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月の雫(しずく)パール/真珠の伝説|世界最古の宝石といわれるその理由

月の雫(しずく)パール/真珠の伝説|世界最古の宝石といわれるその理由

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パール・真珠と日本人

可憐で華やかな雰囲気を持つ真珠。
わたしたち日本人にはあまりにも馴染みが深すぎて、真珠という日本語のみならず広く英語名でパールとも言われています。
それは、それだけ真珠/パールが日本人にとって身近に感じる天然石なのでしょう。

考えてみると、20歳の記念や嫁入り道具として、真珠/パールのアクセサリーを買って貰ったという人も多いのではないでしょうか。
たしかに真珠/パールは大人の女性のたしなみのひとつです。

そして真珠/パールの白く輝くその姿は見る者を魅了しますし、慶事から弔事まで幅広く活用できる便利なアクセサリーともいえます。

今回は、そんな真珠/パールについていろいろと特集してみたいと思います。
ぜひご覧ください。

パール(Pearl)/真珠 - 世界最古の宝石として認められたもの

パール( Pearl) /真珠は、世界中で古代から宝石として珍重されてきました。
古代ローマの博物学者プリニウスは、有名な博物史の中で「真珠/パールは当然ながら有史以前の人類に知られた最初の宝石であった」と書いています。
同じころ書かれた聖書の福音書の中にも、一粒の真珠を見つけた商人が自分の財産全部を売って真珠を手に入れるたとえ話が書かれています。
全人類が読むよう意図されて書かれた聖書に、真珠/パールがイエスの話しの例えとして出てきていることは、それほど真珠/パールが当時貴重な宝石であった証ともなります。

このように真珠/パールは非常に高価で大富豪しか手にできない宝石でしたが、約100年前、日本の御木本幸吉が世界で初めて真珠/パールの養殖に成功してからは、一般の人も手軽に手にすることができるようになりました。

では御木本幸吉氏が養殖に成功したという天然真珠/パールと養殖真珠/パールにはどのような違いがあるのでしょうか?
そもそも美しい真珠/パールはどのようにしてできるのでしょうか。

それを考えてみたいと思います。

パール(Pearl)/真珠とはなんですか?

パール(Pearl)/真珠とは、貝から採れる宝石の一種です。

前述したように1920年代にパールの養殖の技術が発明されるまでは、真珠/パールは天然の真珠貝から偶然見つかるものしかなく、真珠/パールが見つかる確率は1万個の貝から数粒程度でした。
ですから真珠/パールは貴重な宝石だったのです。

真珠/パールを生み出す貝の種類には海水で真珠/パールを生み出す貝と淡水で真珠/パールを生み出す貝があります。
そして海で採れるものを海水パール、湖や川で採れるパールは淡水パールと呼ばれています。

ちなみに日本における真珠/パールの養殖のほとんどは海水で行われ、母貝にはアコヤガイが利用されています。

しかし淡水パールは琵琶湖や霞ケ浦などで少数ですが養殖されています。
そして淡水パールの母貝には、イケチョウガイやヒレイケチョウ貝などが利用されています。

海水パールと淡水パールは同じ品質ですか?

教えて?

一般的に「淡水パール」または「海水パール」というと違う真珠/パールと思われるかもいらっしゃいます。

たしかに値段だけを見ると、淡水パールは海水パールよりも低価格で売られているので別物と感じる人もいますが、真珠/パールが形成される過程はどちらもいっしょです。
つまり淡水パールや海水パール、両方とも真珠/パールであることには変わりないということになります。

しかし現実問題として淡水パールと海水パールの価格は違います。
どんな理由があるのでしょうか?!

淡水パールと海水パールの価格が違う理由はいくつかありますので、以下に3つ挙げておきます。

  1. 海水パールの養殖に用いられるアコヤガイがイケチョウガイに比べて小さく、海水パールは一つの貝から1つの真珠しか採ることができない
  2. 海水パールの母貝であるアコヤガイは、淡水のイケチョウガイに比べて真珠/パールが形成されるまでの時間が長い
  3. 海での真珠/パールの養殖は海水温度や赤潮などいろいろな要因で母貝が死んでしまうこともある

淡水パールが海水パールより価格が安い理由は、上記以外にもありますが、つまるところ海水パールのほうが希少なので高いということです。

また淡水パールと海水パールの違いは、使用する母貝が違うので、パールの色味が少し異なるというところもあります。

パール(Pearl)/真珠の歴史

前述したように真珠/パールは古くから高価な宝石として人気がありました。

たとえば現在石油産業で有名なペルシャ湾では、5千年前から真珠/パールが採取されてきました。
そしてそのペルシャ湾で採れた真珠/パールは、メソポタミアなどに運ばれていったという記録が残っています。

