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アラブ ファッション|クーフィーヤ デザインの始まり とは!?

アラブ ファッション|クーフィーヤ デザインの始まり とは!?

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アラブ文化に欠かせないファッション アイテム クーフィーヤとは

クーフィーヤ (アラビア語: كوفية, 英語:Kufiya) とはアラビア半島社会で男性が頭にかぶる装身具、帽子です。
サウジアラビアなど、地域によってはシュマーグ (shemagh) 、ゴトラとも呼ばれており、英語では keffiyeh/kaffiyeh ともローマ字表記され、ここからカフィエと訳される場合もあります。
ここではクーフィーヤ(英語:Kufiya)で通していきたいと思います。

クーフィーヤと名称を聞くとあまり馴染みが無いように思う方もいらっしゃるのですが、よくアラブ諸国の方々がニュースなどで映る際に、頭に被っている布のことです。
そう思い返すと「あぁ~」と思われる方は多いのではないでしょうか。

このコンテンツでは、そのアラブ諸国に深く浸透しているクーフィーヤに関して、分かる範囲で特集していきたいと思います。
これも勉強中のことなので、調べたうえで記載していきますが、もし間違った点などがありましたらご指摘いただければ幸いです。
わたくしも様ざまな情報が詳細に分かり次第、情報をアップデートしていきたいと思います。

クーフィーヤ(Kufiya)とは?!

今日、クーフィーヤはアラブ諸国、特にパレスチナにおいて抵抗と連帯の象徴であることはよく知られています。
そのクーフィーヤと言う名前は、昔アラブ世界の中で大変優れた文化と芸術などで知られたイラクのバグダッド近郊の町「クーファ」と言う町から来たと言われています。

そのクーフィーヤの起源はメソポタミアのシュメール人(紀元前3100年に西アジアのシュメール人とバビロニア人の文明)にまで遡ると言われています。
当初このクーフィーヤは、メソポタミア文化の中で高位または名誉の象徴として、司祭などが身に着けていました。
古代の文化圏では、これらの祭司たちがその周辺住民たちが住んでいた土地を管理し統制する支配者だったのです。

Kufiya

しかし歴史が進む中、さらにアラブ諸国の宗教や文化が変化していく中、このクーフィーヤの意味と役割も変化していきました。

それまでは権力や力などの象徴だったクーフィーヤが、ただの生活するための必需品、つまり頭を保護する覆いとして使われるようになったのです。
そうです。
クーフィーヤは、農民が砂漠や外で活動する間太陽や砂から、そして雨と寒さから身を守るために頭の覆いとして身に着けるものになっていったのです。

その後クーフィーヤは、イギリスの統治時代、特に1936年のアラブ反乱の間、パレスチナの反政府勢力が逮捕を避けるため自分のアイデンティティを隠すために使用されました。
そのためイギリスの委任権限当局がクーフィーヤを禁止したとき、パレスチナの人々は反政府勢力をイギリス政府が識別することをより困難にするために、すべてのパレスチナ人がクーフィーヤを着用し始めました。
これらの出来事がクーフィーヤをパレスチナの抵抗の象徴に変え、そしてそれは今日まで続きます。

このクーフィーヤは部族によって、色や柄がちがうようです。
たとえば、UAEの伝統的なクーフィーヤは白いアガル、又はイカール、ガカールと呼ばれるヤギの毛で作った輪で、クーフィーヤを頭に固定するのが一般的な使い方です。
そのクーフィーヤはUAEの近隣諸国では必ずしも白というわけではなく、ベドウィン族にはそれぞれ特有のクーフィーヤの色があるようです。

つまりクーフィーヤの色や模様についてもそれぞれ意味があり、どのクーフィーヤの柄を使っているかでその人の出身地が分かるようなのです。

わたしたち日本人には同じように見えるクーフィーヤのデザインですが、それぞれ意味があるのですね。
やはり世界の文化風習は奥が深いものです。

わたしが意外に思ったのが、アラブ諸国の人々の多くが身に着けているクーフィーヤのほとんどが中国産であるという点です。
意外じゃないですか?!
でっきりアラブ諸国のどこかでクーフィーヤは生産されているのかと思ったのですが、今はクーフィーヤのほとんどが中国生産とのことです。
以前はパレスチナにクーフィーヤ生産工場があったという記事を見かけましたが、残念ながら今は潰れているはずです。

こう考えると今は、本当に様ざまなところに国際化の波が押し寄せているのですね。

クーフィーヤの変化のとき・・クーフィーヤデザインへ

Kufiya
©2018 Erich Ferdinand

このようにアラブの人々にとっての抵抗の象徴としてのクーフィーヤのイメージが、ある出来事によって大きく変わることになりました。
それはアメリカが起こした中東での戦争のあとのことです。

クーフィーヤを使って顔を隠したいと思う人々、つまりアフガニスタンやイラクのテロリストにより、クーフィーヤが使用されることによって、欧米諸国やアジア圏ではクーフィーヤが本来持つイメージが徐々に傷つけられるようになっていったのです。

