カシミールの手織り(Hand-Woven) |カシミヤ/パシュミナ

手織り(Hand-Woven)とは

縦糸と横糸の静かな交わり
手織り(Hand-Woven) カシミヤ/パシュミナ
1本の糸が布になっていく魅力

ギッタンバッタン。ギッタンバッタン。

日本の昔話で、よく耳にする手織りあるいは機織り(はたおり)の音は、日本人のDNAに訴えるのか、わたしたちのノスタルジーを掻き立てます。

このように「手織り」は、昭和初期頃までは日本人にとって身近な存在でした。

しかしその後機械化による大量生産の波に押されて少しずつ手織り作業は家庭から姿を消していったのです。

「糸を紡ぎ布を織るという昔話」
日本人は、すべて手作業で行われる手織りが、どこか懐かしく、そして温かく、魅力的に感じるものです。

糸から布へ、世界でたった一つの作品を織り上げていく素晴らしい手織り

機械に慣れたわたしたちにとっては、作業というより芸術のように感じます。

繊維の宝石といわれた、カシミヤ/パシュミナの手織りストールやショールをご紹介いたします。

手織り(Hand-Woven)とは

手織り(Hand-Woven)
人気のヨーロピアンデザイン
KALI
手織り(Hand-Woven)
人気のヨーロピアンデザイン
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手織りとは、複数の並べられたタテ糸(縦に張り渡した糸)にヨコ糸(横方向の糸)を入れて布を織り上げていく手工芸です。

ひとくちに手織りといっても簡単なものから複雑なものまで様々な種類がありますが、基本となる織り目は、平織(ひらおり)・綾織(あやおり)・朱子織(しゅすおり)の3種類です。

平織りはタテ糸とヨコ糸を交互に織る最もシンプルな織り方です。パシュン(Pashm)はこの織り方です。
綾織は糸の交差部分が斜めになるのが特徴で、その代表的な織物がデニムです。カシミヤ/パシュミナの多くはこの綾織りで織られています。
朱子織はサテン織りとも呼ばれ光沢があって柔らかく、ドレスや裏地などに利用されます。

手織りは1本の糸を布へと変えていき、世界でたった一つの作品を織り上げていく素晴らしい作業です。

「手織りのカシミヤ/パシュミナには、なぜか温もりとあたたかみを感じるから好き!」
カシミールの手織りストールやショールを手に入れた人々は思います。

手織りは縦糸に横糸をとおして理想の布を織りあげていく・・・・

一本一本の糸を織りこむ・・・このような地道な作業を繰り返すからこそ、その布に職人の心と思い、そしてカシミヤ/パシュミナの歴史をも織り込んでいき、同時に温もりとあたたかみをも織り込んでいるのでしょう。

カシミールの手織りカシミヤ/パシュミナの歴史は古く、1世紀にまで遡れます。

そのカシミールのカシミヤ/パシュミナが芸術へと昇華したのは、ムガール帝国のころ。

ペルシャ文化の影響を多大に受け、そして取り入れ、カシミールの手織り作品は芸術へと昇華されていったのです。

そのカシミールの手織りの芸術は、今もなお生きています。

ペルシャ文化から発展し、そのペルシャ文化を凌駕した、カシミールの手織りの芸術は今もなお、生き延び、この日本に到着いたしました。

ぜひ魅力あふれる、手織りのカシミヤ/パシュミナをお楽しみください。

手織り(Hand-Woven)の織り方

ジャンムー and カシミールのラダックのカシミヤ/パシュミナの原毛は、海抜4500メートルの高度で飼育されたカシミヤ山羊(Capra Hircus Laniger)の内毛を使って紡がれた糸を使います。
冬にはマイナス40℃にもなる厳寒の気候。
その気候こそが世界最高峰のカシミヤ/パシュミナの毛を作ります。
※寒さがカシミヤ/パシュミナの毛に与える影響に関してはなぜカシミールのパシュミナは、世界最高品質って言われるの? 品質面から考えるをご覧ください。

