤珊瑚でも地中海珊瑚よりも国産のほうが価値が高く、国産でも赤が濃いほど高価になります。
そのため地中海珊瑚を日本産として偽ることもありますが、日本産の珊瑚には大抵「フ」と呼ばれる白い模様があるので確認してみましょう。
アクセサリーの小さなパーツに加工されている珊瑚の場合、「フ」は指輪の台座やネックレスの穴付近の目立たない位置に来るように加工されます。
まれに「フ」がない均一な色の日本産血赤珊瑚がありますが、これは最高級品なのでそれなりのお店で扱われています。

また2つ目には、珊瑚には石のような感触と重さがありますが、樹脂やプラスチックの偽物は持った時に軽く、すぐに手の温度になります。
珊瑚を持った時にヒンヤリ感があるかも確かめてみましょう。

しかし中には見た目では判断できないほど美しい偽物も出回っているので、確実なのは信頼できる鑑定士に判断してもらうのが一番ということになります。

珊瑚のお手入れ方法

これまで考えてきたように、とても貴重な珊瑚。
せっかく手に入れたのですから、しっかりとお手入れをして長く使っていきたいものですよね。

珊瑚は生物由来のものなので、主に炭酸カルシウムでできています。
ですから珊瑚は酸に弱いという特性があります。

これは自然界においても同じで、近年増え続ける二酸化炭素が海水に溶け込み、本来弱アルカリ性の海水が酸性化することによって珊瑚の骨格できにくくなるということが起こっています。

おまけに珊瑚の表面には見えないほどの小さな穴がたくさん開いているため、汗などがついてそのままにしておくと染み込んで変色してしまうことがあります。
しかも珊瑚は一度変色すると元に戻せません。

ですから珊瑚のお手入れ方法としては、珊瑚の使用後は柔らかい布で丁寧に拭いて乾燥させてから保管しましょう。
どうしても珊瑚の汚れが気になる時には、ぬるま湯で珊瑚を優しく洗うことができます。
しかしその珊瑚を乾かすときには、柔らい布で珊瑚の水気をしっかりふき取って、拭いた珊瑚を風通しの良い日陰でしっかり乾かします。

しかしその珊瑚の乾燥しすぎにも注意が必要です。
実際の珊瑚も放置しておけば風化していくように、珊瑚のアクセサリーも日光や風にさらされていると脆くなってしまいます。
ぜひご注意ください。

珊瑚を綺麗に保管するためには、珊瑚を密封できるビニールの入れ物に入れておくことが必要です。
また珊瑚の硬さは人の歯と同じくらいのモース硬度3.5-4で、他の宝石と比べて柔らかいので、キズや割れが生じやすい宝石とも言えます。
ですから大切な珊瑚にキズや割れが起こらないように、宝石箱の中で他の貴金属とぶつからないよう珊瑚は単品で保存しておきましょう。

それが大切な珊瑚をお手入れして、長く大切に使っていくコツと言えます。
みなさんの珊瑚のお手入れ方法の参考になれば嬉しいです。

海が創った心惹かれる宝石珊瑚のまとめ

珊瑚は深い海の底で長い年月をかけて育まれた、美しい海が創った宝石であることが分かりました。
珊瑚は人間の作り出したものとは違い、長い年月、時間が経っても美しさを失わない珊瑚は、これからもずっと神様からの贈り物として大切にされていくことでしょう。

わたしたちの髪や肌の色がそれぞれ違うように、珊瑚も多様性があります。
素敵な珊瑚のアクセサリーを見つけたら、是非その珊瑚の個性を楽しんで大切にしてください。

以下にGreat Artisan(グレート アーティザン)で取り扱っている珊瑚の商品をご紹介させていただきます。
ぜひ皆さまの大切な宝石箱のなかにGreat Artisan(グレート アーティザン)の珊瑚をひとつお入れください。

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