このように古代のインドや中国の書物にも真珠/パールに関する記述が数多く残されており、そこから真珠/パールが貴重な宝石だったゆえ貢物として珍重されていたことが分かります。

わたしたちの日本においても古くから真珠/パールが採取されてきました。
日本で最も古いと言われる真珠/パールは、紀元前3500年頃と思われる福井県の鳥浜貝塚から発見された真珠/パールとされています。
また、「魏志倭人伝」には、「貢白珠五千孔」という記述があり、白玉つまり真珠/パールを5千粒曹魏の国に送ったということが分かります。

そして日本の真珠/パールは東方見聞録に紹介されたことから世界で有名になり、ヨーロッパでも注目されるようになったのです。

このように貴重な宝石としての真珠/パールの歴史が大きく変わったのが、20世紀のはじめに日本人の御木本幸吉が半円真珠の養殖に成功してからです。
それまでは貴重な宝石の一つであった真珠/パールが数多く流通することになったのです。
このように養殖の真珠/パールは天然の真珠/パールに比べて価格が安いので、現在出回っている真珠/パールのほとんどは養殖の真珠/パールになっています。

真珠/パール

パール(Pearl)/真珠はどうやってできるの?

このような数奇な運命を辿ってきた真珠/パール。

そもそもその真珠/パールは何でできているかというと、実は真珠/パールは貝殻と同じ成分でできているのです。

以外ですよね。
ということで、まずは貝殻のでき方について簡単にまとめてみました。

貝殻のでき方
貝の殻は主に炭酸カルシウムとたんぱく質でできています。
そして貝が大きくなると貝殻は小さくなってしまいます。
ではどうやって大きくなるのでしょうか?

貝は外套膜と言われる体の一番外側にある部分から炭酸カルシウムとたんぱく質を出して大きくなっていきます。
ホタテでいうと「ヒモ」と呼ばれるところです。

二枚貝は貝殻の縁の部分に炭酸カルシウムとたんぱく質をくっつけて少しづつ大きくなります。
みなさんは、きっと海で貝殻を拾った時に、年輪のような線を見たことがあると思います。
あの線は、貝が自分で炭酸カルシウムとたんぱく質をくっつけながら大きくなった跡なんです。

びっくりですね!!

天然真珠/パールのでき方

真珠/パール

天然の真珠/パールは、貝殻と外套膜の間に寄生虫や砂などの異物が侵入する事によって形成されます。

刺激を受けた時に外套膜が破れ、破れた膜の破片と異物が貝の体の中に入ることがあります。
そのようにして貝の体の中に入った膜の破片は広がって異物を包み込む袋「真珠袋」が出来上がります。
そしてその真珠袋の内側からは、貝殻の成分である炭酸カルシウムとたんぱく質を分泌して異物の周りに貝殻と同じものを作りこれが「真珠/パール」になるのです。

ですから真珠/パールは貝の防御反応の成果物ということですね。

人間は異物が入り込むと白血球が集合して鼻水や痰ができてきますが(汚い話ですみません)、貝は美しい真珠/パールを作るなんてほんとにびっくりです。
ちなみに天然の真珠/パールは、偶然入り込んだ異物を中心に大きくなっていくので、完全な円形のものは滅多にみられませんし、天然の真珠/パールが出来上がるまでには長い年月がかかります。
ですから天然の真珠/パールは数が少ないので貴重なんですね。

養殖真珠/パールのでき方

養殖の真珠/パールは、真珠の核となる異物を手術よって貝の体の中に埋め込んで作ります。
これを核入れと言います。

貝の内部に異物として埋め込まれるのは丸く削った貝柄の破片で、これが真珠の核になるのです。
真珠/パールの核となる貝殻は、母貝と同質の貝殻物質がよいという事から、一般的にドブ貝と呼ばれる淡水二枚貝を使用します。

ほとんどの場合はアメリカのミシシッピー河で採れる貝殻を使用していますが、一部中国産の貝も使用されているようです。
この丸い核と一緒に、外套膜の破片を挿入したら養殖真珠/パールへの手術は終了です。
あとは成長を待つだけになります。

養殖真珠 筏
英虞湾の真珠の養殖

その後養生籠に貝を並べ、筏を使って沖合で真珠/パールを成長させます。
それから長くて二年で真珠/パールを取り出します。

養殖と言っても水温や病気などの影響で貝の半分は死んでしまいます。
商品価値のある真珠/パールは全体の28%以下、新円の優良な真珠は全体の5%以下と言われています。

養殖真珠の母貝として、日本ではアコヤガイが使われています。
貝は天然のものなので、たとえば日本より水温の高い熱帯太平洋ではシロチョウガイが使用されています。
母貝の種類により、採れる真珠も違います。