このヒマラヤの極寒の厳しい環境が作る素晴らしいカシミヤ/パシュミナのフリース。

その原毛の採取は、毎年4月~5月に始まります。

  • カシミヤ/パシュミナの原毛採取の時期

    カシミヤ/パシュミナの原毛採取の時期

    毎年4月~5月。ラダックのカシミヤ/パシュミナ山羊はツォ・モリリ湖の近くに集まってきます。
    そしてカシミヤ/パシュミナの内毛の毛を採取するときが来るのです。

  • コーミング(Combing)

    コーミング(Combing)

    春、羊毛が生え変わる時期になると、うぶ毛を採取するための手作業によるカシミヤ山羊の毛の梳毛(コーミング)が行われます。
    一頭のヤギから採取できるのは、わずか200g。
    それぞれのカシミヤ山羊から摂れる、ごくわずかなうぶ毛の量とがカシミアの価値を決定づけています。

  • 汚れ落としと脱毛(Dusting&Dehairing)

    汚れ落としと脱毛(Dusting&Dehairing)

    採取したばかりのカシミヤ山羊の毛は、カシミヤ山羊の外側の毛(刺毛)など不要な毛や一年間のうちにたまったゴミなどが混入しています。
    そのためカシミヤ山羊の原毛の多くはスリナガルに運ばれ、カシミヤ山羊の毛の汚れを落とし、キレイなカシミヤ/パシュミナの原毛にするため内毛だけを選別し洗います。
    そして洗って綺麗にされた採取されたカシミヤ/パシュミナ山羊の原毛は、その原毛に強さと柔らかさを与える為に、米水に浸されます。
    米水に浸されたカシミヤ/パシュミナ山羊のフリースはカシミール語でThumbと呼ばれています。

  • 紡糸(Spinning)

    紡糸(Spinning)

    洗浄されキレイになったラダックより運ばれてきたカシミヤ/パシュミナ山羊のフリースを伸ばし、糸を紡ぐための準備を行います。

  • 手巻き(Hand Reeling)

    手巻き(Hand Reeling)

    紡績後に得られる糸は非常に細かいので、必要に応じて2倍または3倍にしなければなりません。
    これをハンドリーラーを使って行われます。
    この作業はカシミールでは、主に女性によって行われます。
    その後染める前に、この糸を川の水で洗って染色できるようにします。

  • 染める(Dyeing)

    染める(Dyeing)

    カシミヤ/パシュミナの糸は、必要に応じて「Ranger」と呼ばれるスペシャリストによって染められます。
    カシミヤ/パシュミナの糸の染料は、天然成分のみが使用されており、使用される濃度を調整して異なる色を生成します。
    カシミールのカシミヤ/パシュミナはアゾフリーです。

  • ボビン作り(Making bobbins)

    ボビン作り(Making bobbins)

    カシミヤ/パシュミナの横糸にする糸を作るために、小さなボビンを作ります。

  • 米水に浸す

    米水に浸す

    もう一度、カシミヤ/パシュミナの縦糸に強度を与えるためにカシミヤ/パシュミナを米水(でんぷん)に浸されます。
    このプロセスはマヤと呼ばれます。
    これはカシミール独自の方法です。

  • 糸の巻き(Winding of Yarn)

    糸の巻き(Winding of Yarn)

    染めて米水に浸し、でんぷんをまぶし,太陽にて乾かした縦糸を木製のスピンドルに巻きます。
    このプロセスをカシミールでは「Tulun」と呼んでいます。

  • ワープの作り方(Making of Warp)

    ワープの作り方(Making of Warp)

    縦糸は、パシュミナ糸を地面に立てられた4本から8本の鉄の棒にデザインに合わせて手で巻くことによって作られます。
    このプロセスはカシミール語でヤーンと呼ばれます。

  • 縦糸をセッティングする(Dressing the Warp)

    縦糸をセッティングする(Dressing the Warp)

    セッティングした縦糸を織り機に置く前に、それはBharangurまたはWarp-Dresserと呼ばれる人によって調整され、取り付けられます。
    カシミールのBharunと呼ばれるこのプロセスは、カシミールでザーツ(日本では菊)と呼ばれる織機の綜絖延伸糸の固定を伴います。

  • 織る(Weaving)

    織る(Weaving)