その傷つけられたイメージが決定的になっていったのが、2001年に始まったアメリカの対テロ戦争以降において、イスラム過激派のメンバー達が抵抗の象徴としてのクーフィーヤを顔全体に被っている姿が、何度も何度もテレビに映し出されることになったことです。
その後、中東特有の気候に対応するためか、中東に溶け込むためか様ざまな理由があると思いますが、クーフィーヤを首や顔に巻く米軍ほか多国籍軍の兵士、民間軍事会社オペレーターの姿がテレビなどで多数見られるようになったのです。

そして彼ら兵士達が本国に帰還すると、そのクーフィーヤがアメリカや先進国本土にも伝わり、アフガンストールという名前で若者層のファッションアイテムとしても使われるようになっていきました。
そしてそのクーフィーヤデザインの流行はアメリカだけにとどまらず、ヨーロッパでも流行となり、このクーフィーヤファッションが、パリコレにも現れたのです。

このようにアラブの文化に欠かせないクーフィーヤは、今や欧米諸国やこの日本などでもファッションアイテムとして取り入れられるようになり、そのクーフィーヤのデザインだけが「クーフィーヤデザイン」として、ファッションアイテムに取り入れられるようになっているのです。

このクーフィーヤデザインは2000年以降、世界中で大きな人気を博しています。

カシミールにおけるクーフィーヤ

カシミールの住民の多くはイスラム教ですが、カシミールに行くとその気候ゆえか、スリナガルの街中でクーフィーヤを巻いている人を見たことがありません。

しかしニュースを見ると頻繁に生じている暴動の際に文字通りクーフィーヤを身に着けた少年たちがいると書いてありました。
政治的なことは分かりませんし、何が正しいかも分かりません。
しかしクーフィーヤは抵抗の象徴であり、顔を見せられない事情がある場合着けているので残念なことには違いありません。

誤解がないように書きますが、わたしはカシミールに大切な友人とその家族、その親戚たち、そして付き合いのある大切な職人たちがいます。
なんとか彼らには幸せに暮らしてほしいと、ただそれだけを心から願っています。

カシミールのカシミヤ/パシュミナにみるクーフィーヤデザイン

Kufiya
Kufiya

前述したように、このクーフィーヤデザインの巻き物は、2015年に世界規模で流行っています。
このクーフィーヤデザインが流行りだした当初、つまり2000年初頭は、フランスなどでも「政治的要素が大きくないか・・・」などとクーフィーヤデザインが疑問視されたのですが、今となっては優れたファッションデザインの一つとしてヨーロッパファッション業界に取り入れられています。

現代ではクーフィーヤとジーンズを合わせカジュアルにコーディネートをしたり、フォーマルな場でこのクーフィーヤデザインのカシミヤ/パシュミナをドレスと組み合わせたり、とさまざまな場面でクーフィーヤデザインを見るようになりました。

この日本では、サバイバルゲーム(サバゲー)などでクーフィーヤそのものを使っている人々はいますが、このクーフィーヤデザインを普段のファッションに取り入れている人は少ないといえます。

実は、あまり知られていないのですがカシミールのカシミヤ/パシュミナにも、このクーフィーヤデザインは取り入れられています。

でも皆さんはあまり見たことはないのではないでしょうか?!
なぜならば、このクーフィーヤデザインをカシミヤ/パシュミナで実現するためには、非常に卓越した手織りのテクニックが必要なんです。
ですからカシミヤ/パシュミナの職人のマスターの中でも特別な人しかこのクーフィーヤデザインのカシミヤ/パシュミナを作ることはできません。

こちらもそんな事情もあり、クーフィーヤデザインのカシミヤ/パシュミナの注文は、他のヨーロピアンデザインのカシミヤ/パシュミナの倍の数注文します。
そうしないと特別な技術を持ったカシミヤ/パシュミナの職人さんの制作時間が取れないからです。

そう考えると、カシミヤ/パシュミナのクーフィーヤデザインは貴重で素晴らしいデザインと言えます。

とくに当店のクーフィーヤデザインのカシミヤ/パシュミナは他にはないデザインであり、わたしが知っている限りドイツでしか見ることができない素晴らしいデザインだと思います。

クーフィーヤデザイン – まとめ –

わたしがまだ不勉強のゆえ、このクーフィーヤデザインについて、アラブ諸国の人々がどのように思っているのか分かりません。

しかし発祥は、権力の象徴であり、その後抵抗の象徴、そして部族などを表しているクーフィーヤのデザイン。
そのクーフィーヤは、今や欧米諸国では大いに変わり、世界のファッションデザインの中では人気のデザインの内の一つになってしまいました。

もしかしたら考えようによっては、これが平和やイスラム教などへの理解につながっているかもしれません。
分かりませんが、互いの文化や考え方を尊重し、平和に共存していければ良いのかと思います。

Great Artisan(グレート アーティザン)ではカシミールの偉大な手織りマスターが作成した素晴らしクーフィーヤデザインのカシミヤ/パシュミナを販売しています。

以下にリンクをしていますので、ぜひご覧くださいませ。

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