以下に大まかな特徴をまとめますので、参考にしてください。。

パール(Pearl)/真珠の種類

アコヤガイ真珠/パールのサイズは2mm~10mm
色はクリーム、ホワイト、ゴールドなどがあります。
色や輝きなどの一定の基準を満たしたアコヤ真珠は「花珠」とよばれています。
イケチョウガイイケチョウガイは淡水真珠に使用される比較的大きな二枚貝です。
形は楕円形が多く、他にもドロップクロス、ライスなどが有名です。

色は白以外にピンクやオレンジなどがあります。
琵琶湖で養殖されていましたが、現在は中国でも養殖されるようになっています。

シロチョウガイ南洋珠という大粒の真珠/パールが採れます。
大きさは10mmから15mmが一般的ですが、多きものは20mmのものが見つかることもあります。

貝の色が銀白色と金色があり、それぞれできる真珠/パールの色が違います。

クロチョウガイ真珠/パールのサイズは8mm~16mm程度。
クロチョウガイは黒真珠を作ることで知られています。

クロチョウガイは黒以外にも、グレーや青などの色味の真珠が採れます。
昨今、日本の沖縄で養殖が始まりましたが、今はタヒチ産が有名です。

アワビアワビ貝は母貝のうちで唯一の巻き貝です。
巻貝なので円形の真珠ではなく、角状の真珠が出来上がります。

色はまさにアワビ貝の内側の美しい青緑色。
この貝でできる真珠/パールは、日本より海外の方が人気があるようです。

マザーオブパール
SV925とマザー・オブ・パールを組み合わせたペンダントトップ

パール(Pearl)/真珠の母貝も美しいアクセサリー

真珠/パールの母貝となる貝の内側には、真珠層と呼ばれる真珠色の輝きが見られます。
真珠/パールは母貝の内側の真珠層と同じ色になるのです。

この母貝も真珠/パールと同様、大変美しいので、マザーオブパール(真珠の母)としてボタンやアクセサリーに用いられています。
貝ボタンは光沢が美しく高級なシャツに使用されています。

マザーオブパールというとシロチョウガイの事を指していると言われることが多いのですが、上にあげた貝はどれもマザーオブパールです。

Great Artisan(グレート アーティザン)では真珠/パールの他に、右の写真のようなマザーオブパールのアクセサリーも扱っています。

パール(Pearl)/真珠のお手入れ方法

真珠/パールの扱いで気を付けたいのが、変色とキズです。

真珠/パールの変色の原因は、大抵が汗や化粧品です。
天然真珠/パールではめったに生じないのですが、養殖の真珠/パールは中心の核のまわりに真珠層が巻いてできています。
ですから真珠/パールを止める際に開ける穴から核と真珠層の間に皮脂や化学物質が入りこんで内部から変色するのです。

特に大きな核を使用して真珠層が1㎜程度の安い真珠は、内部の変色が透けて見えるのでいっそうきたなく見えてしまうのです。

こうなったらがっかりですね。
ぜひ真珠/パールのお手入れをしましょう!

いつまでも真珠/パールの美しい輝きを楽しむためには、お化粧が終わってから身に着けること、着用した後はパール・クリーニングクロスなどで汗や汚れをよく落とすことが肝心です。

それから時々あるのが、ネックレスの糸が切れて真珠/パールがバラバラ・・・
こうなっては大変です。糸にたるみができていることに気が付いたら早めに糸替えを行いましょう。

また真珠/パールのモース硬度は4度、ルビーが9度なのでかなりキズの付きやすい宝石であることが分かります。
真珠/パールを拭くときはパール・クリーニングクロスなどの柔らかい布、なければ眼鏡拭きでも大丈夫です。
きれいに、そして優しく真珠/パールを拭きましょう。

真珠/パールの汗の汚れが気になる時は、真水で洗ってよく拭いて真珠/パールを乾燥させることもできます。

真珠/パールの保管の際は、高温や日光などの紫外線を避け、他の宝石と接触しないよう個別に保管します。
このようにすれば、皆さんの大事な真珠/パールをいつまでも美しさを保ち、楽しむことができます!

真珠/パールのまとめ

パール(Pearl)/真珠は、貝が体に入った異物を包み込むことで出来上がる、まさに生き物からの贈り物といえます。

これを知ると、さまざまな形や光沢の真珠/パールのどれもが貴重なものであることが分かります。

近年海洋汚染などにより真珠/パールは深刻なダメージを受けつつあるのは残念なことです。
もし自分のお気に入りの真珠/パールを見つけたら、是非大事にしてくださいね。

Great Artisan(グレートアーティザン)ではこのように美しい真珠/パールも扱っています。
ぜひご覧ください。

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