    パシュミナのショールは、カシミールのWovurと呼ばれる職人によって編まれ、プロセスがWonunと呼ばれています。
    手織り機は、15世紀の手織り機を使用して、この織るという工程は行われます。

  • 洗浄(Washing)

    洗浄(Washing)

    もう一度織ったカシミヤ/パシュミナを流れる川の水で洗って米水のでんぷんを取り除きます。

  • 仕上げ(Finishing)

    仕上げ(Finishing)

    カシミヤ/パシュミナの糸を織っていくと、必ずカシミヤ/パシュミナの糸が切れてしまいます。
    織り手は直ぐに結んで手織り作業を続けますが、そのような糸などを綺麗に切って仕上げ作業を行います。
    これらの切れたスレッドはPurzと呼ばれ、このプロセスをpuruzgarと呼ばれる人によって行なわれます。

  • 洗浄(Washing)

    洗浄(Washing)

    布地の最後の洗浄は、中性洗剤を使って川の水で流しながら、特殊な洗濯機で滑らかな石に布地をくり返し叩きつけます。
    その後乾かし、最後の工程に入ります。
    最後のプロセスはAndkadunと呼ばれるプロセスで、Andgourと呼ばれる人によって生のフリンジを作るために、カシミヤ/パシュミナの端の仕上げを行います。

GreatArtisan(グレートアーティザン)のカシミヤ/パシュミナという奇跡

Rapid flow 時代の急流

手織り(Hand-Woven)カシミヤ/パシュミナは、熟練した技術を持つ職人が一枚一枚心を込めて織った製品です。

その手織りの技術は子々孫々に渡って受け継がれていったものですが、熟練の職人になるには長い時間がかかり、これはまさに職人の世代を通して進められてきた技術というよりは芸術といえます。

まず原料であるラダックのカシミヤ山羊の毛を糸職人がカシミヤの糸にします。

その後必要に応じて糸を染めたりし、その際にカシミールでは独自の特殊加工を糸に施します。
これは手織りを始めるための重要なプロセスであり、その独自の工程を縦糸のみに施すのです。
その後職人たちは一枚一枚織機で織っていきます。

現代は、機械全盛の時代!

だからこそ、個性あふれる手織りの魅力が引き立ちます。

手織り(Hand-Woven)は、多くのファッションアイテムが時代や流行という急流に飲み込まれているなか、静かにその流れの中に佇んでいる大岩のようです。

機械化・・この波は大きく、多くのものが飲み込まれていきました。

しかしカシミールの芸術。手織りのカシミヤ/パシュミナは、どの時代でも必要とされ生き残ってきた、急流に佇む大岩のようです。

その大岩の周りには静寂が訪れています。

その飽きのこない、シンプルなデザイン。
そしてどんなファッションにも対応しながら、ひっそりと自己主張をし、持ち主に温かさと保有する満足感をあたえる優れた品質。
その姿には気品や風格さえも感じます。

まさにカシミヤ/パシュミナの手織り製品は、歴史が生んだ奇跡ともいえる製品です。

古代より多くの人間に必要とされ、そして愛され、繊維の宝石とまでいわれた カシミヤ/パシュミナ。
その原点ともいえる手織り(Hand-Woven)は、持つ者だけが分かる至福の満足感をあなたに与えます。

Grand Pashmina (グランド パシュミナ)の情報

手織り パシュミナの鑑定書

GrandPashmina鑑定書

(財)ケケン試験認証センターは昭和23年に設立され、あらゆる素材の繊維原料、糸、織物、製品について幅広く試験鑑定を行い、その結果に基づいて証明書を発行しています。

Great Artisan(グレートアーティザン)でも獣毛検査はロットごとに、鑑定書は検査結果がこれまでと変化した場合取得しております。

たとえば、GrandPashmina(グランドパシュミナ)は、カシミヤ100%|平均繊度 15.7μmとの鑑定結果が出ております。

手織りカシミヤ/パシュミナのイメージ画像

手織り Handlooms
カシミヤ/パシュミナ
Handlooms
縦糸が切れたところ
Handlooms
カシミヤ/パシュミナ
カシミヤ/パシュミナ
糸づくり

Great-Artisan(グレートアーティザン)の手織りカシミヤ/パシュミナ

GreatArtisanのコンセプト